Home > Highlighting JAPAN >Highlighting Japan December 2013>Japan's technological achievements

Highlighting JAPAN

前へ 次へ

日本の輝く技術力~中小企業の革新~

ジェトロのキャラバン事業

海外における日本企業の日用品販路拡大(仮訳)



English


日本は、自動車、ステレオ、コンピューター用チップ、その他高度技術製品に関する世界的輸出国としてこれまで知られているが、いまやカーテン、台所用品、さらには歯ブラシまでその仲間に加わろうとしている。

日本貿易振興機構(ジェトロ)は、日本の中小企業の海外進出を支援するために4年前から年に一度キャラバン事業を行ってきた。

事業は2つの柱から成り、中国を主なターゲットとしたアジア・キャラバン、特にここ近年ではマレーシア、タイ、インドネシア、シンガポールを対象としたアセアン・キャラバンが盛んだ。

アジア・キャラバンの4年目、そしてアセアン・キャラバンの2年目となる今年度の参加企業は、台所用品、健康美容用品、ホームインテリア、建材などの分野にわたる。2つのプロジェクトには合計で約140社が参加し、その中の約10社は両方のプロジェクトに参加している。

アセアン・キャラバン事業を統括している下社学氏は、「これらの国々は成長著しく、日本企業はその市場への進出に注力してきました。しかし日本の中小企業の多くは海外市場進出での経験が少ないため、我々ジェトロがキャラバン事業を開催することで機会獲得の支援を行なっています」と語る。

日本製品は、品質、安全性、優れた機能、卓越したデザインなどで国際的に高い評価を得ている。ターゲットとする国々でも同様の製品が手に入ることは多いが、隅々に配慮の行き届いた日本の高付加価値製品ははるかに質の高い日用品を提供するものであり、人口増加の著しい若年層に加えて拡大する中間層や富裕層においても強い需要を生み出している。

海外への販路拡大には、各国市場動向の把握という基本的課題に加えて、言語障壁、法令および規則に関する知識、ビジネス習慣や交渉術の相違など、多くの課題が伴う。ジェトロのキャラバン事業は、情報提供、教育、宣伝イベントの開催などを通してこれらの課題への対応を支援するものだ。

アジア・キャラバンでは、ジェトロは、日本企業の各国市場への浸透を促すために、上海、北京、重慶、広州、台北の5都市を中心にいくつかのアジアの主要都市において大規模な商談会を開いている。出展企業は展示ブースを管理するための代表者を派遣し、潜在的顧客や業界関係者との接触機会を探る。今年度のアセアンキャラバンではシンガポールおよびバンコクで盛大なイベントが開催されたが、そこにはジェトロの支援を受けて準備された展示を見るだけでなく様々な事業の可能性を追求する業界の専門家が多数参加した。

販路拡大は必ず成功するとは限らず、常にリスクが伴うものだ。このキャラバン事業は現地の情報提供や商談成功の手助けをすることでそのリスクを低減させ、輸出による事業拡大意欲のある企業に門戸を開くことを狙いとしている。アジア・キャラバン生活文化・サービス産業部の森馬隆夫氏は、「エレクトロニクス製品など、現地の誰もがすでに知っている製品もたくさんあります。しかしまだ海外進出できていない優れた製品も数多くあるのです」と言う。

時には大ヒットとなる製品が出現して驚きを与えることもある。例えばカーテンはほとんどの地域で既にありふれた製品だが、あるカーテン製造企業は、不燃性、遮光性、断熱性などのちょっとした機能を新たに付加した製品を提供し、予想外の人気商品を生んだ。下社氏は「若年層においては、音楽、アニメ、サブカルチャーに関連した商品に人気が集まることは間違いありません。それより上の世代は、エレクトロニクス製品や自動車用品に加えて日本の食品を好む傾向があります」と語り、森馬氏は「若年層では、ファッショナブルでデザインの優れた商品、言い換えると『かわいい』ものが好まれます」と付け加えた。

ジェトロは、このキャラバン事業を来年度以降も継続させ、今後は他のアセアン諸国の参加にも期待している。下社氏は「ますます多くアジアの人々が日本‐すなわち我々の食文化やライフスタイルに関わる製品‐をよく知ることができれば、日本に対する親近感がますます強まるでしょう。我々がこの事業を続けていく狙いはそこにあるのです」と述べている。

高度技術を利用した製品から身近な台所用品まで様々な商品をきっかけとして人と人の絆を造る‐素晴らしいことではないか。



前へ 次へ