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平成29年9月11日

NO パワハラ
なくそう、職場のパワーハラスメント

「職場のパワーハラスメント(パワハラ)」が社会問題となっています。ここでは、パワーハラスメントの主な6つのタイプや、予防・解決のためにできるヒント、悩んだときの相談窓口を紹介します。被害者だけでなく、周囲や企業にも悪影響を及ぼす「職場のパワーハラスメント」をみんなでなくしていきましょう!

1.「職場のパワハラ」相談件数が急増。パワハラを受けたと感じた割合は3人に1人

「みんなの前で、上司から大声で怒られた」「毎朝、挨拶しても無視される」「処理しきれない量の仕事を無理やりやらされる」「自分にだけ仕事が回ってこない」……。
こういった職場における「いじめ」や「嫌がらせ」などのパワーハラスメント、いわゆる「パワハラ」は15年ほど前に登場した比較的新しい言葉にもかかわらず、今や多くの人がその言葉を認知しているなど社会問題化しています。
厚生労働省の労働局に寄せられた「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数は、平成14年度時点では約6,600件でしたが、15年後にはその10倍以上の約71,000件にまで達しています。また、訴訟の中でもパワーハラスメントという言葉が使われるようになっています。

都道府県労働局等に設置した総合労働相談コーナーに寄せられる
「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数

資料:厚生労働省ポータルサイト「あかるい職場応援団」

さらに厚生労働省の調査結果によれば、従業員の3人に1人が「過去3年間にパワーハラスメントを受けたことがある」と答えています。
多くの人が会社などの組織で働く現在、「職場のパワーハラスメント」をなくすことは、誰にとっても重要な問題です。

過去3年間のパワーハラスメントを受けた経験の有無

資料: 平成28年度 厚生労働省委託事業 職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書

2.パワーハラスメントの概念と典型的な6つの行為

では、どのような行為がパワーハラスメントに当たるのでしょうか。
労使や有識者などの専門家で構成された厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」が、平成24年3月に発表した提言によると、「職場のパワーハラスメント」は次のような概念となっています。

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

ポイントは次の2つです。

  1. 職場内の優位性
    上司から部下に対しての行為だけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行われるなどの様々な職務上の地位や人間関係の優位性を背景に行われるケースが含まれる。
  2. 業務の適正な範囲
    個人の受け止め方によって不満に感じる指示や注意・指導があっても「業務の適正な範囲」内であればパワーハラスメントに該当しない。

そして、職場のパワーハラスメントは大きく6つの典型的な行為に分けられています。

職場のパワーハラスメント 6つの類型

(1)身体的な攻撃(暴行・傷害など)
つばを吐かれたり、物を投げつけられたり蹴られたりした(男性、20歳代)
カッターナイフで頭部を切りつけられた(男性、20歳代)

(2)精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言など)
いること自体が会社に対して損害だと大声で言われた(男性、50歳以上)
ミスをしたら現金に換算し支払わされる(女性、40歳代)

(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視など)
今まで参加していた会議から外された(女性、50歳以上)
職場での会話の無視や飲み会などに一人だけ誘われない(男性、30歳代)

(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
多大な業務量を強いられ、月80時間を超える残業が継続していた(男性、20歳代)
絶対にできない仕事を、管理職ならやるべきと強制された(女性、50歳以上)

(5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
故意に簡単な仕事をずっとするように言われた(男性、30歳代)
一日中掃除しかさせられない日々があった(男性、20歳代)

(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
出身校や家庭の事情などをしつこく聞かれ、答えないと総務に聞くと言われた(女性、40歳代)
接客態度がかたいのは彼氏がいないからだと言われた(女性、20歳代)

平成28年度「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」より

資料:
厚生労働省ポータルサイト「あかるい職場応援団」
(上記以外の具体例もこちらにあります。)

上司が部下を厳しく指導することが必要な場面もありますが、上記(1)(2)(3)のように、暴力を振るったり、相手の人格を否定するようなことを言ったり、無視したりすることは、「業務の適正な範囲」とは言えません。
また、(4)(5)(6)の場合は「業務上の適正な範囲」との線引きが難しいケースがあります。さらに、その行為が行われた状況や行為の継続性によっても、パワーハラスメントか否かの判断が左右される場合もあるため、それぞれの職場で、どこまでが「業務の適正な範囲」なのかを明確にすることが望まれます。

3.被害者だけでなく企業にも大きなダメージ

企業側の立場としても「パワーハラスメント対策は経営上重要な課題」であるとの認識は高いものの(図1)、実際に予防・解決に向けた取組をしている企業は半数程度に過ぎず、特に従業員数99人以下の企業においては3割未満と、事業規模によって大きな差が見られました(図2)。
しかし、職場のパワーハラスメントを放置すれば、従業員の心の健康を害するだけでなく、職場の雰囲気・生産性の悪化や人材の流出、さらに「不法行為責任」や「安全配慮義務違反」などの法的責任を問われて訴訟(参考)による金銭的負担の発生、そして企業イメージの低下と、企業へも大きな悪影響を及ぼすことも考えられます(図3)
パワーハラスメントは、被害者だけではなく、その周囲、そして加害者や企業全体にも大きなダメージを与えるのです。

(図1)パワーハラスメント対策は経営上重要な課題だと思うか
(回答者数4,587人)

(図2)パワーハラスメントの予防・解決のための取り組みの実施状況(従業員規模別)
(回答者数4,587人)

(図3)パワーハラスメントは企業にどのような影響を与えるか
(回答者数4,587人)

厚生労働省ポータルサイト「あかるい職場応援団」

【参考】職場のパワーハラスメント裁判事例

(事案1)「上司の注意指導等とパワーハラスメント」
製造業A社の工場にXが勤務していたところ、製造長の地位にある上司Bが行った各々注意指導に対し、Xは「Bの常軌を逸した言動により人格権を侵害された」と主張し、A社及びBに対し民事上の損害賠償請求を提起。

(事案2)「先輩によるいじめと会社の法的責任」
准看護師X(男性)はY病院に入り、看護師資格の取得を目指し看護専門学校に通学しながら勤務していた。同病院には男性准看護師5名がおり、Aが一番上の先輩でXが一番下。その間では先輩の言動が絶対的とされ、一番先輩のAが後輩を服従させる関係が継続し、Aによる様々ないじめや嫌がらせに耐え切れずXが自殺した。遺族(両親)がAおよびY病院に対し、いじめによってXが自殺に追い込まれたとし、民事損害賠償請求を提起。

*これらの事案の判決内容や、他の裁判事例についてはこちら
厚生労働省「あかるい職場応援団(裁判事例を見てみよう)」

4.予防・解決のためにできること

パワーハラスメント対策として管理職や一般社員を対象とした講演や研修会や、企業トップによる宣言、就業規則へ盛り込む、などに取り組んだ結果、パワーハラスメントの予防や解決につながった、という企業も既にあります。
厚生労働省でも、 ポータルサイト「あかるい職場応援団」を開設し、職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けて様々な情報発信を行っています。
パワーハラスメントの予防・解決のために企業や労働組合が取り組んでいる主な例を以下にまとめました。研修の実施や相談しやすい職場環境の整備など、できるところから始めてみましょう。

企業や労働組合に求められるパワーハラスメント予防・解決の取組の主な例

予防するために

  • トップのメッセージ
    組織のトップが、パワーハラスメントは職場からなくすべきであることを明確に示す
  • ルールを決める
    就業規則に関係規定を設ける、労使協定を締結する
    予防・解決についての方針やガイドラインを作成する
  • 実態を把握する
    従業員アンケートを実施する
  • 教育する
    研修を実施する
  • 周知する
    組織の方針や取組について周知・啓発を実施する

解決するために

  • 相談や解決の場を設置する
    企業内・外に相談窓口を設置する、職場の対応責任者を決める
    外部専門家と連携する
  • 再発を防止する
    行為者に対する再発防止研修を行う

また、こうした組織の取組を形だけのものにしないために、一人ひとりの取組も重要です。
まず、企業のトップは、パワーハラスメントを生まない組織文化を育てるため、自らが範を示しながら、その姿勢を明確に示しましょう。また、上司は、自らがパワーハラスメントをしないことはもちろん、部下に行き過ぎた行為がないかなど目を配りましょう。そして、職場の一人ひとりが、お互いの人格を尊重し合い、適切なコミュニケーションや支え合いを心がけるようにしましょう。

厚生労働省「あかるい職場応援団(パワハラ関係資料ダウンロードコーナー)」
パワーハラスメント対策導入マニュアル、トップのメッセージ例、アンケート実施マニュアル、研修用資料例などの関係資料がダウンロードできるようになっています。

厚生労働省「あかるい職場応援団(オンライン研修)」
パワーハラスメント対策のオンライン研修が受講できるようになっています。最後に確認テストがあり、全問正解すると受講証明書のダウンロードもできます。

【参考】職場のパワーハラスメント対策取組事例

(事例1)「全社員の理解で職場の雰囲気が変わる」
LPガスの卸売、小売を主な事業とするX商事では、社長からの全社員に向けたメッセージ発信、社員全員への研修実施、相談窓口を設置し、窓口を名刺サイズのカードで周知することで、パワーハラスメント対策に取り組んでおり、取組を始めてから「それはパワハラですよ。」などと気兼ねなく言い合える雰囲気になりました。

(事例2)「必要な指導はしなければならない。だからパワハラ対策。」
大手建設会社であるB社では、建設業という仕事柄、注意を怠ると生命の危険もあることから、業務の中で厳しく指導をしなければばらない場面もあります。「本当に必要な指導までがパワハラと誤解されてはいけない」という観点から、就業規則等に「ハラスメント防止条項」を定めるとともに、「人格否定又は雇用不安を殊更にあおる発言」など禁止事項を具体的に明示し、これらを全社員に周知することなどで、パワーハラスメント対策に取り組んでいます。

*他の取組事例についてはこちら
厚生労働省「あかるい職場応援団(他の企業はどうしてる?)」

5.悩んだら、まずは周りの人に相談を

職場のパワーハラスメントで悩んでいる人は、まず、周りの人に相談してください。
周りの人も、パワーハラスメントを受けている人がいたら、孤立させずに声をかけてください。また、企業や労働組合などの組織は、一人ひとりがこの問題に向き合い、互いに支え合えるよう、パワーハラスメントの予防・解決に取り組みましょう。
なお、会社内に相談窓口がない場合や周りの人に相談できない場合は、下記のような相談機関がありますので、一人で抱え込まずに、ご利用ください。

あかるい職場応援団:「職場のパワーハラスメントに関連する相談機関一覧」にも関係する相談機関が掲載されています

主な相談窓口

<取材協力:厚生労働省 文責:政府広報オンライン>

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