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  • 上書院の上階から眺めた紅葉
  • 色鮮やかな紅葉越しに見る楊谷寺
  • 緑の苔とともに彩り豊かな紅葉で飾られた「花手水」
  • 緑色から、黄色、オレンジ色、そして赤色と段々と変化するもみじの葉で彩られた「花手水」(葉の影は、上に茂るもみじの葉のもの)

September 2021

紅葉が心を癒す寺

上書院の上階から眺めた紅葉

京都府長岡京市の山腹に約1200年前開山した「楊谷寺(ようこくじ)」は、紅葉の名所としても知られている。

色鮮やかな紅葉越しに見る楊谷寺

京都府長岡京市の山腹の森に、806年開創と伝えられる「柳谷観音 楊谷寺(やなぎたにかんのん ようこくじ)」が建っている。境内には、811年に、高僧の空海(774-835)が祈祷を行ったことに由来する霊水「独鈷水(おこうずい)」が湧き続ける。この霊水は、眼病を始め病気平癒に霊験があるとされ、多くの参詣者を集めた。

最近では、周辺の地形をそのまま生かした境内の美しさが、インターネットを通じて、広く紹介されている。特に、境内5か所に点在する、参詣前に手を清めるための「手水舎(ちょうずしゃ)」の鉢に、四季折々の花や葉をあしらった「花手水(はなちょうず)」が若者の間でも人気になっている。SNS投稿の際、印象深い、いわゆる“インスタ映えする”写真が撮れるからという。「花手水」は、楊谷寺の住職を務める日下俊英(くさか しゅんえい)さんが「寺を訪れた人々に、五感を通して季節を楽しみ、心に平安を感じてほしい」との願いから始めたものである。

緑の苔とともに彩り豊かな紅葉で飾られた「花手水」

楊谷寺は、毎年、11月になれば、境内の楓などが赤や黄に色づく、ひときわ美しい時期を迎える。そこで、11月中旬から12月上旬を「もみじウィーク」と称し、この時期の花手水は、紅葉する前のモミジ葉、紅葉しかけている葉、完全に紅葉している葉といった、紅葉の過程での様々な色の葉がアレンジされ、そのグラデーションが目にも鮮やかなものとなる。

また、「もみじウィーク」期間中は、通常非公開の「上書院(かみしょいん)」が開放される。二階建ての上書院は特別な客をもてなす茶室として20世紀の変わり目に建てられた。上階からは、紅葉に彩られた名勝庭園「浄土苑」を見渡すことができ、織り物のような様々な色調は見飽きることがない。

緑色から、黄色、オレンジ色、そして赤色と段々と変化するもみじの葉で彩られた「花手水」(葉の影は、上に茂るもみじの葉のもの)

静謐で荘厳な佇まいの楊谷寺は、秋が深まっていく時期には、緑から黄、赤へと紅葉が織りなすグラデーションの艶やかさに包まれ、大勢の人々の心に癒しをもたらしている。