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Highlighting JAPAN

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特集国際社会における日本のグローバル人材育成

グローバル化する日本企業(仮訳)

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近年、大手アパレルメーカー、大手インターネットサービスなど、外国人の採用を積極的に進める日本企業が続々と増えている。大手コンビニエンストアのローソンもその一つだ。ジャパンジャーナルの澤地治が報告する。

コンビニエンスストアは日本全国に4万店舗以上があり、もはや、日本人の生活に欠かせない。さらに、豊富な品揃えときめの細かい商品管理を武器に海外へも展開しており、日本のコンビニエンスストアの海外出店数は、日本国内の出店数を上回っている。

ローソンは、日本国内に約11,000、中国に約400、インドネシアに32の店舗を展開する大手コンビニエンストアだ。2008年以来、外国人正社員の採用を積極的に進めている。新入社員の約3割を外国人からの採用とし、2012年度は98名の新入社員のうち、21名が外国人である。これまで、中国、韓国、ベトナム、インドネシアなど10の国と地域の出身者を採用している。

「社会のグローバル化が進む中、企業のさらなる発展には、積極的にチャレンジしていく意識、物事に柔軟に対応できる社員の能力が求められます。そうした人材を育成するために、社内のダイバーシティ(多様性)が非常に重要で、だからこそ、外国人社員を一定の割合、継続的に採用しています」とローソンの上級執行役員の鈴木清晃氏は言う。「ただ、外国人社員だからといって区別はしません」

ローソンの外国人社員は社内で非常に優秀な成績を上げている。新入社員研修の最後に行われるテストの上位の多くは外国人社員で占められる。また、2009年に、おせち料理の販売で、日本国内でトップになったのは、中国人社員だった。

「中国の現地子会社に派遣された中国人社員も数名います。彼らはリーダーシップを発揮して、現地のスタッフを統率する役割を果たしています」と鈴木氏は言う。「外国人社員の存在は、日本人社員にも刺激となっています。かつてローソンで海外勤務を希望するのは社員の5%程度でしたが、今は30〜40%が海外勤務を希望するようになりました」

ローソンでは、新入社員研修の後、1〜2年間、店舗に配属され店長を経験する。それから、アシスタントスーパーバイザー(ASV)、スーパーバイザー(SV)と進んでいく。SVは、10店舗ほどの運営を指導し、ASVはそのSVのサポートをする。このキャリア・パスは日本人社員も外国人社員も基本的には同じだ。

「来日した理由は、日本人が時間に正確であること、約束を守ること、そうした文化を身につけたいということがありました」とローソン千葉南支店で現在、ASVとして働くグェン・テュアン・ズオンさんは言う。「また、日本の企業のベトナムへの進出が増えており、日本で学ぶことは自分の将来に役に立つと思ったのです」

グェンさんはベトナムのハノイ出身、2004年に来日し、日本の大学を卒業後、2010年にローソンに入社した。

「大学を卒業して、ベトナムに直ぐに帰るのはもったいないと思いました」とグェンさんは言う。「日本人と一緒に働いて、日本人の働き方を学びたかったのです」

ローソンを選んだ理由の一つは、ローソンが海外展開を進めていることだ。現在、ASVとして、日々、各店を回りながら、顧客の目線に立ち、いかに顧客ニーズに合った戦略を行っていくかといったコンビニエンスストアのノウハウを学んでいる。

「ベトナムには24時間営業のスーパーや、電気代や水道代などの収納代行業務を行う店も少ないため、そうしたノウハウを持っている日本のコンビニエンスストアがベトナムに増えれば、ベトナムの経済に大きく貢献します」とグェンさんは言う。「是非、将来はベトナムでローソンの出店に関わりたいです」

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