本文へ移動

ここから本文です

暮らしに役立つ情報

国の政策・施策・取組の中から、私たちの暮らしに身近な情報や役に立つ情報をまとめました。

記事の二次利用についてはこちら

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
記事を印刷する

平成30年7月17日

再犯を防止して安全・安心な社会へ

犯罪や非行をした人の多くは、事件への反省を踏まえて生活を立て直し、社会の健全な一員として暮らしていきます。けれども中には、再び犯罪や非行をしてしまう人もいます。こうした再犯者を減らすことが、犯罪のない安全な社会を築くためには重要です。ここでは、犯罪や非行をした人の立ち直りを支える再犯防止に関する取組などを紹介します。

1.今、再犯防止が重要な理由

刑事施設に収容される受刑者のうち約6割が再入者。犯罪を減らすためには再犯防止が課題

犯罪により刑事施設(刑務所、少年刑務所、拘置所)に収容された人も、非行により少年院に入院した少年も、やがて社会に戻ります。多くの人は事件への反省を踏まえて生活を立て直し、社会の健全な一員として暮らしていきます。
一方、刑事施設や少年院から出てもその後の「仕事」や「住居」がないなどのために、再び犯罪や非行をするケースが少なくありません。

刑事施設に収容される受刑者数は、全体では減少傾向にあり、特に初めて入所する「初入者」は次第に減っていますが、「再入者」は余り減っていません。入所者全体に占める再入者の割合は、平成16年から毎年上昇し続けており、平成28年は59.5%となっています(グラフ1)。
このような状況から、犯罪のない、安全で安心して暮らせる社会を実現するためには、刑事施設や少年院を出た者による再犯や再非行を防止することが重要な課題となっています。

グラフ1:入所受刑者人員・再入者率の推移

資料:法務省「矯正統計年表 平成28年」p120より

2.再犯を防ぐために必要なこと

出所後、「仕事」と「住居」がある環境を整える

出所・出院後、きちんと仕事を持ち、社会を構成する健全な一員としてそれぞれの生活を立て直している人も数多くいます。では出所・出院後、社会復帰を果たす人と、再び犯罪や非行をしてしまう人とは、どこが違うのでしょうか。

犯罪や非行の背景には様々な要因が複雑に絡み合っており、特定の要因と結びつけることは困難ですが、そのヒントとなるのが、「仕事」と「住居」についての次の統計です。
刑事施設から仮釈放された場合などには、社会での更生をサポートし再犯を防止するため保護観察(後述)に付されますが、この保護観察終了時に無職であった人の再犯率は24.8%で、職があった人の再犯率(7.8%)に比べて約3倍も高くなっています(グラフ2)。
また、初入者よりも再入者の方が、住居不定の人の割合が高く(グラフ3)、また、刑事施設からの出所時に適当な帰住先のない人ほど再犯に至るまでの期間が短くなっています(グラフ4)。

グラフ2:保護観察終了時の職の有無と再犯率(※)

(※)平成25年~29年の5年間について、無職で保護観察を終了した者と有職で保護観察を終了した者との再犯率を比較(法務省保護局による)

グラフ3:入所受刑者の居住状況別構成比(平成28年)

(資料:法務省「平成29年版犯罪白書」)

グラフ4:適当な帰住先と再犯に至るまでの期間

(資料:法務省調査による)

このように、再犯者は、出所・出院後に社会における「仕事」と「住居」がなく、経済的に困窮したり、社会的に孤立したりして、再び犯罪に及ぶという悪循環に陥っていると考えられます。

3.刑務所などで行われている取組

再犯や再非行を防ぐための「矯正処遇」や「矯正教育」等

(1)刑事施設(刑務所・少年刑務所・拘置所)
~受刑者の反省を促し、社会生活に適応できる力を身に付けさせる

再犯を防ぐためには、刑事施設に入所している間に自分が犯した罪の重さを自覚し反省を促すとともに、過ちを二度と起こさないよう、改善更生の意欲を呼び起こして社会生活に適応できる能力を身に付けさせることが重要です。刑事施設では、「作業」「改善指導」「教科指導」の3つの柱で構成される「矯正処遇」を通じて、受刑者に犯した罪の責任を自覚させ、社会復帰に向けた支援をします。

・作業
作業(職業訓練を含む。)は、受刑者に規則正しい勤労生活を行わせることにより、受刑者が規律ある生活態度を習得したり、勤労意欲を養ったり、職業的な知識・技能を身に付けたりすることで、社会復帰を促進することを目的としています。

・改善指導
受刑者に犯罪の責任を自覚させ、社会生活に適応するために必要な知識や生活態度を習得させるために行う指導です。すべての受刑者を対象とした「一般改善指導」と、特定の事情を有することにより改善更生や円滑な社会復帰に支障が認められる受刑者を対象とした「特別改善指導」があります。特別改善指導には、薬物依存離脱指導、暴力団離脱指導、性犯罪再犯防止指導、被害者の視点を取り入れた教育、交通安全指導、就労支援指導があります。

・教科指導
社会生活の基礎となる学力を欠くことにより改善更生や円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者には、小学校または中学校の教科の内容に準ずる「補習教科指導」を行うほか、更なる学力向上を図ることが、円滑な社会復帰に特に役立つと認められる受刑者に対しては、高等学校または大学の教科の内容に準ずる「特別教科指導」を行っています。

(2)少年院
~在院者の健全育成を目指して行われる「矯正教育」

少年院では、再非行をしないよう在院者に対し、矯正教育を行っています。矯正教育は「生活指導」、「教科指導」、「職業指導」、「体育指導」及び「特別活動指導」の5つの分野からなっています。

・生活指導
生活指導は矯正教育の中心的な部分を占めています。反社会的なものの見方や考え方、行動の仕方を是正させ、健全な社会生活を営むための基礎となる知識及び生活態度を習得させることを目的としています。
特定の事情を有する在院者に対しては、その改善に向けて、被害者の視点を取り入れた教育、薬物非行防止指導、性非行防止指導、暴力防止指導、家庭関係指導及び交友関係指導を実施しています。

・教科指導
義務教育未修了者には、主として中学校の課程を履習させ、高等学校教育を必要とする者には、通信制課程の教育を受けさせています。また、希望する者には、高等学校卒業程度認定試験(旧・大学入学資格検定)を受験させるなどしています。

・職業指導
在院者の多くに共通する傾向として、職業に関して必要な知識や勤労の意欲が欠けています。しかも、出院後直ちに職業生活に入る必要のある者が大部分ですので、これらの在院者に対しては、勤労意欲の向上を図り、職業に関する知識や技能を身に付けさせることが重要になります。主な種目は、溶接、木工、土木・建築、農園芸等です。

・体育指導
少年院では、各種スポーツなどを通じて、健全な身体の発達を促し、運動能力や健康で安全な生活を営む能力を育成するため、体育指導を行っています。

・特別活動指導
特別活動指導は、在院者に共通する一般的な教育上の必要性により、主として集団で行う教育活動であり、クラブ活動や文化祭、運動会などの各種行事、社会貢献活動等があります。

(3)少年鑑別所(法務少年支援センター)
~地域社会の非行及び犯罪の防止に向けた取組~

少年鑑別所は、法務少年支援センターの名称で、非行・犯罪に関する問題等に関する知識・ノウハウを活用して、児童福祉機関、学校・教育関係機関、NPO等の民間団体等、青少年の健全育成に携わる関係機関と連携を図りながら、地域における非行・犯罪の防止に関する活動や、健全育成に関する活動の支援などに取り組んでいます。

主な支援の内容

  • 子どもの発達・性格の調査
  • 子どもや保護者への心理相談
  • ケース検討会への参加
  • 研修・講演への講師派遣
  • 法教育授業等


研修の様子(写真提供:法務省)


相談室(写真提供:法務省)

4.社会復帰に向けた出所・出院後の指導や支援

保護観察官や保護司、民間団体などが連携して立ち直りを支える「更生保護」

刑務所出所者などが立ち直り、社会で自立するためには、本人の強い意志と努力が必要であることはもちろんですが、社会の中で適切な居場所や仕事を持つことが重要です。
そこで、保護観察官や保護司、様々な関係機関・団体などが連携し、刑務所出所者などが、住む場所や仕事を見つけて地域社会の中で自立し、円滑に社会復帰ができるよう、保護観察を始めとする「更生保護」の様々な活動をしています。

(写真提供:法務省)

(1)保護観察官
地方更生保護委員会の事務局と保護観察所に配置されている国家公務員で、心理学や教育学、福祉及び社会学等の更生保護に関する専門的知識に基づいて、更生保護や犯罪予防に関する仕事を行います。

(写真提供:法務省)

(2)保護司
犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支えるボランティアです(法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員)。保護観察官と協働して、保護観察を受けている人と面接を行い指導や助言を行ったり、刑務所等に入っている人の帰住先の生活環境を整えたり、犯罪を予防するための啓発活動を行ったりします。現在、全国で約48,000人の保護司が活動しています。

(3)保護観察
保護観察は、犯罪をした人または非行のある少年が、実社会の中でその健全な一員として更生するように、保護観察官や保護司が指導監督及び補導援護を行うものです。
保護観察の処遇の一環として、特定の犯罪傾向がある人に対して、その傾向を改善するため、保護観察官が専門的処遇プログラムを行っているほか、環境美化活動などの地域に貢献する活動を通じて自己有用感や規範意識を高める社会貢献活動なども行っています。

住む場所や仕事を得るための主な支援

(1)生活環境の調整
生活環境の調整は、保護観察官や保護司が、刑務所などにいる人の釈放後の住居や就業先などについて調査し、改善更生と社会復帰にふさわしい生活環境を整えることによって、円滑な社会復帰を目指すものです。
また、高齢や障害により特に自立が困難な受刑者などに対しては、円滑な社会復帰のため、各都道府県が設置する「地域生活定着支援センター」や刑務所などと連携して、出所後、速やかに地方公共団体や社会福祉法人などが実施する福祉サービスを受けることができるように、刑務所などに入所中から必要な調整を行っています。
さらに、釈放後、直ちに福祉による支援を受けることが難しい場合には、国が指定した更生保護施設(※)で一時的に受け入れて、円滑に福祉サービスを受けるための調整や、社会生活に適応するための指導を行っています。

※:更生保護施設
身寄りのない刑務所出所者などを一定の期間保護し、生活指導や職業補導などを行って、その自立を支援する施設です。全国に103の更生保護施設があり、すべてが更生保護法人、社会福祉法人などの民間団体により運営されています(平成30年4月1日現在)。

(2)就労支援
刑務所などと保護観察所、ハローワークが連携して、刑務所出所者等に対する就労支援を行っています。刑務所などの入所者に対しては、ハローワーク職員による職業相談、職業紹介、職業講話などを実施しています。また、保護観察対象者などに対しては、ハローワークにおいて担当者制による職業相談・職業紹介を行うほか、セミナー・事業所見学会、職場体験講習、トライアル雇用、身元保証など様々なメニューを活用した支援を実施しています。

5.再犯防止のため、あなたにできること

立ち直ろうとする人たちを見守る、更生保護活動にご協力を

過去に罪を犯した人たちの立ち直りを助け、再び犯罪や非行に陥ることを防ぐ「更生保護」の活動には、保護司や更生保護施設をはじめ、たくさんの人や団体が関わっています。

協力雇用主は、犯罪や非行の前歴のために定職に就くことが難しい刑務所出所者などを、その事情を理解した上で雇用し、改善更生に協力する民間の事業主です。全国で約2万(平成30年4月1日現在)の協力雇用主が登録されています。

更生保護女性会は、女性としての立場から、犯罪・非行の未然防止のための啓発活動を行うとともに、罪を犯した人の更生支援や青少年の健全な育成を助け、非行のある少年の改善更生などに協力するボランティア団体です。全国で約16万人の会員が参加しており、公民館などで地域の実情に即して非行問題などを話し合うミニ集会や親子ふれあい行事などに取り組んでいます。

BBS(Big Brothers and Sisters Movement)は、非行など様々な問題を抱える少年たちに、兄や姉のように身近な存在として接しながら、少年たち自身で問題を解決し、健全に成長することを支援することで、犯罪や非行のない地域社会の実現を目指す青年ボランティア団体です。全国に約4,500人の会員がおり、児童福祉施設における学習支援や児童館での子どもとのふれあい行事なども実施しています。

更生保護は、社会に暮らす人たちの理解と協力によって支えられている制度です。立ち直ろうとする人を、受け入れ、支える方法は様々です。何ができるかを一緒に考え、できることから始めてみませんか。

例えば、こんなこと

囲み記事

"社会を明るくする運動"について

"社会を明るくする運動"はすべての国民が、犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの立ち直りについて理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪のない地域社会を築くための全国的な運動で、今年で68回目を迎えます。

より多くの皆さんに本運動を知っていただくため、"社会を明るくする運動"では、動画やポスターなどを用いて広報を行っています。また、全国各地で、だれでも参加できる催しを行っています。イベントに参加したり、広報動画を見たりしたことなどをきっかけにして、犯罪や非行のない安全で安心な暮らしを実現するために何ができるのかについて、皆さんも一緒に考えてみませんか。

・広報用リーフレットについて

罪や非行をした人も、反省と償いを経て社会に帰ってきます。彼らが立ち直りのために努力するのは当然に必要なことですが、社会に居場所がないために、再び犯罪や非行を重ねてしまうという「負のサイクル」があることも事実です。
このリーフレット[PDF]では、立ち直りを決意した人が直面しうる「負のサイクル」と、彼らに拠り所や居場所を提供し、犯罪や非行からの立ち直りを支える「更生保護」の活動について、「ホゴちゃんの更生までの道のり」というイラストで表現しました。

・CM動画について

第68回運動では、更生保護のマスコットキャラクターである「更生ペンギンのホゴちゃんとサラちゃん」に加え、彼らの立ち直りを支える「更生保護ボランティア」のキャラクターも登場する15秒のCM動画を作成しました。

悪いことばかりする「非行ペンギン」であったホゴちゃんが、保護司のクジラ先生、BBS会員のイルカ姉さん、協力雇用主のアシカ親方など、地域社会での温かいサポートを受け、反省と償いを経て立ち直り、「更生ペンギン」になるまでのストーリーを描いています。「YouTube 法務省チャンネル」で公開していますので、ぜひご覧ください。

<取材協力:法務省 文責:政府広報オンライン>

みなさまのご意見をお聞かせください。

本文へ移動

みなさまのご意見をお聞かせください。(政府広報オンライン特集・お役立ち記事)

Q1.この記事はわかりやすかった(理解しやすかった)ですか?
Q1.この記事はわかりやすかった(理解しやすかった)ですか? (50文字以内)
Q2.この記事は役に立つ情報だと思いましたか?
Q2.この記事は役に立つ情報だと思いましたか? (50文字以内)
Q3.この記事で取り上げたテーマについて関心が深まりましたか?
Q3.この記事で取り上げたテーマについて関心が深まりましたか? (50文字以内)


ページ
トップ