Home > Highlighting JAPAN >Highlighting Japan October 2015>日本のスポーツ

Highlighting JAPAN

previous Next

日本のスポーツ

オールジャパンでスポーツを盛り上げる (仮訳)

文部科学省スポーツ庁長官 鈴木大地氏インタビュー 

世界的なスポーツ大会の開催を控え、盛り上がりを見せる日本。今年10月1日にはスポーツの振興やスポーツに関する施策の総合的な推進を図るため、スポーツ庁が新たに設置された。日本のスポーツ施策の歩みや国としての取り組み、今後日本で開催される世界的なスポーツイベントの見どころなどについて、1988年ソウルオリンピック100m背泳ぎ金メダリストであり、文部科学省スポーツ庁の鈴木大地長官に話を伺った。

――日本のスポーツにおける施策はどのように発展してきたのでしょうか
日本では、1964年のオリンピック東京大会を3年後に控えた1961年に「スポーツ振興法」が制定され、その後50年に渡り同法に基づきスポーツ施策が推進されてきました。しかし、社会の変化に伴いスポーツに対する国民のニーズが増大し多様化するとともに、障害者スポーツの進展、スポーツを通じた国際貢献、スポーツ団体のガバナンスなど、スポーツを巡る現代的な課題が顕在化してきました。
このため、スポーツ振興のための新たな法律の制定について、本来の目標や方向性が異なる政党の者同士が協力し合う超党派の議員連盟などにおいて議論が行われ、2011年に「スポーツ基本法」が成立しました。スポーツ基本法は、スポーツ自体の振興にとどまらず、スポーツを通じた健康増進や地域活性化、国際的地位の向上、国民経済の発展など、スポーツを通じた社会発展を目的として掲げています。
このスポーツ基本法の理念を具体化し、スポーツ施策を総合的に推進するため、2015年10月1日に、文部科学省の外局として「スポーツ庁」が設置されました。

――スポーツ庁の役割およびスポーツ立国実現に向けた取り組みについてお聞かせください
日本のスポーツに関する施策は、文部科学省が行うスポーツ振興のほか、各省庁がそれぞれの立場から実施してきましたが、全体をコーディネートする行政機関はありませんでした。スポーツ庁は、スポーツに関する基本的な政策の企画立案と推進を行うとともに、関係省庁の事務の調整を行うことにより、政府のスポーツ施策の司令塔的な役割を担うことになります。
スポーツ庁自身も、関係省庁と連携して、子供のころからスポーツの楽しさを実感し、高齢者になってもスポーツに参加できる環境づくりを行い、スポーツによる国民の健康増進を目指します。また、障害者が積極的にスポーツを行える施策の充実に努めるとともに、スポーツを通じた地域活性化、スポーツによる国際交流・国際貢献、プロスポーツの活性化などの産業界と連携したスポーツの普及にも、積極的に取り組みます。

――これから日本で開催される世界的なスポーツイベントについて教えてください
2019ラグビーワールドカップや2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等の世界的なビッグイベントは人々に夢や希望を与え、社会を活力に満ちたものにすると考えています。
ラグビーワールドカップについては、全国12都市で開催される予定ですが、東日本大震災で被災した岩手県釜石市で試合が行われることもあり、東日本大震災から復興した日本の姿を世界に示すまたとない機会と考えています。
またオリンピック・パラリンピックについては、大会を単なる一過性のスポーツイベントとせず、より良いレガシーを次世代に残していくことが重要です。このため、スポーツを通じた平和や人権尊重などを、教育を通じて全国に広めていく活動や、招致段階でお約束した、2014年から2020年までの7年間で開発途上国を中心とした100か国以上、1000万人を対象にスポーツの価値とオリンピック・パラリンピック・ムーブメントを広げていくスポーツ国際貢献事業である「スポーツ・フォー・トゥモロー」の活動にも注目して欲しいと考えています。
今後とも、組織委員会、東京都、JOC、JPCなどスポーツ界など関係者の協力を得ながら、オールジャパン体制で大会の成功に向けて準備を進めて参ります。


previous Next