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Highlighting JAPAN

日本での安全な旅のために

日本は、アプリやSNSを活用し、外国人旅行者向けに正確かつ迅速に災害情報を発信する体制を強化している。

近年、日本を旅行する外国人が急速に増えている。2013年には約1000万人であった旅行者数が、2018年には3100万人を突破した。この訪日外国人の増加に伴い、日本は、政府、自治体、企業が連携して、訪日外国人が安心して旅行できるように、多言語で災害情報を発信する体制づくりを進めている。

その一環として、2014年から観光庁監修の災害時情報提供アプリ「Safety tips」の無料での提供が開始された。対応言語は日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語の5言語で、日本国内で発せられる緊急地震速報、津波警報、気象特別警報、噴火速報、熱中症情報などがプッシュ通知で伝えられる。

またSafety tipsには災害時通知だけではなく、災害時に活用できる様々な機能がそろっている。その一つ、「事前学習」のアイコンをクリックすると、各警報等の説明、応急措置、対応フローチャートなどの情報が得られる。対応フローチャートには、災害が発生した時に、どのような行動をとるべきかが紹介されている。例えば、地震発生時に、エレベーターにいた場合、海辺にいた場合など、周囲の状況に応じた避難行動が示されている。

また、「コミュニケーションカード」のアイコンをクリックすると、「避難所はどこですか?」、「国際電話はどこでかけられますか?」などの災害時に想定される質問が5言語で表示される。自分が尋ねたい質問を周囲の人に見せることで、情報を得ることが可能となる。

さらに、各国大使館や外国人受入れ可能な医療機関の連絡先など、災害時に役立つリンク集もすぐにアクセスできるような仕様となっている。

迅速で正確な災害情報

日本への外国人旅行者の誘致活動を行っている政府機関である日本政府観光局(JNTO)も、訪日外国人向けに災害情報を発信する体制を整えている。

「災害時には様々な情報が飛び交いますが、JNTOは、政府、自治体、交通機関などの情報源から、信頼性の高い公式情報をセレクトして発信しています。私たちのサイトを災害時のポータルとして活用していただければ、迷うことなく、正しい情報にアクセスすることができます」とJNTO企画総室長の金子正志さんは話す。

JNTOが災害情報を発信するツールの一つが、2018年10月に開設した公式Twitterアカウント「Japan Safe Travel」(JST)である。JSTでは、災害発生直後の第一報として、政府機関やNHKワールドなどの情報を英語で発信する。

また、アプリ「Japan Official Travel App」は、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語の4言語に対応し、様々な日本観光情報を紹介しているが、Safety tipsと連携しており、緊急地震速報などの災害情報が自動的に通知されるようになっている。

そして、様々な日本旅行情報を紹介している「英語グローバルウェブサイト」においても、災害時には詳細な情報を一括して掲載する。さらに、Twitterやアプリを通じて、ウェブサイトへのアクセスも誘導する。

この他にも、JNTOは英語、韓国語、中国語、日本語対応の多言語コールセンター「Japan Visitor Hotline」や、スマートフォン上でチャット形式で会話する自動応答プログラム「チャットボット」(英語、韓国語、中国語対応)を24時間年中無休で運営しており、災害に関してだけではなく、日本旅行中の各種トラブルについても対応している。

「日本では今年にはラグビーワールドカップ、来年にはオリンピック・パラリンピックが開催され、外国から多くの観光客がいらっしゃいます。私どもとしては、交通機関、地方自治体、観光施設などの情報源提供者との連携を強化し、発信する情報の精度を更に上げていきます」と金子さんは話す。