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  • クウェートとのオンライン交流における二本松市の川崎小学校児童と参加者(2021年4月)
  • 石巻市の子供向けプール教室に参加するチュニジアの水泳選手団
  • バージニア州フェアファックスの消防救助隊のメンバーと大船渡市民との集合写真

June 2021

復興ありがとうホストタウン

東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、東日本大震災の被災3県(岩手県・宮城県・福島県)の自治体は、支援を受けた海外の国や地域と交流し、復興支援への感謝を伝えている。

「ホストタウン」は、日本各地の人々が、東京オリンピック・パラリンピック競技大会に参加する国・地域の人々と交流する取組である。「復興ありがとうホストタウン」は、2011年の東日本大震災後に受けた海外からの支援への感謝を表し、復興した姿を見せつつ、支援を受けた相手国・地域の人々との交流を行う自治体のことである。その「復興ありがとうホストタウン」である福島県二本松市、宮城県石巻市及び岩手県の大船渡市の取組を紹介する。

二本松市とクウェート国

クウェートとのオンライン交流における二本松市の川崎小学校児童と参加者(2021年4月)

クウェート国(以下「クウェート」)は、東日本大震災発生直後から、復興のために原油500万バレル(約400億円相当)を日本に寄付し、そのうち約155億円分が福島県に配分された。*

クウェートは、オリンピックの射撃競技(シドニーとロンドン)で2つの銅メダルを獲得している。福島県の二本松市は、国内有数の規模を誇る総合射撃場があり、また、支援に対する感謝の証として、クレー射撃を始め、競泳、空手など、クウェート選手団の事前合宿の受け入れを決め、2019年10月には、「復興ありがとうホストタウン」として登録された。

2020年春に大会延期が決定し、一時は受入準備が中断されたが、同年秋以降、オンライン中心の協議が再開され、二本松市は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しつつ、市内の射撃場、プール、体育館などを提供し、大会前の2021年7月に約2週間、クウェートの代表選手を受け入れることとなった。**

2021年4月、事前合宿に関する協定書***と覚書の締結を含めたオンライン交流が開かれ、ハサン・モハメッド・ザマーン駐日クウェート国大使、丸川珠代(まるかわ・たまよ)オリンピック・パラリンピック担当大臣、三保恵一(みほ・けいいち)二本松市長らが参加し、市内の川崎小学校児童がアラビア語で挨拶する場面もあった。また、二本松市は、伝統的な和紙を用いて、椿の花を表現した「押し絵」を披露し、和やかな交流となった。それは、クウェート選手団への応援メッセージ動画を添えて送ったものである。

二本松市は、復興支援を受けた感謝を忘れずに、「復興ありがとうホストタウン」として市民とともに国際交流を加速させていきたいとしている。

石巻市とチュニジア共和国

石巻市の子供向けプール教室に参加するチュニジアの水泳選手団

宮城県石巻市は、チュニジア共和国(以下「チュニジア」)のホストタウンとして登録されている。

石巻市とチュニジアの交流は、1992年、チュニジア大使館と関係のあるチュニジア人の学生が石巻市に一泊のホームステイをしたことから始まった。それ以来、両者の絆が育まれてきた。

2011年3月、東日本大震災直後、駐日チュニジア大使館関係者が、石巻市を訪れ、チュニジアの伝統料理の避難所での炊き出し、義援金の寄付、食品や生活物資の配布支援を行った。

石巻市は、その支援に感謝し、2018年、チュニジアの「復興ありがとうホストタウン」となった。その後、市の担当者がチュニジアを訪問し、現地のオリンピック・パラリンピック委員会や外務省の関係者らに、ホストタウン、事前合宿について説明した。

2019年7月、チュニジア大使館と同国のパラリンピック委員会が、事前キャンプの視察のために市を訪れた際、チュニジア大使館の一人が自国の世界遺産や伝統工芸品を説明し、オリーブの木を児童とともに小学校の花壇に植樹した。2020年1月にはチュニジアの水泳選手団一行が石巻を訪れ、約2週間の事前合宿を行った。選手は、滞在中、市内の施設でトレーニングや、小学生との交流を行ったりした。

「現在は新型コロナウイルスの影響で直接対面による市民との交流が難しいので、私達は市民に出演いただき、チュニジアに感謝の気持ちを伝える動画を制作しチュニジアへDVDを送りました。市のホームページにも公開****していますので、多くの人々にご覧いただき、チュニジアからの支援を忘れることなく、この絆を深めたいと思います」と石巻市の担当者は話す。

大船渡市とアメリカ合衆国

バージニア州フェアファックスの消防救助隊のメンバーと大船渡市民との集合写真

岩手県大船渡市は、東日本大震災発生以降にアメリカ合衆国(以下「米国」)から多くの支援を受けた。その支援への感謝を伝えるため、2017年11月に米国を相手国とする「復興ありがとうホストタウン」として登録された。

その後、大船渡市は、震災直後に救援活動に従事したバージニア州フェアファックスの消防救助隊のメンバーを、2019年3月の東日本大震災犠牲者追悼式に招待し、当時の支援に対する感謝や街の復興状況を伝え、市民との交流を図った。

また、震災以降、市内小・中学生がダンスやゲームを通じて、英語に親しむことを目的に米国のボランティア大学生が市を訪れた。2013年から2018年まで、大船渡市とカリフォルニア州サンディエゴの野球少年たちとの間での交流プログラムが行われた。さらに最近では、在札幌米国総領事館領事による、保育園の児童を対象とした英語の絵本のオンライン読み聞かせイベントを実施し、交流を深めている。

「ホストタウン交流を通じて、米国へ当時の支援に対する感謝を表すとともに、市民の異文化への理解促進や国際教育の進展に繋がることを期待しています」と大船渡市の担当者は語る。

* 原油は日本赤十字社を介して売却され救援金となり、福島県分の一部は、被災した中小企業に対する支援、サテライト校の生徒に対する支援、県外避難者への情報誌発行等の事業に活用された。
** 2021年6月18日現在情報
*** https://www.city.nihonmatsu.lg.jp/data/doc/1620344125_doc_84_0.pdf
https://www.city.nihonmatsu.lg.jp/data/doc/1620344134_doc_84_0.pdf
**** https://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10053700/olympics/tunisia/tyunizia.html