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Highlighting JAPAN

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連載 47の物語

新潟

佐渡 − 黄金と酒と素晴らしき自然の島(仮訳)



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日本海に浮かぶS字型の島、新潟県の佐渡は、日本の4つの主な島と沖縄に次いで6番目に大きな島だ。本土から隔絶された佐渡は8世紀以来、流刑地とされてきた。その多くは文化人や貴族階級者である。そのほか、日蓮上人などの仏教僧もいる。しかし今日では島は新潟港からフェリーで簡単に行くことができる。人口約6万人の佐渡は自然豊かで、絶滅が危ぶまれるトキの貴重な生息地でもある。

佐渡の両津港でレンタカーを借り、われわれは最初の目的地、「佐渡西三川ゴールドパーク」に向かった。佐渡の山や川は千年以上も昔から金の産地として知られてきた。訪れる人はゴールドパークで砂金取りを楽しむ前にその歴史を知ることができる。砂金取りは、金で一山当てようかともくろむ体験ができる老若男女に人気のアクティビティだ。決められた時間内に自分ですくった金はお土産用の瓶に入れて持ち帰ることができる。

ゴールドパークでは3段階の難易度別の砂金取りができる。初心者レベルは腰ぐらいの深さの水の流れがない溝の中で金を探し、中級レベルでは小さな人工の川の中にしゃがんで砂金を取る。もっとも難しい3番目のレベルでは、施設の下にある自然川で直接砂金を取る。ゴールドパーク営業課長の中禅寺秀和さんによると、最初の初級、中級レベルでは正しい方法でやれば、保証はないものの多くの人が砂金を取ることができるという。確かにすくった川砂の中にはキラキラ光る小さな黄金のかけらがいくつか混じっていた。

その後我々は伝統的な「たらい舟」で知られる小木港を訪れた。たらい舟とは木製の丸いたらい型のめずらしい舟で、一本の櫂だけで操る舟である。もともとは明治時代に漁師が岩礁で貝や海藻を採るために使い始めたと言われ、今でも地元の漁師たちは便利な船外機をつけ、このたらい舟を使っている。観光客たちはカラフルな装束に身を包んだ地元の女性が操る伝統的なたらい舟に乗ることができる。一つの舟には3人まで乗ることができ、波があまり高くない時なら舵取りを体験することも可能だ。

そして最後に、地元の日本酒を試さずして新潟県の旅を終えることはできない。新潟県は、酒造りには欠かせない清らかな山水とおいしいお米で知られる県だ。尾畑酒造が造る佐渡の地酒、「真野鶴」は国外でもその名を馳せる酒。2007年、英国で行われた「インターナショナル ワイン チャレンジ」を初め、尾畑酒造はいくつもの金賞を獲得しており、専務取締役の尾畑留美子さんによれば、エールフランスのビジネスクラスとファーストクラスでもその酒が提供されているそうだ。尾畑酒造の酒蔵では、年間無休でその酒やノンアルコールの製品を無料で試飲できる。

島内をめぐる間、江戸時代の雰囲気が容易に感じられ、現代はどこかへ行ってしまったようだった。佐渡の魅惑的な風景と昔から変わらぬ人々の温かさは島を訪れる誰の心にも忘れられない印象を残すことだろう。