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Highlighting JAPAN

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日本で働く外国人

国際大学が輩出する世界で活躍できる
グローバル人材(仮訳)




九州東部の別府に位置し、「真の国際的大学」としての自負を持ち、高い思考能力、教養とスキルを兼ね備えた人材育成を目指す立命館アジア太平洋大学(APU)。5745名の全学生のうち、国際学生(日本人学部生と同じ条件で学ぶ外国人留学生を意味する)は2,500名と半数近くを占め(2014年5月1日現在)、2013年度には187人の国際学生が日本国内で新卒社員として採用されている。日本国内では他には類を見ない国際的な環境での学びと生活環境を実現している同校キャリアオフィスの鈴木慶氏に、若き外国人材の日本企業への就職状況をうかがった。

「APUには出身国はもちろん、欧米のトップクラスの大学にも合格するレベルの国際学生が集まってきます。日本は政治、経済が比較的安定しており、『新卒採用』でも世界的に知られる大企業への就職の可能性があります。欧米ではたとえ優秀な成績で大学を卒業しても、社会経験のない外国人が現地で正社員として雇用されるチャンスはほとんどありません。一方、日本はビザも取りやすいうえにそうした企業に就職できるチャンスがあります。それを足掛かりに、自国や世界の他の国でさらにキャリアアップすることも可能です。日本は世界の若者にとって、キャリア構築の第一歩として理想的な場所と言えるでしょう」との見解を述べる。

APUに注目しているのは世界の優秀な若者だけではない。世界的な企業や研究機関がAPUに注目しており、年間350社以上がキャンパスを訪れて説明会や新卒採用の初期選考を行っている。

学校側も国内・国際学生を区別せずにキャリア教育を開始する。1回生ではキャリアを見据えた個人相談を行い、希望キャリア科目の系統履修プログラムを組み立てる。2回生、3回生時のインターンシップの派遣先は国内にとどまらず海外の企業や政府機関、NGOも含まれ、学生たちは実務を経験することができる。これらのプログラムは開学以来すでに1500名の学生が参加している。

「APUの国際学生は、他大学の留学生とは違うメンタリティで日本に来る傾向があります。多様な文化背景を持ついろいろな国の学生のなかでグローバルな学びをしたい、その環境を提供しているのが日本にあるAPUだったという結果的な動機なのです。さらに寮生活の中で日本文化を知識ではなく感覚で理解できるようになった学生は、企業にとって大変魅力的です」と鈴木氏はいう。

日本全国の留学生の中で、卒業後日本での就職を希望するのは全体の約6割といわれている。その中で無事就職にこぎつけるのは全国平均では約2割だが、APUは9割の就職決定率を誇っている。

「社会全体のグローバル化が加速する中、企業が新卒社員に求める能力や資質も変化しています。留学経験や語学が堪能であることが評価されることは今も変わりませんが、もうそれだけで国際的な大企業から就職の内定をもらえる時代ではないということです」と鈴木氏はいう。

その真の「グローバル人材」について、鈴木氏はこう考える。「スピーディに変化する世界の社会情勢にスピーディに対応でき、異なる意見を受け止める懐の深さを備えた人材です。日本人か外国人かということは重要ではありません」。日本人学生と国際学生を全く区別することなく就職支援を行うAPUは、世界で通用するグローバル人材の育成に今後も力を入れていく。

 



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