Home > Highlighting JAPAN > Highlighting Japan 2013年10月号 > グローバリゼーション

Highlighting JAPAN

前へ 次へ

キッズコーナー

神無月

神様のいない月(仮訳)



English



日本で森や山、海岸にある崖などの自然の中を歩いていると、大きな木に縄が巻かれていたり、大きな石にジグザグの紙テープが飾られていたりするのを見るかもしれません。見た目は地味ですが、これらの紙や縄は、、つまり神様の存在を示していて、各地で目にすることができます。

神は川、山、木、雨、風、雷などの自然や、時として動物にも宿っています。その象徴的な生物が、カッパ(水の精、水の神)やキツネ(稲荷、お米と豊作の神)、風と雷の神である鬼という角のある生き物、こだま(木の魂)などです。その他にもたくさんあり、その数は全部でやおよろず(八百万)とも言われています。

精霊には強い力がありますが、いたずらをすることもあります。例えばキツネには変身能力があり、人間に姿を変えることができると伝えられています。彼らは美しい女性に変身して、人をだますのが好きなのです。でもキツネはシッポを隠すのが苦手なので、着物の裾からのぞく毛で見破ることができます。人間に化けているかどうかは、彼らの好物である油揚げを食べる時にも分かります。カッパは池や川に生息し、泳いでいる人間にいたずらをします。いたずらをされたくなければ、彼らの好物であるキュウリを水中に投げ入れます。そうすれば、邪魔されずに泳ぐことができるのです。

日本では、カッパやキツネのような精霊の物語が日常生活の一部になっていて、彼らにちなんで名づけられた寿司も2種類あります。かっぱ巻きはキュウリの巻き寿司で、稲荷寿司は酢飯を甘い油揚げで包んだものです。

このように日本にはユニークな神様がいますが、10月は神社に住む神様にまつわる特別なお話があります。

神様たちは普段、自然の力を支配し、安産祈願や学業成就、仕事運上昇といった人々の祈りに対応し、私たちが健康でいられ、安全に旅行ができ、幸せな結婚ができるように手伝ってくれています。でも、神無月である10月にお願いをしようと思っても、神様は忙しいのです。

神無月には、神様すべてが自分の住む山や海辺を離れ、日本海側にある島根県の出雲大社に集まり、皆で1年のことを話し合います。さまざまな自然の力を持つ多くの神が集結するのですから、さぞ見ものでしょうね。

このため、日本のほとんどの地域では10月を神無月、つまり神様のいない月と言います。しかし島根県でのみ、神在月、つまり神様の月と呼ばれています。出雲は神様たちで大にぎわいになるのです。

神無月に神社にお参りしてもご利益は変わらないので安心してくださいね。



前へ 次へ