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Highlighting JAPAN

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日・ASEAN友好協力40周年

エネルギーの共同創出

新しい合同エネルギー開発プログラム(仮訳)



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ASEAN諸国の市場はこの20~30年で急成長し、自立した経済圏として目覚ましい成長を遂げている。しかし、多くの国は近代化プロジェクトのために支出できる資本を持っていない場合があり、たとえこうしたプロジェクトを開始しても、それを続けるための文化的・技術的なノウハウを持っていないという現実がある。そのため、日本に対するASEAN諸国の期待も大きい。数ある日本企業のなかで比較的早い段階から長期間にわたり多くのASEAN諸国と共に新しい発電プロジェクトを開発して地域経済を支援してきた丸紅の例を紹介する。

その一つの例がミャンマーである。丸紅がミャンマーで事業を行って今年で71年になる。同国に長い歴史を持っているため、多くの人々と共に仕事を行ってきており、社会的・政治的状況について精通している。最近、同社は2005年に建築したユワマ コンバインド サイクル発電所 (Ywama Combined Cycle Power Plant) のガスタービンのオーバーホールを完工した。

ミャンマーには発電に関するインフラが十分でないため、丸紅はミャンマー国内で電力供給を増やす必要があると考えている。さらに、ユワマ発電所のような事業への資本は限られているため、同社は、日本政府の組織であるNEDO (独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構) の元でのプロジェクトマネジメント同様にEPC(設計・調達・建設)サービスを提供してきた。

丸紅パワーシステムズの担当者が、ユワマ コンバインド サイクル発電所のオーバーホールのプロジェクトに関するポイントについて、私たちに語ってくれた。

ガスは地上の油田・ガス田からのみならず海底からも産出される。従来は陸上(オンショア)で生産されたガスがこの発電所に供給されていたが、これが枯渇し始めたことから、海底からガスを掘り出す洋上(オフショア)に転換した。陸上ガス、洋上ガスはそれぞれ化学構造が異なり、燃焼比などその効率性が異なる(これはエンジンでさまざまな種類のガソリンを使用する際に似ている)。オンショア、オフショアで異なるガスの化学構造を分析できなかったため、発電所のガスタービンを調節することができなかった。そのため発電所における発電量が20%減となり、ガスタービンの劣化に繋がった。

丸紅は日立(日本の主な電子機器メーカーのひとつ)と協力して修理を行うこととなった。プロジェクトが確実に期限内に完了し、同国の乾期の季節 (水力発電ではエネルギーの供給需要を賄いきれない季節) に発電ができるよう、多くのさまざまな機会において、両社はいくつかの活動への資金を提供した。

担当者は、ミャンマーの人々が日本から受けた支援にとても感謝していると語った。

 

地元との協力で成功したもう一つの例は、フィリピンのサンロケ多目的ダムBOTプロジェクトである。東芝製のタービンがこの発電所で使用されており (東芝はタービンの分野における世界的なリーダー)、当地における丸紅のパートナーは関西電力である。このプロジェクトは上記2社により協力して運営されていて、日本の会社が発電所のメンテナンスと運営の管理をしている。技術者が現場に常駐しており、他のフィリピン人の技術者を訓練すること、および日々の発電所の操作を行うことに責任を持っている。サンロケ多目的ダムBOTプロジェクトは、1) 発電、2) 洪水防止、3) 潅漑用水、という3つの主たる目的のために建設された。この発電所が建設された目的は、発電だけではなく、洪水を防止して、地元の農家に水を安定して供給することもその目的としている。

ユワマ コンバインド サイクル発電所とサンロケ多目的ダムBOTプロジェクトのようなプロジェクトは、ミャンマーとフィリピンで電力需要を満たすのに大いに役立っている。安定した電力供給は両国の経済発展に貢献し、短期的には、生活水準を改善するのを助ける。明るいエネルギーの未来が、ASEANを待ち受けている。



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