暮らしに役立つ情報
国の政策・施策・取組の中から、私たちの暮らしに身近な情報や役に立つ情報をまとめました。皆さんは鉄道駅や電車などで、困っている方を見かけたことはありませんか。目の不自由な方やお年寄りの方などを見かけたら『何かお困りですか』、『お手伝いしましょうか』などと声をかけましょう。国土交通省では、鉄道会社が行うエレベーターや誘導・警告用の黄色いブロックなどの設備面でのバリアフリー化の推進に取り組んでいますが、身体の不自由な方やお年寄りの方などが安心して駅を利用するためには、周りの皆さんの理解と協力も必要です。困っている方への声がけや黄色いブロックの上に物を置かない、必要な方に席を譲るなど、配慮とお手伝い(「心のバリアフリー」)をお願いします。
INDEX
1.鉄道を利用するためのマナー向上と思いやりの大切さにご理解をお願いします
私たちの生活に身近な鉄道。毎日たくさんの人が駅や電車を利用していますが、その中には、身体の不自由な方やお年寄りの方などがいます。だれもが安心して駅や電車を利用できるようにするため、国土交通省では、鉄道会社が行う駅構内の段差を解消するためのエレベーターやスロープの設置、目の不自由な方など鉄道利用者のホームからの転落や列車との接触を防止するためのホームドアや黄色いブロックの設置など、設備面でのバリアフリー化(「参考」)を進めています。
しかし、バリアフリー化設備だけでは解決できない問題もあります。例えば、目の不自由な方のために黄色いブロックが設置されていても、その上に物を置いたり、立ち止まったりすると、目の不自由な方は黄色いブロックを活用して安心してホームを歩くことができず、ホームからの転落などにつながる危険性があります。
このように、黄色いブロックは、目の不自由な方が安全に移動するための道しるべとなっているのです。このことから、これらの設備が何のためにあるのかを皆さんがよく理解し、配慮することが重要です。
2.安心して駅を利用できるよう、目の不自由な方やお年寄りの方などを見かけたら『何かお困りですか』、『お手伝いしましょうか』などと声をかけましょう
駅や電車のバリアをなくすためには、設備のバリアフリー化だけでなく、利用者一人一人が、身体の不自由な方やお年寄りの方などに配慮すること、つまり、「心のバリアフリー」が重要です。バリアフリー化設備を必要としている方が正しく利用できるように、皆さんのご理解とご配慮をお願いします。
もし、目の不自由な方やお年寄りの方などを見かけたら『何かお困りですか』、『お手伝いしましょうか』などと声をかけましょう。特に、階段やホームなどでは『段差がありますよ』、『そちらは危ないですよ』などと声をかけてください。
<声かけのポイント>
- まず声をかけてみる
何に困っているのかは、声をかけてみないと分かりません。まず、「何かお困りですか」「お手伝いしましょうか」という言葉をかけることから始めましょう。 - 断られてもがっかりしない
周りの手助けなしで、自分でやりたいと思っている人もいます。断られても、声をかけた人の善意は伝わりますので、がっかりしないでください。 - 相手が何を手伝ってほしいのかを聞く
困っていることは人によって違います。勝手な思い込みや判断をしないで、何を手伝ってほしいかをよく聞きましょう。 - 無理をしない
無理をして手伝って、相手にけがをさせたり怖い思いをさせたりしては逆効果です。自分だけで手伝うのが難しいときは、周りの人にも声をかけて手伝ってもらいましょう。
国土交通省ウェブサイトには、駅や電車で身体の不自由な方やお年寄りの方などをお手伝いする際の配慮やお手伝いのポイントなどをまとめた「こころのバリアフリーガイドブック[PDF]」が掲載されていますので、皆さんがお手伝いする際の参考にしてください。
3.車内の優先座席は身体の不自由な方やお年寄りの方、妊娠されている方などに譲りましょう
電車内では、身体の不自由な方やお年寄りの方、妊娠されている方などのために優先席が設けられていますので、必要とする方に譲りましょう。
また、優先席の利用を必要とする方の中には、お腹がまだ目立たない妊娠初期の方や、心臓や呼吸器、腎臓などの内部障害・内臓疾患がある方など、外見からは分かりにくい方々がいます。そこで、そうした方々が、駅や車内、街中などで適切な配慮を受けられるよう、「マタニティマーク」や「ハート・プラスマーク」などが設けられています。こうしたマークをつけている方を見かけたら配慮をお願いします。
マタニティマーク
妊娠初期には外見からは妊娠していることが分かりづらいことから、周囲からの理解が得られにくいという声も聞かれます。そこで、妊娠中の方に対する気遣いなど、やさしい環境づくりをしていくために、厚生労働省が一般から募集して作成したのが「マタニティマーク」です。妊娠中の方がマタニティマークのバッジやキーホルダーなどを身につけることによって、周囲が配慮しやすくなります。

「ハート・プラス」マーク
内部障害・内部疾患の方々に対する理解や配慮を広げるため、特定非営利活動法人ハート・プラスの会が推進しているマークです。内部障害とは、身体障害者手帳の交付の受けられる、心臓機能、腎臓機能、呼吸器機能、ぼうこう・直腸の機能、小腸機能、HIVによる免疫機能、肝臓機能の障害。内臓疾患とは、身体障害者手帳の交付を受けられない内臓関係の難病や、その他多くの内臓機能疾患です。

4.ホームからの転落などを防ぐため、ホームでの「ながら歩き」は止めましょう。
駅のホームからの転落などを防ぐためには、鉄道を利用する方々一人一人の理解と協力が不可欠なものとなっています。
- ホームの端を歩かないようにしましょう。
- 携帯電話やスマートフォンなどの画面を見ながら歩かないようにしましょう。
- ヘッドホンやイヤホンで、大音量で音楽を聴きながら歩かないようにしましょう。
- 本や雑誌などを読みながら歩かないようにしましょう。
- お酒に酔ってふらつかないように注意しましょう。
- その他、キャリーバッグを持ち歩くときや大きいリュックサックを背負っているときは、周りの人にぶつからないよう、よく注意しましょう。
<参考>ホームドアや黄色いブロックなど、駅構内のバリアフリー化が広がっています。
バリアフリーとは、身体の不自由な方やお年寄りの方などにとって障壁(バリア)となっているものを取り除くことです。エレベーター、スロープ、ホームドア、誘導・警告用の黄色いブロックなど、バリアフリー化設備の整備が広がっています。
黄色いブロック(視覚障害者誘導用ブロック)
駅構内には、目の不自由な方が安心して歩行できるよう、誘導・警告する黄色いブロックが設置されています。安全な道筋を誘導する「線状ブロック」、エレベーターの前やホームの端などを警告する「点状ブロック」の2種類があります。

また、ホームの端を警告する新しいタイプの点状ブロックの整備が進められています。これは、「内方線付き点状ブロック」といい、点状ブロックに1本の線状突起が追加され、線状突起(内方線)のあるほうがホームの内側で安全な場所であることを示すもので、目の不自由な方が足で踏むことなどで、どちらがホームの内側なのかを判断することができます。

ホームドア
駅のホームは電車の線路から高い位置にあり、列車が接近して走行するため、注意して歩かないと転落や列車との接触の危険性がある場所です。特に目の不自由な方などは、階段脇の狭いところやたくさんの利用者で混み合っているホームではその危険性にさらされています。そこで、転落などの防止のために設置されているのが、列車の発着と同時に開閉する可動式ホーム柵やホームドアです。平成28年3月末現在、全国665の駅に設置されています。
(写真・画像提供:国土交通省)
<取材協力:国土交通省、内閣府、厚生労働省 文責:政府広報オンライン>
関連リンク
- 国土交通省「鉄道利用マナーについて」[PDF]
鉄道駅や車内において、身体の不自由な方やお年寄りの方などに配慮すべきマナーについて紹介しています。
- 国土交通省「バリアフリー関連事業」
だれもが鉄道を安心して利用できるようにするためのバリアフリーに関する取り組みが掲載されています。
- 国土交通省「鉄道の安全利用に関する手引き」
鉄道の安全性、安定性をより一層向上させるために、鉄道利用者等が正しく理解して守るべき約束事をまとめています。
- 国土交通省関東運輸局「『こころのバリアフリー』ガイドブック」[PDF]
身体の不自由な方やお年寄りの方などに対する理解や配慮、支援の方法などが紹介されています。
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