10月から始まります!インボイス制度

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ラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection

10月に始まる「インボイス制度」。よく耳にしませんか?私たちが買い物した際にお店に支払い、お店を通じて国に納付される「消費税」。インボイス制度とは、その消費税額が、お店である事業者から過不足なく正確に国に納付されるための制度なんです! 番組では、消費税が納付される仕組みをおさらいしながら、そもそも「インボイス」って何!?事業者は登録の必要あり!?負担軽減策や経過措置!?などなど、詳しくご紹介します!

ゲスト

国税庁 課税部
軽減税率・インボイス制度対応室 課長補佐
小倉 啓太郎

ストリーミング(音声で聴く)

放送日
令和5年(2023年)6月11日
再生時間
18分04秒
配信終了予定日
令和6年(2024年)6月10日

文字で読む

足立
「インボイス制度」、最近、よく耳にします!私たちにとって大事なことなので、とっても気になっていました。
青木
そういうかた、多いと思います。「インボイス制度」は、消費税に関する制度のことで、今年の10月からスタートします。
足立
もうすぐですよね。「消費税に関する制度」ということは、私たちに関係するということで間違いないですよね?
青木
事業をしているかたに関係する消費税の制度です。私たちは日頃から、消費者として商品を買ったり、サービスの提供を受けたりすると10パーセント、もしくは8パーセントの消費税を払っていますよね。
足立
はい。スーパーで食料品や日用品を買うと、8パーセントでいくら、10パーセントでいくらと、消費税の内訳が記載されていますよね。
青木
こうした消費税は、「消費者が負担」して「事業者が申告と納付」をしています。つまり、私たちが支払った税金は、事業者を通じて国に納められています。
足立
例えば、私が1万円の洋服を買う場合、洋服屋さんに1,000円の消費税を払いますよね。その1,000円は、私の代わりに洋服屋さんが国に納めてくれているということで、いいんですか?
青木
厳密に言うと、洋服屋さん、つまり足立さんに洋服を販売する小売店がその1,000円の全額を国に納めているわけではないんです。
足立
え?そうなんですか?
青木
そうなんです。少し複雑になりますから、しっかり聞いてくださいね!小売店である洋服屋さんも、洋服をメーカーから仕入れる際に、メーカーに消費税を支払います。つまり、そのメーカーは洋服屋さんに消費税を含めて販売しています。このため、メーカーも消費税を国に納めることになります。
足立
あれ?ちょっと待ってください。メーカーも洋服屋さんも両方とも消費税を納めてしまうと、二重になってしまうような気がしますが。
青木
足立さん、鋭いですね!そうなんです。洋服屋さんが足立さんに販売した際に受け取った消費税額には、洋服屋さんがメーカーから仕入れた際に払った消費税額が含まれたままになっています。このまま洋服屋さんが消費税額を国に納めますと、メーカーが受け取った分の消費税額も、メーカーから国に納付されるだけでなく、洋服屋さんからも納付されることになってしまいます。つまり、二重に国に納付されることになってしまうんです。このため、洋服屋さんが国に納める消費税額は、洋服屋さんがメーカーに支払った消費税額を差し引く仕組みになっているんです。
足立
言葉で聞くと難しいですけど、ちょっと分かりました。つまり、洋服屋さんもメーカーも、それぞれ国に消費税を納付するんですが、二重に納付してしまわないよう、重なっている部分を差し引いて、それぞれが適切な額を納付しているということですね。
青木
そうなんです。軽減税率制度の導入によって、税率が8パーセントと10パーセントの複数になりましたし、そうした中で、消費税を正しく申告するためには、売手と買手で税率や消費税額を正しく認識するための仕組みが必要になりました。そこで、インボイス制度が設けられることになったんです。ここからは、スペシャリストに伺っていきましょう。国税庁 課税部 軽減税率・インボイス制度対応室 課長補佐の小倉啓太郎さんです。
足立
小倉さん、インボイス制度とは消費税の制度ということですが、もう少し詳しく教えてください。
小倉
はい。インボイス制度とは、消費税の「仕入税額控除」の方式として開始されるものです。
足立
仕入税額控除?難しそうですね。どういったものなんですか?
小倉
先ほどの洋服屋さんの話で言いますと、足立さんが洋服を購入する際に支払った消費税を、洋服屋さんが国に納めるという流れの中で、洋服屋さんは、メーカーからの仕入れの際に支払った消費税を差し引いて国に納めるという話があったと思います。この仕入れの際に支払った消費税額を差し引くことを仕入税額控除と言います。
青木
それで、仕入税額控除の適用を受けるためには条件があるんですよね、小倉さん。
小倉
はい。仕入税額控除の適用を受けるためには、インボイス制度前の話ですが、取引の内容を記載した帳簿と取引相手から受け取った請求書の2点の保存が必要とされています。この請求書に記載しなければならない内容について制度が変わったというのがポイントで、それを満たした請求書をインボイスと言います。10月1日からは、これまでの請求書の保存に代わって、このインボイスの保存が必要になります。
足立
インボイスって請求書のことなんですか?
小倉
正確には、「適格請求書」と言います。
青木
先ほどの話でいうと、洋服屋さんが仕入税額控除の適用を受けるためには、メーカーからインボイスをもらって保存しておく必要があるということですよね。
足立
そうなんですね。インボイスって、今の請求書とどこが違うんですか?
小倉
はい。今までの請求書に、これからお話する三つの内容を追加したものがインボイスになります。一つ目は、インボイス発行事業者であることを示す登録番号。二つ目は、8パーセントと10パーセントの税率ごとに区分して合計した金額と適用税率。三つ目は、税率ごとに区分して合計した消費税額です。
青木
このインボイスを保存して初めて仕入税額控除ができる、逆に言えば、10月からはインボイスをもらえなければ仕入税額控除ができないということになるんです。
足立
なるほど。そうすると、売り手は買い手に対してインボイスを発行してあげればいいんですね?
青木
そうなんです。ただし、インボイスを発行するためには、まず、インボイス発行事業者として登録する必要があるんですが、その前に、ここで、気を付けなければいけないポイントがあるんです。それは、インボイス発行事業者になると消費税の申告と納付が必要になるんです。
足立
あの、素朴な疑問なんですけど、消費税って、確か売上げが1,000万円以下なら納めなくていいんですよね?
小倉
そうなんです。2年前の消費税の課税対象となる売上が1,000万円以下であれば申告納税義務が免除されています。このような事業者を免税事業者と言います。一方で、消費税の申告納税義務がある事業者のことを課税事業者と言います。ただし、インボイス発行事業者になったかたは、免税事業者であっても、課税事業者となりますので、消費税の申告納税義務が免除されません。
青木
フリーランスの方や小規模な商店を経営されているかたの中には免税事業者のかたが少なくないですよね。登録するかどうか、悩まれるかたも多いとは思うのですが、小倉さん、その点はいかがでしょうか。
小倉
登録は任意となっていますので、絶対に登録をしないといけないというわけではありません。いきなり制度を開始し、全ての事業者の方々に対応をお願いするというのは、なかなか難しいところもありますので、制度が円滑にスタートできるように、事業者のかたの事務負担や税負担の軽減に関する様々な措置が設けられているところです。
青木
この「様々な措置」というのが登録の判断の重要なポイントになります。
足立
小倉さん。事業者のかたの事務負担や税負担の軽減に関する様々な措置ってどんなものがありますか。
小倉
先ほど、インボイスの保存がないと仕入税額控除ができなくなるという話がありましたが、制度開始の10月から、いきなり全額が控除できなくなるわけではありません。インボイス発行事業者ではないかたからの仕入れで、インボイスの発行が受けられない場合でも、制度開始後最初の3年間は80パーセント、その後の3年間は50パーセントの消費税額を控除することができます。
足立
なるほど、制度開始後6年間はインボイスがなくても、ある程度は控除ができるので税負担が和らぐということなんですね。
青木
そうなんです。免税事業者はその間に登録をするかどうか、周りの状況を見ながら見極めるということもできますね。
足立
でも、登録をしたら申告をしないといけないってことですよね。申告のための計算とか、いろいろ大変そうだなと思いました。
青木
実は、そうした負担を軽減するための補助金制度などがあるんですよね、小倉さん。
小倉
はい。例えば、会計ソフトや決済ソフトのほか、それらのソフトと一体となって使われるレジや券売機といったハードウェアの導入費用なども支援するIT導入補助金制度というものがあります。さらに、インボイス制度開始を機に免税事業者から課税事業者になったかた向けに、事務負担や税負担を軽減するための経過措置も新たに設けました。
足立
それは助かるかもしれないですね。登録するかどうかを考える際に、とても重要な情報になると思うので、しっかり情報収集しておく必要がありますね。ところで小倉さん、インボイス発行事業者になるためにはどうすればいいんですか?
小倉
インボイス発行事業者の登録を受けるためには申請が必要です。登録の申請は書面でもできますが、ぜひ簡単且つ便利なe-Taxをご利用ください。個人事業者のかたは、スマホからも申請できます。非常に使い勝手は良いと思います。
足立
いつまでに申請しないといけないんですか。
小倉
今年の9月30日までに申請すれば、制度開始の10月1日から登録を受けることができます。ただし、登録通知が届くまでには少し、お時間が掛かりますので、登録を受けると決めたかたは、お早めの申請をお勧めします。e-Taxのかたは、登録通知が届くまでの期間が短くなります。もちろん、制度開始後も登録を受けることができます。
青木
取引先との関係や、登録をした場合の事務負担や納税負担、負担軽減措置の内容など、事業者のかたは、今こそ、インボイス制度について、よく知り、理解して対応を検討していく必要がありますね。
小倉
はい。先ほど、いろいろな措置をご紹介させていただきましたが、そうしたものを踏まえた上で、ご検討いただければと思います。全国各地、税務署ございますが、登録するかどうか決められない、もしくは、お悩みの事業者のかた向けにマンツーマンでご相談を受ける「登録要否相談会」を開催しております。また、中小企業庁の補助事業において、免税事業者のかた向けに、税理士への無料オンライン相談などの相談先を案内する窓口も設けられておりますので、ご活用ください。詳しくは国税庁ホームページや中小企業庁ホームページをご覧ください。また、国税庁ホームページ内のインボイス制度特設サイトでは、制度に関する動画やQ&Aなどのほか、一般的なご質問を受付けるインボイスコールセンターもご案内していますのでお気軽にご活用ください。
足立
今日の話を聞いて驚いたのですが、「インボイス」は、適格請求書のことを言うんですね。
青木
よく、インボイスと聞くけれども、何だろう?という部分ですよね。
足立
私はそのことを知らなかったので、今回紹介したインボイスは、今までの請求書と違うということを、もう一度、確認していきたいなと思いました。
青木
私が今日の話を聞いて印象に残ったのは、制度が変わって影響がある事業者のかたがいると思うのですが、負担を軽減するための補助金制度などがあるということです。例えば、ハードウェアの導入費用なども支援するIT導入補助金制度というものがある。こういったことも、皆さんにお知らせしていくということは大事ですよね。

土砂災害防止月間(CM)

6月は、土砂災害防止月間です。

がけ崩れや土石流、地すべりなどの土砂災害は、
一瞬にして尊い生命や貴重な財産を奪うなど、甚大な被害をもたらします。

土砂災害から身を守るための3つのポイント。
まず、住まいの地区が、土砂災害警戒区域でないか
ハザードマップで確認しましょう。
次に、雨が降り出したら、土砂災害警戒情報に注意しましょう。
そして土砂災害警戒情報が発表されたら、早めに安全な場所に避難しましょう。

ひび割れ、地鳴りなどの前兆現象にも注意してください。

防災に関する詳しい情報は、
国土交通省「防災ポータル」のページでご確認を。

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