2類から5類へ 新型コロナウイルス感染症
5月8日から新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが「2類相当」から「5類」になり、季節性インフルエンザと同じ分類に。これに伴い、私たちの生活にも様々な変化が。番組では、「5類」移行後の医療提供体制や医療費の負担、そしてワクチン接種などがどう変わるのかを深掘りします!また、GWの帰省などの際に気を付けたいことや、感染に備えて、私たちができる事前の準備などについてもご紹介します。

- ゲスト
- 厚生労働省 健康局
結核感染症課 感染症情報管理室 室長
新型コロナウイルス感染症対策推進本部
広報班 副班長
今川 正紀
ストリーミング(音声で聴く)
- 放送日
- 令和5年(2023年)4月30日
- 時間
- 17分01秒
- 配信終了予定日
- 令和6年(2024年)4月29日
文字で読む
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青木 - 3月13日からマスクの着用は個人の判断が基本となりました。足立さんは、どうしていますか?
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足立 - 私はコロナ以前から、花粉がひどいときはマスクを着用していましたし、朝早い仕事で、すっぴんのときもマスクをしていたりと、結構、マスク生活をしていたんですが、夏になるにつれて、マスクを着用すると暑いから、今後、マスクを取っていく感じになるかと思います。
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青木 - 個人の判断とは言え、政府では周囲の方に感染を広げないために、マスクの着用を勧める場面もあります。例えば、医療機関を受診するときや、高齢者施設などを訪問するとき、通勤ラッシュ時など混雑した電車やバスに乗車するときなどです。また、自分を感染から守るために、高齢者や基礎疾患を有する方、妊婦さんなど、重症化リスクの高い方が感染拡大時に混雑した場所に行くときは、マスクの着用が効果的だとしています。
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足立 - そうした場合も含めて、それぞれの判断に委ねられているんですから、その判断を尊重しないといけませんよね。
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青木 - そうですね。さらに、新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが、5月8日に「2類相当」から「5類」に移行されることになります。これによって何が変わるか知っていますか?
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足立 - 何だろう?正直詳しくは知らないですが、移行によって日常生活がどうなるかなど、気になる方が多いんじゃないかなと思います。
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青木 - 気になりますよね。「2類相当」から「5類」に移行されると、医療のかかり方などが大きく変化するんです。 そこで、何がどのように変わるのか、私たちがどうすれば良いのかスペシャリストに伺っていきましょう。厚生労働省健康局結核感染症課感染症情報管理室室長の今川正紀さんです。あと1週間ほどで、新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが「2類相当」から「5類」へ移行されます。この「5類」というのは、つまり、季節性インフルエンザと同じ分類になる、ということですよね。
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今川 - はい。世の中には結核やコレラなど様々な感染症があります。こうした感染症は、感染症法という法律で、症状の重さや感染力などに応じて分類し、感染症の感染拡大を防止するための対策を、国や自治体がすぐに対応できるようになっています。
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青木 - ちなみに、それぞれの分類の代表的な感染症を紹介しますと、1類はエボラ出血熱やペストなど、2類は結核など、3類はコレラなど、4類は狂犬病などです。そして、「5類」は季節性インフルエンザなどが指定されています。
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足立 - そもそも、なぜ「2類相当」から「5類」へ移行することになったんですか?
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今川 - 新型コロナウイルス感染症は、発生当初は不明な点が多かったのですが、2021年の年末に発生したオミクロン株が主流になってからは、発生初期と比較して重症度が低下していることが分かっています。検査で陽性になった方への自宅待機や入院の勧告といった措置を行うほどの状態とは考えられないことから、「5類」に移行することとなりました。
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足立 - 移行すると、具体的に何が変わるんですか?
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今川 - 国民の皆さんにとって最も大きな変化は、行動制限がなくなることだと思います。これまで、感染者は原則として7日間、濃厚接触者は5日間、外出の自粛が求められていました。「5類」へ移行した後は、こうした行動制限がなくなります。
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青木 - これまでは家族が感染して濃厚接触者になってしまうと、外出ができず、仕事も買い物もできず、困っていた方も多いと思いますが、そうした行動制限がなくなると、大分楽になりますよね。
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今川 - そうですね。しかし、行政が行動制限をすることはなくなりますが、体調が悪いときは周りの人にうつさないように、対策は引き続き行っていただきたいと思います。
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足立 - 先ほど、「5類」に移行されると、医療のかかり方などが大きく変化すると聞きましたが、5月8日以降は、「コロナかも?」と思ったら、どうしたら良いですか?
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今川 - はい。5月8日を境に、医療のかかり方も大きく変わります。これまでは、発熱などコロナの疑いのある方は、コロナ専門の医療機関を受診いただいていましたが、「5類」移行後は、一般の幅広い医療機関で受診できるような医療体制に移行していきます。今後、自治体から発熱患者を診療する医療機関が公表される予定ですので、各自治体の情報を確認してください。
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足立 - 話を聞いていると、コロナが特別な感染症ではなくなるんだと感じてきました。
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青木 - そうですよね。それから足立さん、「2類相当」から「5類」への移行で医療費のことや、ワクチン接種についても気になりませんか?
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足立 - そこが一番気になるところです!今川さん、どのように変わるんですか?
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今川 - はい。新型コロナの場合、これまでは外来・入院で掛かる医療費の自己負担分や検査費用は、患者の負担なく公費で全額支援してきました。5月8日以降は、医療費も季節性インフルエンザなどと同様に、健康保険が適用されて、1割から3割をご自身でご負担していただくことが基本となります。ただし、急激な負担の増加を避けるため、引き続き、コロナの治療薬は無料となります。また、入院される方の医療費も補助が受けられます。こうした軽減措置は、9月末まで継続しますが、その後の取扱いについては感染状況を踏まえて改めて検討することにしています。
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青木 - 具体的な外来医療費のイメージですが、例えば、70歳未満で医療費が3割負担の方の場合、5月8日以降は、およそ3,700円から4,200円ほどになります。75歳以上で1割負担の方の場合は、およそ1,240円から1,400円ほどになります。参考までに、新型コロナ治療薬の公費の支援が全くなかった場合、70歳未満で3割負担の方がどのくらいの外来医療費が掛かるかというと、なんと3万2,000円ほどなんですよ。
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足立 - そうやって聞くと、そのくらいの負担であれば、安心して医療にかかることができますね。ただ、ワクチンの接種に関してはどうですか?これまでは自己負担はなかったですよね?
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今川 - はい。ワクチン接種に関しては、65歳以上の高齢者や、基礎疾患をお持ちの方、医療従事者などは一年に二度、その他の方は一年に一度の接種となり、費用はこれまで通り自己負担なしで接種を受けられます。接種の際には、接種券が必要になりますが、接種券の取得には申請が必要な場合がありますので、お住まいの自治体が発信する情報に注意していただければと思います。この枠組みは令和5年度末までの予定です。
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青木 - ここまでは「2類相当」から「5類」へ移行した際の変更点をお伝えしてきましたが、ここで「素朴な疑問コーナー」参りましょう!足立さんも、あれこれ疑問に思うことがあるんじゃないですか?
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足立 - そうですね。まず、マスクの着用が個人の判断になって初めて迎えているゴールデンウィーク。これまでの経験上、移動する人が増えると再び感染が拡大するんじゃないかな?と心配なんですけど。
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今川 - そうですね。「5類」に移行したからと言って、新型コロナウイルスの感染力などの性質が変わるわけではありません。ゴールデンウィークに帰省して、ご高齢の方に会う場合は、体調を整えるようにしましょう。また、「手洗い」や「換気」、「マスクの効果的な場面での着用」といった基本的な感染対策は引き続き効果的です。
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足立 - また変異株が現れて大流行する可能性もありますよね?
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青木 - そういう心配をされている方、多いと思います。今川さん、いかがでしょうか?
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今川 - はい。新型コロナはこれまで変異を繰り返してきました。そのため、もしオミクロン株とは大きく病原性が異なる変異株が出現するなどの状況になれば、直ちに必要な対応を行います。
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青木 - 臨機応変に対応していくということですね。足立さん、他に素朴な疑問はありますか?
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足立 - コロナの感染力や性質が変わるわけではないということですが、事前の備えとして、自分にも何かできることありますか?
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今川 - はい。事前の備えとしてあらかじめ、抗原検査キットや解熱剤などの常備薬を準備しておくと安心だと思います。症状が重くない場合には、まずはご自宅で、国が承認した検査キットを使って感染しているかどうか調べることができます。
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足立 - 確かに、事前に準備をしていれば安心ですね。ちょっと気になったんですが、国が承認した検査キットというのは何ですか?
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今川 - パッケージに「体外診断用医薬品」又は「第一類医薬品」と記されたものです。薬局、ドラッグストア、インターネットでも購入できます。「研究用」と称する検査キットも販売されていますが、こちらは国が性能などを確認したものではありません。
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青木 - パッケージに「体外診断用医薬品」又は「第一類医薬品」と記されたものです。皆さん、よく確認して購入してください。ところで、足立さんは「5類」になり、いろいろ制限がなくなりますが、今までコロナで制限していたけど、今後やってみたいことはありますか?
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足立 - やっぱり、旅行や出掛けた先での映えスポットでのマスク着用なしでの写真撮影ですかね。青木さんはいかがですか?
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青木 - 私は、先日、教育現場に顔を出す機会があったんですが、給食が黙食なんですよね。でも、自分たちの学生時代を振り返ると、給食は、皆とワイワイ楽しく話しながら食べてる時間だったじゃないですか。
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足立 - コミュニケーションの場ですもんね。
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青木 - そういう時間が戻ってほしいなと思います。ただ、今日伺ったように、「2類相当」から「5類」へ移行後も、周囲の方に感染を広げないため、また自分を感染から守るために私たちが気に掛けることは変わらないような気がします。
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今川 - そうですね。5月8日から新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが「5類」になり、医療提供体制や医療費などが変わります。マスクの着用を含む感染対策に関しては個人の判断が基本となります。引き続き、換気や手洗いなどの基本的な感染対策は効果的です。是非ご協力をお願いします。
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足立 - 今日の話を聞いて、私たちにとって最も大きな変化は、行動制限がなくなるというところかなと思いました。感染者は原則として7日間、濃厚接触者は5日間外出の自粛が求められていましたが、「5類」に移行した場合、こういう行動制限がなくなるということは、結構、変わったことだと思うので、皆さんにも覚えておいてほしいと思いました。
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青木 - 私が今日の話の中で印象に残ったのは、「5類」に移行した後も、仮に新型コロナウイルス感染症に感染したとして、病院に行くことがあるかもしれません。そういうときにコロナの治療薬は無料である。こういう軽減措置は9月末まで継続し、その後の取り扱いについては感染状況を踏まえて改めて検討ということで、今後、もしかしたら変わるかもしれませんが、当面は無料というのは、心の安心になるかと思いました。
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