音声広報CD「明日への声」トラックナンバー2(HTML版)|令和5年(2023年)7月発行分

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音声広報CD「明日への声」 vol.92(令和5年(2023年)7月発行)

トラックナンバー2

「消費者契約法」を知っていますか?

(イントロダクション:女性ナレーター)

私たちは暮らしの中で様々な消費者契約を結んでいます。しかし、中には、「契約前の説明と違う」「強引に契約させられた」といったトラブルに巻き込まれることがあります。「消費者契約法」は、事業者に比べて、情報や交渉力で劣る消費者を守るために制定された法律です。一人ひとりが、契約トラブルから身を守れるよう、消費者契約法について説明します。

(本文:Q.女性ナレーター/A.男性ナレーター)

Q1:「契約」というと特別なものだと感じるかもしれませんが、私たちは日々の生活の中で、様々な契約を行っているのですよね。

A1:お店やネットショップで商品を買ったり、有料サービスを受けたりする場合など、消費者は事業者との間で「消費者契約」という契約を交わしています。契約は特別な場合を除き、契約書がなくても成り立ちます。私たちは、ふだん何気なく様々な契約を交わしながら生活しているのです。
こうした契約においては、事業者は消費者に比べて、取引についての知識や経験が豊富で、交渉力でも格差がありますので、消費者が気づかぬうちにあるいは断りきれずに不利な契約を結んでしまうおそれがあります。意に添わない契約や誤解に基づく契約などを行い、後悔してしまうといった契約トラブルから消費者を守るために「消費者契約法」という法律が定められています。

Q2:法律と聞くと身構えてしまいますが、「消費者契約法」とはどのような法律なのでしょうか?

A2:「消費者契約法」のポイントは3つあります。いち不当な勧誘により締結させられた契約は、後から「取消し」できます。消費者の利益を不当に害する契約条項は、「無効」となります。さん事業者に対し、情報提供などに関する「努力義務」を定めています。なお、ここでいう「消費者」とは個人を指しており、事業としての契約や労働契約については適用されません。

Q3「消費者契約法」は平成12年に制定されてから、必要な改正が度々行われ、最近だと令和4年にも改正されたと聞きました。どのような点が変更となったのでしょうか?

A3:今回の改正では主なポイントとして3点があります。一つ目は、消費者の「取消権」に新たな項目が追加されたことです。消費者契約法では、消費者の「取消権」を認めており、事業者からの不当な勧誘によって締結した契約については、後から「取消し」できるものとしています。今回の改正では、「勧誘することを告げずに退去困難な場所へ同行し勧誘した場合」と「威迫する言動を交え相談の連絡を妨害した場合」が追加となりました。また、霊感商法や事業者が契約締結前に債務の内容を実施するケースについても、対象範囲が拡大されました。

Q4:新たに追加となった項目は、具体的にどのようなケースでしょうか?

A4:「退去困難な場所へ同行し勧誘した場合」については、たとえば事業者が「景色を見に行こう」などと言って、消費者を交通の便の悪い山奥に連れ出して、帰宅困難な場所で契約させるケースなどがあたります。「威迫する言動を交え相談の連絡を妨害した場合」については、消費者が「契約するかどうか親に相談したい」と事業者に言ったものの、「もう成人だから自分で決めないとだめだ」などと相手を脅すような言動で相談の連絡を妨害し、契約させるケースなどがあたります。

Q5:消費者契約法では、「取消し」ができる期間は決まっているのでしょうか?

A5:契約の締結から5年間まで、霊感商法の場合は10年間までが対象期間となります。ただし、消費者が誤認に気付いたり、勧誘による困惑をだっしたりなど、取消しの原因となっていた状況が消滅したときは、その時点から1年間まで、霊感商法の場合は3年間までとなります。

Q6:霊感商法の場合は、期間が異なるのですね。改正の二つ目のポイントは何でしょうか?

A6:「無効」となる条項に「免責の範囲が不明確な条項」が追加となりました。たとえば、「当社は“法律上許される限り”1万円を限度として損害賠償責任を負う」といったケースなど、免責の範囲が不明確な条項については、契約書に示されていても効力を持ちません。このような条項は、軽過失の場合にのみ適用されることを明らかにする必要があります。

Q7:責任を限定する範囲を「法律上許される限り」といった曖昧な文言で記載しているようなケースですね。三つ目の改正のポイントは何でしょうか?

A7:事業者の「努力義務」に関してです。定型ていけい約款やっかんの表示請求権に関する情報提供や、解除権行使に必要な情報提供、解約料に関する算定根拠の概要の説明などが、努力義務として追加されました。

Q8:実際にトラブルが起きた際は、どこに相談すればよいのでしょうか?

A8:困ったときは、一人で悩まずに、「消費者ホットライン」188いややにご相談ください。全国どこからでも、3桁の電話番号「1 8 8いちはちはち」でご連絡いただければ、お近くの地方自治体の消費生活相談窓口をご案内します。

〈エンディング:女性ナレーター〉

消費者契約法は消費者を守るための法律です。どのようなときに契約の取消しができるのか、どのような契約条項が無効となるのかを理解しておくことが大切です。また、契約トラブルで困った場合や、契約に関する不安などがある場合は、公的な相談窓口にご相談ください。

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