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絶景サイクリングコース、しまなみ海道(仮訳)

昨年、米テレビ局CNNに「世界で最も素晴らしいサイクリングコース7選」として紹介された「瀬戸内しまなみ海道」。広島県尾道市と愛媛県今治市を結び、瀬戸内海に浮かぶ6つの島々を自転車で走ることができる全長70キロのこのサイクリングコースが、日本を訪れる外国人観光客の熱い視線を集めている。

「サイクリストの聖地」と呼ばれ、すでに日本国内では大人気のしまなみ海道はどのような場所なのか。尾道市役所観光課の桑田好正氏に話をうかがった。

「『瀬戸内しまなみ海道』が開通し、本州と四国を結ぶ橋として唯一の自転車歩行者道が整備されたのは1999年5月1日のことです。その記念イベント『しまなみ海道’99』において運営されたレンタサイクルが大変好評だったので、イベント終了後も継続して行われることになりました」。

レンタサイクルは市および県を越えて乗り捨てが可能なため、距離、期間、他交通機関との組み合わせなど、ルートのチョイスは様々だ。推奨サイクリングルートにひかれている「ブルーライン」には、今治と尾道までの距離が方向ごとに示され、地図がなくても迷わず目的地まで行けるよう配慮されている。

レンタサイクルの種類は、シティサイクル、子供用、クロスバイク、マウンテンバイク、タンデムサイクル、電動アシストサイクル(タンデムサイクル、電動アシストサイクルは乗り捨て不可)を合計約1700台揃え、定期的に専門業者がメンテナンスを行って安全性を保っている。ハブとなる大規模な町を観光するだけでなく、地元の新鮮な食材をそろえた商店で小腹を満たしたり、小規模な民宿での宿泊を経験したりできるのも、小回りの利く自転車という移動手段ならではだろう。

「多島美で知られる瀬戸内海を自転車で横断できるのは、しまなみ海道だけです。橋梁部だけでなく、海岸線からも絶景が堪能でき、他の乗り物では体験できないアングルからこのエリアを観光することができます。またサイクリングルートは各島の人々の生活の場でもあるので、地域に密着した人々のおもてなしの心を感じていただけます」と桑田氏は魅力を語る。

ルート沿いに設けられた「サイクルオアシス」では、トイレ、給水、空気入れなどの簡単なメンテナンスができる。地元の商店などが自主的に登録をしてサポートステーションの役割を担っているのだが、尾道だけで59軒もの登録があることからも、人々の歓迎の気持ちがわかるだろう。

「2014年は約3500人の外国人観光客が、尾道からしまなみ海道をレンタサイクルで走り、景観の素晴らしさや地元の人々との交流について、高い評価をいただいています。3年前に来訪された台湾の世界的な自転車メーカー・ジャイアントの会長が、ウェブサイトやブログで発信してくれたり、台湾・韓国の観光展へ出展したり、さらに昨年のCNNでの紹介など、海外から注目を浴びるきっかけが続いています。

すでにルート上の案内看板、サイクリングマップおよび利用方法などが明記されたパンフレットは、日・英・中・韓と多言語対応しており、主要観光案内所には英語対応可能な職員を配置しているので、海外の方にもスムーズに楽しんでいただけると思います。今後はさらに詳しい情報を多言語でパンフレット化し、小規模な宿泊施設や飲食店に配布することを検討しています。世界の人々に愛されるサイクリングロードの整備が、私たちの目標です」。

風光明媚な瀬戸内海の景観と地元の人々によるおもてなしの心で、「しまなみ海道」はますます世界の人々に愛される観光スポットになりそうだ。




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