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April 2022

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あさひ舟川「春の四重奏」

  • 朝日岳の残雪を背景に咲く桜、菜の花、チューリップ
  • 舟川沿いの桜並木
  • チューリップ
  • 菜の花
  • チューリップの球根植え
朝日岳の残雪を背景に咲く桜、菜の花、チューリップ

富山県の朝日町では、春になると、残雪の山の麓で、桜、チューリップ、菜の花が同時に咲き誇る、「春の四重奏」という名で知られる、色鮮やかな景色が多くの人をひきつけている。

舟川沿いの桜並木

富山県の東端、朝日町では、春になると、町を流れる舟川沿いの約1.2キロメートルにわたる桜並木と、その周辺の田園に植えられたチューリップと菜の花が一斉に咲き誇る色鮮やかな景色をみせる。残雪を頂いた朝日岳(標高2418メートル)の姿を背景に、薄桃色の桜、赤や白、黄色のチューリップ、それに明るい黄色の菜の花が広がる景色は「春の四重奏」と呼ばれ、毎年、多くの人々をひきつけている。

実は、富山県のチューリップ球根栽培は、100年余の歴史がある。一時期は日本全体で販売されるチューリップ球根の6割近くを富山産が占めた。だが、近年は輸入品に置き換わったため、朝日町では、全盛期には30軒ほどあったチューリップ球根農家は、今では1軒を残すのみとなった。

チューリップ

その1軒が「チュリストやまざき」である。その農園のオーナー、山崎久夫さんが、かつて桜の開花期と同じ頃に咲くチューリップの品種が栽培されていたことを懐かしむ地元のお年寄りの声を聞いて、オランダから、極早生の品種を取り寄せて栽培を試みた。2009年に初めて、チューリップの花が桜の開花に揃った。以来、山崎さんは、同じ時期に咲く菜の花も植え、山に向かって広がる春の花畑の絵を描くような景観づくりを意識した栽培に取り組んでいる。

菜の花

「舟川の桜並木は、1957年の河川改修の際、約280本のソメイヨシノが地元の皆さんの手で植えられたものです。それ以来、剪定や病虫害の防除など、皆さんが大切に維持管理に努めています」と朝日町観光協会の上澤聖子さんは話す。

チューリップ球根栽培も地元の人が支援している。チューリップ球根栽培農家にとって、もっとも大変な作業の一つが、球根に養分を蓄えるために、咲いている花を摘む作業*。観光協会では、農家の支援のため、「チューリップの花摘み隊」を募集している。毎年、親子で参加する人々も多く、「春の四重奏」を満喫しながら次世代に受け継いで行く活動ともなっている。

チューリップの球根植え

* 花を摘み取ってしまうのはもったいないような気もするが、球根の肥大を促すために必要な作業である。花摘み後の6週間ほど地中で球根を育て、6月の梅雨入り前に球根を掘り上げ、次の根付け時期まで乾燥・保管する。