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Highlighting JAPAN

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日本の夏を楽しむ

東北の夏祭り(仮訳)

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秋田竿灯まつり(8月3日〜6日)

秋田竿灯祭りは、秋田市で開催される。「竿灯」とは、竹竿に提灯を提げたもの。竿灯は、大きいもので、高さ12m、提灯の数が46個、重さが50キロにもなる。
「差し手」と呼ばれる竿灯の持ち手が、市内を練り歩く。竿灯の数は約250本。竿灯のバランスを取りながら、かけ声に合わせて、腰や肩に竹竿の底の部分を乗せる妙技を披露して、観客を沸かせる。

山形花笠まつり(8月5日〜7日)

山形花笠まつりは、山形市で開催される。「花笠」とは、山形市の花である「紅花」をあしらった笠。山形花笠まつりでは、この花笠を手に持ち、あでやかな衣裳を身につけた約1万人の踊り手が、市内を踊り歩く。威勢良い掛け声と勇壮な音色とともに、一糸乱れず繰り広げられる群舞は迫力満点だ。

青森ねぶた祭り(8月2日〜7日)

青森ねぶた祭りは青森県青森市で開催され、毎年約300万人の観光客が訪れる。「ねぶた」とは、歌舞伎や歴史物語の人物、想像上の動物、神様などを模した紙製の人形。大きさは、最大で幅約9m、高さ約5m、奥行き約7m。色とりどりの約40のねぶたが台車に乗り、笛や太鼓の音楽と共に、市内をダイナミックに練り歩く。また、ねぶたの周囲では「ハネト」と呼ばれる踊り子が踊る。ハネトはハネト用の衣裳を着用すれば、事前登録の必要なく、誰でも参加できる。

盛岡さんさ踊り(8月1日〜4日)

盛岡さんさ踊りは、岩手県盛岡市で開催される祭り。江戸時代から盛岡市周辺各地区で行われていた伝統的な踊りをもとに作られた、新たなさんさ踊りを、1978年から盛岡市内で披露するようになったのが始まり。200を超える団体から3万人以上が参加し、笛や太鼓に合わせて踊る姿は圧巻だ。

仙台七夕まつり(8月6日〜8日)

七夕まつりは夏、全国各地で開催される。しかし、仙台七夕まつりは最大で、最も手の込んだ祭りであり、特に、市内の道に飾られる巨大な吹き流しは有名だ(下の記事参照)。七夕は、離ればなれになった夫婦、彦星と織姫が、7月7日に、天の川を渡って出会うことが出来たという中国の伝説に由来する行事。日本では、7月7日、もしく8月7日に、願い事を短冊に書き、それを笹に飾り、願い事の成就を祈る。

福島わらじまつり(8月6日)

福島わらじまつりは、福島市内で開催される。「わらじ」とは、わらで編んだ履物。祭りでは、最初、長さ12m、重さ2トンの日本一の大きさのわらじを会場に奉納する。その後、長さ3.5m、重さ約130キロのわらじや、重さ約850キロの山車を引いてタイムを競う、「わらじ競争」が市内の道路で行われる。また、祭りでは多数の市民が参加し、「わらじ踊り」を熱く舞う。



七夕に願いを(仮訳)

宮城県仙台市内にある鳴海屋紙商事の作業場では、7〜8名の女性が、赤、青、黄など、色とりどりの紙を切ったり、花びらを模して蛇腹状に折ったりしている。天井からは、彼女たちが作った直径70センチあまりの巨大なくす玉がいくつもつり下げられている。

これらは、仙台市で8月6日から8日まで開催される「仙台七夕まつり」のための「吹き流し」だ。仙台は、最上部にくす玉が飾られ、細長い和紙や鶴を垂らした、長さ4mにも及ぶ吹き流しが名物になっている。

吹き流しはもともと、七夕で飾られる7種類ある「笹飾り」の中の一つであるが、仙台の七夕祭りでは、最も有名な飾りだ。笹飾りとは、竹に、彩り豊かな和紙で作った鶴や衣などの飾りを飾ったものである。仙台七夕まつりでは、市中に約3000本の笹飾りが飾られる。

「震災で本社のビルが被害を受けましたが、七夕祭りの飾り作りを止めるつもりは、まったくありませんでした」と、鳴海屋紙商事の山村蘭子さんは言う。「震災前も後も、プロとして、しっかりとした飾りを作るという信念は全く変わりません」

鳴海紙屋商事は、市内に飾られる笹飾りの約3分の2を製作しており、祭りを控えた6月から7月にかけては、鳴海紙屋商事の作業場以外でも、約100名の人が自宅でその製作に携わっている。

「震災以降、観光客が特に減ったとは感じていませんが、七夕祭りをきっかけに、より多くの観光客に仙台にいらっしゃって頂きたいです」と山村さんは言う。

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