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Highlighting JAPAN

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日・ASEAN友好協力40周年

希望に満ちたアジアの将来

日・ASEAN友好協力40周年の歩み(仮訳)



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日・ASEAN友好協力40周年に当たる今年、ASEANに関するイベントが日本各地で行われている。中でも、最も記念すべきイベントは日本ASEANセンターが主催し、10月5日・6日に横浜市の山下公園で開催されたASEANフェスティバル2013であった。同フェスティバルの見所はASEAN諸国の料理と民芸品、ASEAN諸国のアーティストによるコンサート、ASEAN諸国の料理人による料理のデモンストレーション、そしてさまざまなライブパフォーマンスであった。実際の来場人数は、予想を遥かに超える約100,000人に及んだ。他にも、ASEAN諸国からのムスリム観光客誘致に向けたセミナー、日本在住のASEAN諸国出身の学生に向けたキャリア開発サポート、およびASEANドリーム・プラン・プレゼンテーションなどのイベントが開催された。

合計10カ国からなるASEANは、今や世界でも強力な地域連合の一つとなっている。1967年当初のASEAN創設国はインドネシア、マレーシア、タイ、フィリピンおよびシンガポールであった。6カ国目のブルネイが加入したのは1984年であり、以後ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアと続いた。

日本とASEANの関係は、1973年にゴムの輸出問題をめぐって ASEAN(当時全5か国)と協議を行った日本・ASEAN合成ゴムフォーラムに端を発する。この協議は良好に進み大成功を収め、1977年にクアラルンプールで開かれた日・ASEAN首脳会談に当時の福田総理が参加した時から日本とASEANの正式な関係が開始した。これは新しい東南アジア外交政策における礎を築く歴史的快挙となり、後に福田ドクトリンと言われるその外交政策は、忌憚のない意見交換を行うにあたって未だ大きな意味を持つ。それ以降、両者の関係は強化され続け、そしてASEAN地域は多大な経済的、社会的、政治的成長を遂げたのである。

日本の技術分野および文化教育交流における協力もまた重要である。特にここ10年の間、投資と観光によるやりとりが非常に活発化している。ポップ・ミュージック、アニメ、漫画から日本武道に至るまでの様々な日本文化が、ASEAN諸国で爆発的な人気を誇っている。例えば、海外で「マンガ」といえば、日本の漫画のことをさす世界共通語になっているが、漫画の翻訳出版は東南アジアでも増えている。国民間レベルの関係こそが日・ASEANパートナーシップの最大の投資である。日本が行なった重要な交流プログラムである2007年のJENESYSプログラムでは約13,000人に及ぶASEAN諸国の若者たちが日本に訪れ、理解と友好を育んだ。過去に行われたJENESYSプログラムの例としては、2009年の日本とASEAN5ヶ国の若手サッカー選手の交流がある。この年は日メコン交流年だったため、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムのU-15代表のサッカー選手が来日し、合同トレーニング及び交流試合を行った。

2013年1月、安倍総理は就任後初めての外国訪問先として東南アジア3カ国(タイ、ベトナム、インドネシア)を訪れた。首脳会談後、総理は以下の「対ASEAN外交5原則(9ページ)」を発表し、対等なパートナーとしてASEANと共に歩んでいくことを明確に打ち出した。また、主な目標の一つは「未来を担う日本とASEANの若い世代がより活発に交流すること」であり、JENESYSプログラムの後継として、3万人規模で実施する「JENESYS 2.0プログラム」を通じてASEAN諸国を含めたアジアの若者を日本に招待することであると述べた。JENESYS2.0は、ASEAN、オセアニア地域から訪問する若者たちを対象に、日本経済の再生に向けて、我が国に対する潜在的な関心を増進させ、訪日外国人の増加を図るとともに、クールジャパンを含めた日本ブランドの魅力、日本的な「価値」への国際理解を増進させることを目指している。彼らは日本の様々な地方を訪れ、地域文化を学び理解する。さらに日本企業を訪れ高度な技術を体験し、「メイド・イン・ジャパン」製品の強みも理解する。彼らはまたその知識を母国に持ち帰り、新しい産業を創出することが期待される。ASEAN諸国の未来を担う若い世代との交流は、日本とASEANの相互利益関係に向けた取り組みといえる。

40年前の合成ゴムフォーラムからはじまった日・ASEAN関係は、今や日本とASEANの両者にとって最も重要な関係性の1つとなっており、各国の発展およびアジア全体の繁栄にさらに寄与することが期待されている。

日本ASEANセンター観光交流部部長のダナンジャヤ・アクシオマ氏もこれに大いに共感している。「ASEANは大きな可能性を秘めています。各国は経済的のみならず社会的にも非常に好調であり、人々の成長を実感できます。日本に世界屈指のテクノロジーがありますが、ASEANには膨大な量の自然資源が存在します。日・ASEANの関係は今、日本にとってもASEANにとっても最も重要なものだと思います。」

日ASEAN関係略史
1967年 ASEAN 設立(タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシア)
1973年 日ASEAN合成ゴムフォーラム」開催。最初の協力関係
1977年 福田赳夫総理(当時)がマニラで「福田ドクトリン」を表明。初の日ASEAN首脳会議開催。
1978年 初の日ASEAN外相会議開催。
1981年 東京に「日本アセアンセンター」開設
1997年 アジア経済危機。日本は800億ドルの支援実施を表明。第3回日ASEAN首脳会議開催(以後、毎年開催)。
2003年 日ASEAN特別首脳会議。「日・ASEAN東京宣言」
2005年 「日ASEAN戦略的パートナーシップ」の深化・拡大」に関する共同声明採択
2008年 日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)発効
2013年 「対ASEAN外交5原則」発表

対ASEAN外交5原則
日本がASEANの対等なパートナーとして共に歩んでいくとの観点から、安倍晋三総理は2013年1月に「対ASEAN外交5原則」を発表した。その内容は、以下の通りである。
1. 自由、民主主義、基本的人権等の普遍的価値の定着及び拡大に向けて、ASEAN諸国と共に努力していく。
2. 「力」でなく「法」が支配する、自由で開かれた海洋は「公共財」であり、これをASEAN諸国と共に全力で守る。米国のアジア重視を歓迎する。
3. 様々な経済連携のネットワークを通じて、モノ、カネ、ヒト、サービスなど貿易及び投資の流れを一層進め、日本経済の再生につなげ、ASEAN諸国と共に繁栄する。
4. アジアの多様な文化、伝統を共に守り、育てていく。
5. 未来を担う若い世代の交流を更に活発に行い、相互理解を促進する。



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