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Highlighting JAPAN

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日本の魚

日本の魚にまつわる7のこと(仮訳)

長きにわたって魚を食べてきた日本には、海外ではまだあまり知られていない魚に関するトリビアがたくさんある。あなたはいくつ知っている?

1 ユニークな魚の調理法「たたき」
刺身、焼く、蒸す、煮るといった魚の食べ方は知られているが、「たたき」という調理法はご存知だろうか。「たたき」には2通りあり、一つは、アジやマグロなどの生の魚を1cm角程度の大きさに切り、香草や味噌などを乗せ、それらを混ぜながら包丁で叩くよう細かく切り刻む。ときには2本の包丁を交互に振り下ろし、さらに細かく切り込むこともある。特に味噌と和えたものは「なめろう」といい、千葉県の漁師たちが忙しい漁の合間に船の上で食べていた伝統食だ。もう一つは、カツオなどの大きな魚をブロック状に切り、串を刺して火の上で表面だけを軽く焼いたものを香草などと共に食べる。

2 魚偏を使った漢字は約700もある
魚の名前を表す漢字には、魚偏が使われるが、漢和辞典には魚偏の漢字がなんと678も記載されている。魚偏に堅いと書いて「鰹」、雪と書いて「鱈」などがある。寿司屋では魚偏の漢字がズラリと書かれている湯のみがよく使われる。

3 寿司のスタイルは一つではない
日本では、各地に様々なスタイルの寿司が存在する。海外でもおなじみの一口サイズの酢飯に刺身がのったスタイルは江戸前寿司といい、東京を中心に発達したもの。かつて関西地方では、酢飯の上に同じく酢で締めた鯖などの具を乗せて木型で押した押し寿司が一般的だった。他にも、酢飯に鮭などを乗せて抗菌性のある笹で巻き、2~3日保存できるようにした笹寿司なども有名だ。

4 日本人は毒がある魚を食べる
猛毒を持つ魚、フグ。古来日本人はフグを食べていたが、内臓などに潜む毒を完全に除去することは難しく、たびたび死者を出した。16世紀頃、全国的なフグ禁止令が出されたものの、その後も庶民の間でのフグ食文化は続き、1888年初代総理大臣の伊藤博文がフグの産地である山口県下関市の春帆楼を訪問した際にフグを食べ、そのあまりの美味しさに感嘆し、解禁へとつながった。現在は専門の知識と技術の免許を持つ料理人にのみ調理が許可されている。

5 正月に食べる縁起のいい魚とは
日本人は正月におせちという特別な料理を食べる。その中には数の子、エビ、昆布など縁起が良いとされる魚介が入っている。数の子はニシンの卵を調味したもので、卵の数が多いことから子孫繁栄の象徴とされる。エビは、その姿と同じく長い髭を生やし腰が曲がるまでの長寿を願ったもの。昆布はよろ「こぶ」とかけた縁起もの。どれも良運や発展を願う意味が込められた正月の定番メニューである。

6 日本の魚は出世する
日本では、江戸時代まで、武士や学者など成長や社会的な出世に従って名前を変える習慣があった。この風習に倣って、稚魚から成魚への成長段階に応じて呼び名の変わる魚がいる。ブリは幼魚時代からワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、スズキはセイゴ → フッコ → スズキ → オオタロウと名前が変わり、これらは出世する縁起が良い魚として、祝いの席などのメニューとして好まれている。

7 魚好きの日本人が行き着いた珍味
日本の三大珍味と言えば雲丹(ウニの生殖巣を原料とした塩ウニ)、からすみ(ボラの卵巣の塩漬け)、このわた(なまこの腸の塩辛)。他にも、くちこ(なまこの卵巣を干したもの)、酒盗(鮪、鮭、鯛、秋刀魚などの内臓の塩辛)、うるか(鮎の内臓、卵巣、精巣などを用いた塩辛)などといった変わった食べ物もある。



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