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Highlighting JAPAN

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日本で働く外国人

インターネットで日本を紹介

ステファン・シャウエッカー氏とjapan-guide.com(仮訳)




インターネットで日本の旅行やレジャー情報を探すと、必ず『ジャパンガイド』(japan-guide.com) に遭遇する。1000ページ以上で構成されるこのサイトでは、観光をメインとし、宿泊情報、暮らしのガイド、ユーザーフォーラムをはじめ、様々な視点から日本を詳しく紹介している。

スイス出身のステファン・シャウエッカー氏は、カナダのバンクーバーで英語学校に通っていた時、日本人のクラスメートと仲良くなり、趣味として『ジャパンガイド』を立ち上げた。「日本人の友人たちが非常に優しくていい人ばかりで、日本のことをさらに知りたくなり、興味をかきたてられました」とシャウエッカー氏は語る。

将来の妻となったのもそのクラスメートの1人だった。2人は付き合い始め、1996年には彼女の協力で日本食のレシピをサイトにアップロードし、さらに日本文化について書き始めた。シャウエッカー氏は、大学に入学してコンピューターサイエンスの学位取得を目指す一方、サイトはAからZまでの簡単な索引で日本の情報を紹介する形式へと変わった。

シャウエッカー氏は、大学卒業後に1年間カナダで仕事をしていたが、『ジャパンガイド』が成長するにつれ、サイト上の広告で少しずつ収入が得られるようになってきたため、サイト運営をフルタイムの仕事にすると決めた。2003年には2人で妻の故郷の群馬県に引っ越した。これにより日本国内をさらに旅して回れるようになり、サイトがめざましく拡大したという。

現在まで時を早送りしよう。シャウエッカー氏は現在、ジャパンガイド株式会社の代表取締役を務めている。妻と3人のフルタイム勤務の社員と共に、47都道府県の情報を休まず更新し続けている。尋常でないスケジュールに追われることもあるが、利用者から『ジャパンガイド』のおかげで順調に旅することができたという報告が届くと、やりがいを感じるのだという。

『ジャパンガイド』は開設から18年目を迎え、ひと月のサイト訪問者数は150万人、ページビューは800万回を誇っている。利用者のほとんどは、多い順に日本、アメリカ、東南アジア、ヨーロッパ、オーストラリアが占めている。シャウエッカー氏によると、人気の秘密は「細部にわたる情報提供、最新情報を載せるよう努めていること。いち早くサイトを開設したことも功を奏した」ためである。

外国人として20年にわたりカナダと日本で生活したことも、日本でのビジネスを成功させた大事な要因となっている。「外国を旅行するだけではなく、実際に生活することはかけがえのない経験です。それに日本の人たちはとても優しくて思いやりがあります。だから犯罪率が比較的低く、社会が円滑に機能しているのです」。

シャウエッカー氏は一年間のおよそ25%を旅に費やしており、推定でもこれまでに日本国内の1500以上のスポットを訪れている。特に北海道の大雪山国立公園をほぼ毎年訪れていて、「広大で非常に魅力的な自然公園で、見渡すかぎり人工物は何ひとつありません。一週間ハイキングをしても、町を通過することはありません」とシャウエッカー氏は語る。

2008年には国土交通省から「VISIT JAPAN大使」の1人 (現在63名) に任命された。これは、日本の観光産業への貢献を認められたもので、実際の職務ではないものの、受賞を大変名誉に感じている。

さらにシャウエッカー氏はこれまで日本各地を訪れた経験をもとに、外国人目線で日本旅行の魅力をまとめた書籍を日本語で2冊出版している。1つはサイト利用者からのフィードバックをまとめたもので、もう1冊は、シャウエッカー氏自身が勧める観光地と日本への思いが中心となっている。

シャウエッカー氏は引き続き『ジャパンガイド』に尽力しており、現在、社員と共にサイト全面的な環境整備作業に取り組んでいる。今なお90年代に作られたHTMLフォーマットを使用していたため、スマートフォン、タブレット端末など、あらゆる種類のデバイスから『ジャパンガイド』に容易にアクセスできるようになることを目指している。「私の夢は、日本の情報を提供する最高の英語ウェブサイトを運営することです」。



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