着々と進行中! 第2のふるさとづくりプロジェクト
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週末田舎暮らし、いかがですか?「何度も地域に通う旅、帰る旅」。この新しい旅のスタイルを提案する「第2のふるさとづくりプロジェクト」。何度も通いたくなる魅力的な地域作り、仕組み作りが各地で進んでいます!番組では、地域の方々と一緒に工夫を凝らした地域作りを行い、自身も「帰る旅ユーザー」である方をゲストにお招きし、生の声をお届け!第2のふるさとで、素の自分に再会しませんか?

- ゲスト
観光庁 観光地域振興部 観光資源課
新コンテンツ開発推進室
濵渦 克樹スペシャリスト
株式会社リクルート
北嶋 緒里恵
ストリーミング(音声で聴く)
- 放送日
- 令和5年(2023年)8月13日
- 再生時間
- 17分33秒
- 配信終了予定日
- 令和6年(2024年)8月12日
文字で読む
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青木 - 「第2のふるさとづくりプロジェクト」は去年の6月にも深掘りしました。
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足立 - 新しい旅のスタイルの提案でしたよね。「ふるさと」と言うと、「生まれた場所」「育った場所」だと思っている方が多いと思うんですけど、「第2のふるさと」はそれとはちょっと違うんですよね。
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青木 - そうなんです!「第2のふるさと」は、自分の生まれ故郷や、住んでいる場所、働く場所以外で、「自分のことを覚えていてくれる人」がいたり、「ホッとして癒されたり」そんな場所のことでしたね。そして、そうした「第2のふるさと」を作って「何度も地域に通う旅、帰る旅」をしませんか?という提案をしているのが「第2のふるさとづくりプロジェクト」です。そのプロジェクトが着々と進行しているということでここからは観光庁 観光地域振興部観光資源課新コンテンツ開発推進室の濵渦克樹さんと、株式会社リクルートの北嶋緒里恵さんと一緒に深掘りしていきます。
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青木 - 今回、観光庁の「第2のふるさとづくりプロジェクト」のご担当である濵渦さんとともに、株式会社リクルートじゃらんリサーチセンターの北嶋さんにもお越しいただきました。北嶋さんは、「第2のふるさとづくり」の一環でもある「帰る旅」、というプロジェクトを新潟県内で立ち上げ、何度も通いたくなる「帰る場所」を地元の皆さんと一緒に作っています。ご自身でも「帰る旅ユーザー」として何度も通う関係性を作っています。
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足立 - そうなんですね。じゃあ、このプロジェクトの正に現場の声、企画する側、参加する側それぞれのお話が聴けそうですね!
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青木 - そうなんです。北嶋さんには、後ほど、お聴きの皆さんが、このプロジェクトって実際はどういったものなの?どうやって実践するの?などの疑問に、ご自身の実体験などを交えてお話をいただきながら、お答えいただきます!
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足立 - 楽しみです!でもまずはその前に、濵渦さん、「第2のふるさとづくりプロジェクト」が着々と進行中ということですが、コロナの問題もあって、旅自体も、なかなか考えることが難しい時期ってありましたよね。
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濵渦 - はい。新型コロナウイルス感染症が確認されて以来、働き方や住まい方など様々なことが変化しました。密を避け、自然環境に触れる旅へのニーズの増加や、大都市で生まれ育ち「ふるさと」を持たない若者が田舎に憧れを持ち、地方と関わりを求める動きも見られるようになりました。こうした背景も踏まえ、観光庁では多くの方々に、第2のふるさとを作り、「何度も地域に通う旅、帰る旅」という新しい旅のスタイルを普及していくために、引き続き、第2のふるさとづくりプロジェクトを推進しています。
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足立 - 具体的にはどのように進めているのですか?
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濵渦 - はい。このプロジェクトを推進するためには、地域の魅力と、そこに継続して通いたくなるような仕組み作りが必要不可欠です。そこで昨年度から、モデル地域を選定し、各地で実際に様々な工夫を凝らした取組を行っていただきながら、継続的な来訪を促す効果的な仕掛け、滞在・移動環境、マーケティング手法などを検証しているところです。
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青木 - 昨年度は19の地域、今年度も18の地域で実証事業が行われているんですが、そのうちの一つが、一般社団法人雪国観光圏さんとリクルートさんによる新潟県南魚沼地域などを舞台にした取組なんです。新潟県南魚沼地域での旅と言えば、どんなことを思い付きますか?
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足立 - 「魚沼産コシヒカリ」というイメージがあるので、やっぱり、お米の収穫体験とか、温泉とかですかね?
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青木 - 確かにそのような、いわゆる「農泊」のような体験もできると思いますが、この地域には他にも観光資源がたくさんあります。ですから地域の魅力をもっと引き出して、多くの方に「第2のふるさと」と思ってもらえるような様々な仕組み作りをしているとのことです。ちなみに、北嶋さんは、今ご紹介の新潟県南魚沼地域の取組において、地域の皆さんと「帰る旅研究会」という運営チームを立ち上げて、一緒に活動しているんです。ここからは、北嶋さんにいろいろ聞いていきましょう!
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足立 - そうですね!じゃあ早速。北嶋さん、具体的に、どんな取組なんですか?
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北嶋 - はい。まず、地域に触れ、何度も通っていただけるような仕組み作りとして、「帰る森」という「森の再生と新たな価値創造」を目指す取組を実施しました。
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足立 - 「帰る森」。それはどういったものなんですか?
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北嶋 - 新潟県の南魚沼市の山において、放置された杉を間伐して、森に光を入れることで、多様な自然が生き返る山へ戻すための取組になります。地元の林業組合に協力いただき、チェンソーで枝を切り落としたり、木材を運んだり、がっつり肉体労働系のプロジェクトです。終わった後の温泉は格別です!さらに、杉の価値を見直すために、間伐材を活用したアロマオイルを、先日商品化し、既に完売しました。今日はスタジオにお持ちしました!
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足立 - 今、手元にあるんですが、木まで入ってますね!とても良い香りがします!自然の中に居るような、頭がスッキリする感じでリラックスできる香り、すごく良いですね!
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青木 - 小さい木の切り株みたいなのが入っていますね。香りを嗅いでみると・・・良いですね!!他にも、東京でITエンジニアや、企業で企画職を本業とする全く異なる職業の人たちが、地元のスタッフと協働しながら、イベントを企画して開催したそうです。
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足立 - 面白そうですね!そんなふうに地域との触れ合いがあると、また、この地域に来たい、あの場所に帰りたいと思いますよね。
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青木 - 北嶋さんは、企画側の立場としてだけではなく、ご自身でも実際に参加されたんですよね。体験されていかがでしたか?
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北嶋 - 東京で働いていると、社内や同業の方々に囲まれ、気が付けば、価値観が似てきたなと思うことがよくあります。でも、東京から離れて、地方の暮らしに没入してみると、自分の原点に返るといいますか、どう働いて、どう生きたかったのか?や、これが好きで得意だった!と実感したり。環境と人が変わると、素の自分に再会するような気がします。
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足立 - 一緒に参加されていた方々の様子はいかがでしたか?
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北嶋 - 「帰る旅」の企画は全部「手伝う」ことが前提です。都会から来た人たちはみんな素人で戸惑うこともあるんですが、最終的には地元の皆さんと完全に仲間になっていました。「役割」があると、自然と「居場所」が生まれて、「素の自分」のままそこに居ることができます。皆さん刺激をもらって、とても喜んでいました。
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青木 - 素敵ですね。
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足立 - 北嶋さん、地域に何度も通いたくなる、帰りたくなるような仕掛け作り、他にはどんなことをされたんですか?
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北嶋 - 何度も通っていただくためには、いつでも帰れる・通える場所・集まるための滞在拠点も必要と考え、宿泊できる拠点「さかとケ」を整備しました。さかとケの取組は、宿泊施設のお手伝いを5時間する代わりに宿泊費が免除となる、今、注目の宿泊システムです。「古民家ホテルryugon」の敷地内にあった従業員寮だった建物を、帰る旅の拠点として、帰る旅に共感した宿経営者が整備したんです。
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青木 - ちなみに、「さかとケ」とは、ひらがなで「さかと」、カタカナの「ケ」で「さかとケ」と言い、由来は、南魚沼市の坂戸地区の「さかと」と、気軽に帰る「家」のような場所、家と言えば、「〇〇家(ケ)」と読むことなどにちなんでいます。
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足立 - なるほど。いろいろ聞きたいんですが、宿泊施設のお手伝いって、どんなことをするんですか?あと、皆さんどれくらいの期間滞在するんですか?
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北嶋 - ディナータイムの配膳サポートやお皿洗い、部屋や大浴場の掃除等が定番のお仕事です。宿の仕事を通して、地元スタッフとの自然な交流が生まれます。また、お手伝いの時間以外はフリータイムのため、観光する方のほか、宿の中の温泉やラウンジも自由に利用ができ、1泊~3泊ほど滞在する方もいます。
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足立 - 北嶋さんも体験されたんですか?
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北嶋 - はい!私は、皿洗いをお手伝いしました。宿の裏側を垣間見て面白い体験でした。いつも働いているベテランのお姉さんが、最後に「明日も来るの?」と声を掛けてくれたのは、認められた!と感じてとてもうれしかったです。
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足立 - 一緒に参加されていた方の感想はどうでしたか?
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北嶋 - 普段会社勤めの方が多いんですが、没頭する作業が新鮮だった!と喜んでいました。
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青木 - ここまで「何度も通いたくなるような魅力的な地域を作りたい」と思っている方々の参考になるお話がいっぱいありましたけど、「第2のふるさとを見つけたいなぁ〜」と思っている、一般リスナーの参考になる情報もたくさんあるんですよね。濵渦さん。
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濵渦 - はい。観光庁では「第2のふるさと」という特設サイトを公開しています。こちらには、実際に「第2のふるさと」を見つけた方々の、その地域と出会ったきっかけや、地域の方々との交流、ライフスタイルなどを紹介しています。こちらをご覧になっていただくと、魅力的な地域を見つける参考になると思います。
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足立 - 私も今スマホで検索したんですけど、いろいろあります!北海道、福井、静岡、山梨、富山、島根・・・いろいろな地域が紹介されているので、リスナーの皆さんも、是非、いろいろチェックしてみて欲しいです。
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北嶋 - ちなみに、「第2のふるさとづくり」の特設サイトでは、「帰る旅」に参加された新潟県南魚沼市が大好きな東京のITエンジニアの方が、週末田舎暮らしをする様子も紹介されています。さかとケ滞在のことも話題に上っています。
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足立 - 確かに!「週末田舎暮らし以上の価値」と書いてあります。
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青木 - 足立さんは、第2のふるさとを持つならどの辺りが良いですか?
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足立 - えー!悩むな。でも、ごはんがおいしい地域が良いな~。
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青木 - 足立さんは、日本酒も好きだから、新潟とかでしょうか?
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足立 - 新潟、良いですね!
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青木 - 新幹線だとあっという間ですからね。
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濵渦 - 日本のどこかに、お気に入りの地域を見つけて、何度も通ってみる新しい旅のスタイル「第2のふるさとづくりプロジェクト」が進行中です。今回、北嶋さんがご紹介してくれた地域のように、各地で、様々な工夫を凝らした取組が進行中で、皆様が何度も訪れてくれることを待っています。「第2のふるさと」の特設サイトをご覧いただき、興味を持った場所に行ってみたり、自分たちの地域でこのプロジェクトの考えを参考に、「第2のふるさと」として受入れてみるなど、是非、新しい旅のスタイル「第2のふるさと」を楽しんでください。
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足立 - 今日の話を聞いて私が印象に残ったのは「さかとケ」です。宿泊できる拠点として「さかとケ」があり、いつでも帰れる・通える・そして集まれるための滞在拠点で宿泊施設の手伝いを5時間する代わりに、宿泊費が免除となる、このシステムがすごく良いなと思いました。宿泊できるし、その地域のことも知ることができるし、いろいろやりたかったことがやれると思ったので、こういう場所がいろいろな地域に増えてくれたらうれしいなと思いました。
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青木 - もしかしたら、誰かが旅行に行ったときに、配膳のお手伝いをしているのが足立さん!ということも、あるかもしれませんね。私が今日の話を聞いて印象に残ったのは、具体例の中に出てきた、チェンソーで枝を切り落としたり、木材を運んだりというところです。これは、旅行の中で自分で企画しようとしても、なかなかできない体験じゃないですか。それこそ、地元の林業組合が協力してくれているからこそ、できることですよね。そうした体験をした後の温泉!絶対に気持ち良いですよね。行ってみたいなと思いました。