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Highlighting JAPAN

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日本のテキスタイル

メード・イン・ジャパン

卓越した先進性で世界をリードする

日本のテキスタイル(仮訳)



海外で注目を集める日本のテキスタイルと聞くと、着物に代表される伝統的な織物を想像されることが多いが、実は最先端の技術を使った近代的な繊維に関しても、日本は海外から注目を集めている。なぜ日本のテキスタイルが選ばれるのか。その魅力について、自身のブランド「FRANCO FERRARO」の服に日本製テキスタイルを使用しているイタリア人デザイナーのフランコ・フェラーロ氏にお話を伺った。

フェラーロ氏が日本のテキスタイルに興味を持ったきっかけは、ミラノ市で開かれる世界有数のテキスタイル展示会「ミラノ・ウニカ」であった。彼がシーズンごとに訪れているこの展示会で、第一織物株式会社ヨーロッパ駐在員事務所のCEOである松山二郎氏と出会い、日本の近代的な繊維技術の素晴らしさを知ったという。

「当時、男性用衣類の素材として高密度に織った合成繊維を探しており、高い技術力で生み出される日本の高密度織物に出会ったのです。大変審査の厳しいダウン羽毛製品のテストであるIDFL(International Down and Feather Testing Laboratory)をパスした『DNAライト』、コットンのような感触のポリエステル繊維『MAURI』をはじめとする第一織物の製品は、品質も技術的な先進性も抜きん出ていました。女性用衣類の素材に重要な高密度性と滑らかさを持つ新素材『CORDIS』や『DICROS』も、技術の高さだけでなく非常に洗練されていると感じました」と彼は振り返る。

フェラーロ氏は自身のコレクションに18年間に渡りイタリアの繊維を使用して日本のパートナー企業であるイトキンを通して日本国内の32のショップで販売されていたが、次のシーズンから初めて第一繊維による日本製の繊維を使用することを決定した。

一般的に、合成繊維は天然繊維と比較してゴワゴワしているものが多く、滑らかで柔らかな合成繊維を衣類に使用したいと思っても、満足のゆく製品が見つからず諦めざるを得なかった経験がフェラーロ氏にはあるという。しかし、第一織物の高密度織物に出会ったことで、そうした悩みから解放されたそうだ。フェラーロ氏は、「ダウン製品にしても、第一織物の製品ほど卓越した技術力をもって、高密度なポリアミドやポリエステル繊維にグースダウンをキルト状に安全に閉じ込めたものは他に存在しません」と断言する。

フェラーロ氏によれば、展示会のたびに日本のテキスタイル技術は進化しているそうだ。前回の展示会で完璧に思える製品を発表したばかりであるにもかかわらず、さらなる技術の進化が常に反映された新しい製品が常に現れる。それゆえ、世界中のファッション業界の人々が日本のテキスタイルに注目し、称賛するのは当然だと彼は言う。

合成繊維の技術の先進性と品質の高さに加え、フェラーロ氏は日本企業の個人個人の信頼性も高く評価している。「日本企業の特徴である、非常にミスが少なく無駄のない業務体系と遅延のない納品という面でも、ヨーロッパのテキスタイル企業は日本のスタンダードには及びません。この信頼性と確実性が、私が他の国の企業ではなく日本の企業から原材料を調達しようと思う理由の根底にあるのです」。

その昔『メイド・イン・ジャパン』のテキスタイルと聞くと、コピー製品というあまり良くない印象を持つヨーロッパ人が少なからずいた時代もあったという。しかし、フェラーロ氏によれば、少なくともヨーロッパ全域にこのような偏見はもう存在しない。「今では『メイド・イン・ジャパン』はヨーロッパがいまだ到達できないでいるレベルに達しています。テキスタイルだけでなく、様々な創造的分野で日本の製品は革新的かつ先進性が高く評価されています。日本にはもっと自信を持って自国の製品を世界にアピールしていってほしいと思います」と締めくくった。

 

 



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