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  • 太陽光発電を利用した充電器
  • 充電の様子
  • スーパーの駐車場に設置されている急速充電器「EV Quick」。急速充電器を使うと、買い物中、30~40分間で充電の完了

March 2021

次世代自動車の普及

太陽光発電を利用した充電器

地球温暖化対策の観点から、日本は二酸化炭素排出量抑制や、エネルギー効率に優れた自動車の普及を促進している。

充電の様子

2015年にCOP21で採択されたパリ協定に基づいて、日本でも様々な地球温暖化対策が進められている。その中でも、日本の運輸部門の二酸化炭素(CO2)排出量の約86パーセントを占める(2018年)のは、自動車からであり、環境負荷の少ない自動車への乗り換えは、その削減に大きく貢献するものとして、期待が高まっている。

経済産業省は、2010年に2020年と2030年の普及目標を掲げた「次世代自動車戦略2010」を策定し、その中でガソリンエンジン等と電気モーターを組み合わせたハイブリッド車、これに車の外部からの充電を可能にしたプラグイン・ハイブリッド車、電気自動車、水素と空気中の酸素で発電する燃料電池自動車、クリーンディーゼル車の5種類を「次世代自動車」と定めた。

そのうち、クリーンディーゼル車を除いた4種類を「電動車」と呼んで、経済産業省では、一般ユーザーへの普及を図っている。

さらに2020年12月には「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が取りまとめられ、2030年代半ばには国内販売の全ての新車を電動車とする新たな目標を設定した。こうした動きを受けて自動車産業界は今、100年に1度とも言われる大変革期を迎えている。

環境負荷が少なく、次世代自動車の中心的存在である電気自動車は、1990年にアメリカのカリフォルニア州がガソリン車の販売を規制するゼロ・エミッション・ビークル法を制定したことをきっかけに、開発が本格化した。

「小型でパワーの出る永久磁石同期モーターの搭載など、日本の電気自動車は走行距離、最高速度ともに世界をリードしてきました。ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんたちが発明したリチウムイオン電池は、従来の鉛電池をはるかに超える小型大容量化を実現し、電気自動車の実用性が一挙に高まりました」と、次世代自動車振興センターの荻野法一さんは語る。

日本では、1997年に世界初の量産型ハイブリッド車の販売が開始された。その後も、電気自動車を電源として使うことができるような仕様にした自動車の開発など、ユニークな技術開発が行われてきた。そして、2011年の東日本大震災で起きた大規模な停電がきっかけで、その電源としての必要性が強く認識されるに至った。災害による被災等非常時の家庭用の電源として、あるいは家電に直接電力を供給できるこの機能は、アウトドアレジャーの電源などとしても、活用の幅を広げている。

また、電気自動車は、この10年間でバッテリーの性能が向上し、フル充電で500キロ以上と、ガソリン車に匹敵する走行距離を獲得した車も出てきている。電気自動車の普及に必須となるパブリックな充電施設も、国の重点的補助金制度により拡充され、今では全国各地に7700か所以上が設置されている。さらに長距離を走る用途や大型車に適すると言われている燃料電池自動車の開発やインフラ整備も並行して進められ、次世代自動車が普及する状況が整いつつある。

スーパーの駐車場に設置されている急速充電器「EV Quick」。急速充電器を使うと、買い物中、30~40分間で充電の完了

現在日本における電動車の保有総数は、1,026万台(ハイブリッド車約1,000万台、その他の電動車約26万台)を超える。(2020.3末時点)

「ハイブリッド車以外の電動車は普及の初期段階でまだこれからですが、実際に使っていただく環境は既に整ってきています。今後は皆さんに、電動車の性能とインフラの整備状況等をより知ってもらい電動車への乗換を検討頂けるようにすること、バッテリーの性能等を更に高めながら、高性能化と低廉化を進めることが必要です」と荻野さん。

環境負荷を大幅に低減する次世代自動車への乗り換えは、地球温暖化対策のために、私たちができることの一つである。自動車は交通手段として、暮らしになくてはならないパートナーであり、次世代自動車は、利用者一人一人はもとより、社会全体の意識にも大きな変化をもたらすことになる。