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March 2023

日・フィリピン首脳会談

  • Japan–Philippines Summit Meeting
  • Japan–Philippines Summit Meeting
日・フィリピン首脳会談

2023年2月9日、岸田文雄内閣総理大臣は、日本を公式訪問中のフェルディナンド・マルコス・フィリピン共和国大統領と日・フィリピン首脳会談を行いました。その概要は以下のとおりです。

日・フィリピン首脳会談

冒頭、岸田総理大臣から、マルコス大統領による大統領として初の訪日を歓迎し、厳しく複雑な国際情勢の中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて、日本と隣接する海洋国家であるフィリピンとの連携を重視している旨述べました。

これに対し、マルコス大統領から、今回の公式訪問にかかる日本側の歓迎に対する謝意が示されるとともに、岸田総理大臣との間で今後の日・フィリピン関係を一層発展させることへの強い期待が示されました。

岸田総理大臣から、マルコス政権の「ビルド・ベター・モア」政策を含むフィリピンの経済開発計画を支えるため、官民を挙げて来年3月までに6,000億円の支援を実施する旨述べました。これに対し、マルコス大統領から、日本による資金協力に深甚なる謝意が示されました。

両首脳は、経済協力インフラ合同委員会を通じて、鉄道・道路橋梁等インフラ整備を始めとするODA案件の実施と官民連携(PPP)を模索していくことで一致しました。その上で、岸田総理大臣は、マニラ首都圏の南北通勤鉄道及び同延伸部分の整備に係る計3,770億円規模の借款の供与に係る交換公文の署名に至ったことを歓迎するとともに、今後、300億円の災害復旧スタンド・バイ借款の供与を行う用意がある旨伝えました。

また、両首脳は、農業及び情報通信の各分野において協力覚書の署名に至ったことを歓迎しました。岸田総理大臣から、スービック湾の拠点整備等の海上保安分野、エネルギー分野、保健分野及び産業開発分野についても、引き続き具体的な協力を進めていく旨述べました。これに対し、マルコス大統領から日本による幅広い協力への感謝が示されるとともに、「アジア・ゼロエミッション共同体」構想への支持が示されました。

続いて、岸田総理大臣から、国家安全保障戦略等について説明し、マルコス大統領は、自由で開かれたルールに基づく国際秩序への日本のコミットメントを歓迎しました。また、両首脳は、外務・防衛閣僚会合(「2+2」)を含む二国間協議を通じ、安全保障・防衛協力の具体化を追求していくことで一致しました。

両首脳は、「フィリピンにおける自衛隊の人道支援・災害救援活動に関するTOR」の署名を歓迎し、両国の共同訓練等を強化・円滑にするための更なる枠組みを含む方途の検討を継続していくことで一致しました。また、両首脳は、防衛装備・技術協力や日米比の協力強化に向けた検討も進めていくことで一致しました。さらに、両首脳は、経済安全保障、サイバーセキュリティ等の分野における協力も一層進めていくことで一致しました。

また、岸田総理大臣から、今後も和平プロセスの進捗に応じてバンサモロ自治政府樹立に向けた支援を強化するとともに、スールー・セレベス海とその周辺地域における協力も強化していきたい旨述べました。マルコス大統領から、ミンダナオ和平における日本の長年の支援が和平につながっており、当該地域の発展に貢献しているとの深甚なる謝意が示されました。

そして、岸田総理大臣から、フィリピン政府職員等に対する査証免除を表明し、マルコス大統領から同発表を歓迎するとともに、これを機に両国国民の往来・交流がより一層進展することへの期待が示されました。

さらに、今般の広域強盗事件や特殊詐欺事件に関し、岸田総理から、両国の関係当局間で必要な協力が行われていることに触れつつ、引き続き、関係当局間の連携をお願いしたい旨述べました。

注記: 本記事は、外務省の同意を得て、同省が公表した資料に基づいて作成しています。