定額減税はじまります!
今回のテーマは、「定額減税はじまります!」。私たちの暮らしを支える様々な公的サービスの提供に使われている税金。そのうち「所得税」と「住民税」について、令和6年(2024年)6月から減税されるというお話です。
「所得税」と「住民税」含めて一人あたり4万円、納税者本人と扶養親族3人なら、合計16万円減税されます。また、所得税や住民税の納税額が少なく減税しきれない場合には、給付されます。
正しく減税されるために、扶養親族の人数は正しく報告を!
誰にも関係する大事なお金に関する制度について、ぜひ一緒に詳しく学んでいきましょう!
- ゲスト
-
国税庁 課税部
法人課税課 課長補佐
五十嵐 記子
ストリーミング(音声で聴く)
- 放送日
- 令和6年(2024年)5月12日
- 再生時間
- 17分04秒
- 配信終了予定日
- 令和7年(2025年)5月11日
文字で読む
- 杉浦
- 今日は5月の第2日曜日ということで、「母の日」です!佳菜子ちゃんの「母の日」の予定は?
- 村上
- 小さい頃からスケートばっかりだったので、大人になってから「母の日」や「七夕」といったイベントを知ったんです!だから周りを見ながら学んで、今年はやってみようかなと思っています。太陽さんはどうですか?
- 杉浦
- 僕がカーネーションを買いに行って、こども達に「手紙ひとこと書きな」って言ったりね。
- 村上
- なるほど、いろんなかたの「母の日」の過ごしかた、聞いてみたいですね。
- 杉浦
- さぁ、今日学んでいくのは「お金」に関することです。テーマは「定額減税はじまります!」。
- 村上
- 「冷やし中華はじまります!」みたいなテンションですね。
- 杉浦
- 今日学んでいく「定額減税」というのは、言葉だけ聴くと難しそうだけど、「冷やし中華はじまります」と同じくらい、みんなにとって嬉しいことなのでしっかり学んでいきたいと思います!佳菜子ちゃん、税金にはいろいろな種類がありますが、「税金」で思いつくものはありますか?
- 村上
- 自動車税や家とかの固定資産税とか。
- 杉浦
- 僕たちにとって一番身近な税金は、消費税ですよね。物を買ったりサービスを受けたりする時に、その代金と一緒に支払いますよね。
- 村上
- こどもも大人も、みんなが平等に納める税金ですよね。
- 杉浦
- そのほかにも、所得税、住民税、相続税、贈与税、自動車税、ガソリン税、たばこ税、お酒にかかる酒税などなど、税金の種類は40種類以上あるんですよ。
- 村上
- 40種類以上!?思っていたよりも多いですね。
- 杉浦
- これらの税金は、私たちの暮らしを支える様々な公的サービスの提供に使われています。例えば、「年金や医療などの社会保障や福祉」、それから、安全な暮らしに欠かせない「警察や消防、救急などの活動」、さらに、豊かな暮らしに欠かせない「水道や道路の整備」、「教育」、「災害の復旧復興」とかね。
- 村上
- 私たちの暮らしに欠かせないものですよね。
- 杉浦
- 日本で暮らすために支払う会費みたいなものだよね。こうした数ある税金の中で、今日僕たちが学んでいくのは、今年の6月から始まる「所得税」などに関する新しい制度です。
- 村上
- 所得税は、所得があるかたが納める税金ですよね。
- 杉浦
- そうですね。今日はその辺りから学んでいきましょう!講師にお招きしたのは、国税庁課税部法人課税課課長補佐の五十嵐 記子さんです。
- 村上
- 五十嵐さん、税金のことは、知っているようでよく知らないかたも少なくないと思うので、今日は「所得税」の基本的なところから教えてください。
- 五十嵐
- はい。「所得税」は会社から支払われる給与や、自分で商売をして稼いだお金などにかかる税金です。手に入れたお金から、必要経費などにあたる額を差し引いた残りの金額を「所得」と言いまして、これが「所得税」を計算する元になります。
- 杉浦
- 所得が同じだからといって、誰もが一律に同じ額の税金を納めるわけではないんですよね。
- 五十嵐
- そうなんです。所得税額を計算するときには、家族構成など税金を納めるかたを取り巻く状況に応じて、所得から一定の額を差し引きます。これを「控除」といいます。
- 杉浦
- 「高校生のこどもを養っている」などの場合は、何かと入り用なので、「税金の負担を軽くしましょう」という配慮がされているんですよね。
- 五十嵐
- そうですね。それから、所得税では「累進税率」といって、控除後の所得の金額が大きければ大きいほど、その額に応じて税率が高くなる仕組みになっています。
- 杉浦
- 「累進税率」学校で習った記憶がありますね。たくさん所得があるかたに、より多くの税金を負担してもらう制度ですよね。
- 五十嵐
- はい。このように所得税は、所得の大きさに応じた負担を求めることができ、また、家族構成などの状況に応じたきめ細かな配慮を行うことができるものなんです。
- 杉浦
- 会社などからお給料が支払われているかたは、その都度、給与明細書を受け取りますよね。その明細書をよく見ると、所得税が差し引かれているのが分かると思います。
- 村上
- 「所得税」は、お給料から差し引かれるものなんですね。
- 五十嵐
- はい。そうなんです。会社などの勤務先から支払われる給与には、「所得税」がかかります。会社は、給与の中から「所得税」をあらかじめ差し引いて、給与を受け取るかたに代わって、国に納めます。この制度を源泉徴収制度といい、法律により決められているんです。所得税以外にも、会社は「住民税」や社会保険料を差し引いて、まとめて国や地方公共団体に納めています。
- 杉浦
- そのため、会社側は従業員の家族構成などをあらかじめ知っておく必要があるんですよね。
- 五十嵐
- そうなんです。所得税の計算をする時にその従業員の家族構成を知らないと、正確な額が出せないことになってしまうので、毎年、従業員の方々は扶養親族を会社に申し出ることとされています。
- 村上
- 申し出ていないと、所得から控除される額が小さくなってしまうってことですよね。
- 杉浦
- そうだよね。本来納めるべき額よりも多く納めることになっちゃうよね。やっぱり正しく納税したいじゃないですか。
- 村上
- それはそうですよね。
- 杉浦
- これから学んでいく「定額減税」は、扶養親族の人数によって減税される額が変わるので、会社に家族構成を把握しておいてもらうことは、非常に重要なことなんですよ。
- 村上
- なるほど。やっと今日のテーマのお話になってきましたね。五十嵐さん、「定額減税」が始まるということですけど、定額減税ってなんですか?
- 五十嵐
- 簡単に言うと、2024年分、令和6年分の「所得税」と「住民税」を減税することです。この春、大手企業の賃金アップがニュースなどで報じられていましたが、こうした賃金上昇が見込まれるタイミングと併せて、デフレからの完全脱却のための一時的な措置として、定額減税が実施されることになったんです。
- 村上
- どれくらい減税されるんですか?
- 五十嵐
- 基本的には、本来税金を納める分から減らすことになりまして、その額は、納税者本人の所得税から3万円、住民税から1万円、合計4万円です。さらに、配偶者を含めた扶養親族がいる場合、それぞれのかたについても、一人当たり所得税から3万円、住民税から1万円、合計4万円が減税されます。
- 杉浦
- ちなみに、扶養親族は、未成年のこどもや一人で生計を立てることができない親族のことで、パートタイマーやアルバイトで給与の収入額が103万円を超えないようなかたのことですよね。つまり、納税者に扶養親族が3人いたら、本人含めて4人だから、4万円×4人分で16万円減税されるということですね。
- 村上
- 結構大きな額ですよね!
- 五十嵐
- また、そもそも所得税や住民税をそんなに納めていないので、定額減税全額を引ききれないと見込まれるかたには、定額減税しきれないと見込まれる概ねの額を給付します。給付の対象のかたには、夏以降に住民税が課される市区町村からご案内があります。
- 村上
- つまり、納めている額にかかわらず、所得税と住民税を納めているかたは定額減税の対象になるということですね。
- 五十嵐
- はい、そうです!定額減税は、給与所得者だけでなく、公的年金を受けている方々や個人で商売をされている方々も対象になります。ただし、給与の収入額が2000万円を超えるような、高額所得者は対象外となります。
- 村上
- ここ数年、食料品の値上がりが家計に響いているかたっていっぱいいると思うので、定額減税が実施されるのは嬉しいことですね。
- 杉浦
- そうだよね。ただこの制度、給与所得者に対しては6月以降の給与分から実施されるということで、今、職場で給与の支払事務をされているかたは大忙しなんですよね。
- 五十嵐
- はい。6月の給与から減税が開始されるため、従業員一人ひとりの減税額を確認するなどの対応が必要です。
- 村上
- なるほど、扶養親族が何人いるのかなど、それぞれ確認しないといけないわけですね。
- 杉浦
- 給与の支払を受ける側も、扶養親族の増減をきちんと申請しておかないと正しく減税されませんから、気をつけなきゃいけませんね。
- 五十嵐
- そうですね。定額減税の詳細については、国税庁のホームページにパンフレットや動画、Q&Aを掲載していますので、ご不明なことがあれば、まずは「定額減税特設サイト」をご確認いただければと思います。
- 杉浦
- また、お金に関する制度が始まる時って、それに乗じた詐欺が多くなるっていうから、その点も気を付けなければいけませんよね。
- 五十嵐
- はい。国税庁や国税局、税務署などから、「定額減税の関係で還付を受けられるので。」と切り出し、銀行の口座番号や暗証番号などを、メールや電話でお聞きすることは絶対にありませんので、そのようなメールや電話にはご注意ください。
- 村上
- 私も、たまに不審なメールが届いてドキドキしちゃって、詳しい人に聞いたら、それは詐欺だよ!と教えてもらったことがあったんです。こういう不審なメールは多くなると思うし、増えてくると思うので、不審なメールや電話には十分に注意して、何かあれば、すぐに家族など信頼できるかたに相談してほしいですね。
- 杉浦
- すぐに相談した方がいいですね。おいしい話と身に覚えのない話ね!
- 五十嵐
- 給与所得者や公的年金を受けている方々に対する定額減税が6月から始まります。それに向けた対応が必要となることから、給与支払者、年金の支払者や、所得税、住民税の納税者の方々のご協力が不可欠となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
- 村上
- 今日の話を聞いて、私が特に注目したことは「定額減税はじまります!」ということです。「始まる」ということをまずは知ってほしいです。
- 杉浦
- これ、知らないと損するからね!僕は、知ってもらうために国税庁の「定額減税特設サイト」をもう一度チェックして、ちゃんと把握する!お得な情報ですからね。是非知ってほしいです。
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