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平成29年12月28日

身近な民事トラブルを話合いで解決
「訴訟」に代わる「民事調停」

「お金を貸したのに返してもらえない」「交通事故の賠償金を請求したいが、先方と賠償額が折り合わない」「隣家に静かにしてほしい」…そのようなときには、「民事調停」によって解決が図れることをご存じですか。民事調停は様々な民事トラブルについて、非公開の話合いによって解決を図る手続です。そのメリットや利用の仕方を紹介します。

1.民事調停とはどんな制度?

訴訟ではなく、話合いによって円満なトラブル解決を図る裁判所の手続

金銭の貸し借り、交通事故の賠償請求、近隣関係など、当事者それぞれの言い分が異なることからトラブルになってしまうことは珍しくありません。そのようなトラブルを、裁判(訴訟)ではなく、できれば話合いで円満に解決したいという場合には、裁判所の「民事調停」という手続があることをご存じでしょうか。
裁判所には、「民事訴訟」をはじめ、トラブルを解決するための様々な手続がありますが、そのうち、「民事調停」は、当事者同士が話合いで問題の解決を図る裁判所の手続です。法廷で双方が争い、裁判官の判決によって解決を図る「裁判(訴訟)」とは違って、民事調停では、裁判所の「調停委員会」が当事者双方の言い分を聴いて歩み寄りを促し、当事者同士の合意によってトラブルの解決を図ります。訴訟よりも手続が簡易で、解決までの時間が比較的短くて済むという利点があります。また、当事者同士の合意を基本とすることから、当事者にとって円満な解決が期待できます。

民事調停では、下記のような様々なトラブルを取り扱っています。

<民事調停が取り扱う主なトラブル>

貸金、立替金などの問題
給料、報酬などの問題
家賃、地代の不払・改定などの問題
敷金、保証金の返還などの問題
土地、建物の登記などの問題
クレジット・ローン問題
売買代金などの問題
請負代金、修理代金などの問題
建物、部屋の明渡しなどの問題
損害賠償(交通事故ほか)などの問題
近隣関係の問題
※離婚や相続などの家庭内の問題については、「家事調停」で取り扱います。

平成28年に裁判所が新たに受け付けた民事訴訟は48万5,623件、民事調停は3万9,191件となっています。

グラフ:「民事調停」の種類別割合

※1:宅地建物:宅地や建物の貸借や利用に関する調停。
※2:特定:民事調停の特例。個人・法人を問わず借金の返済が困難な人が、返済方法などを債権者と話し合い、生活や事業の立て直しを図るための調停。
※3:農事:農地や農業経営に付随する土地・建物等の貸借や利用に関する調停。

以下に、民事調停のメリットや利用の仕方について説明します。

2.どんなメリットがあるの?

訴訟よりも手続が簡易、費用は低額。合意内容は判決と同じ効力

◆民事調停のメリット

(1)手続が簡易
民事調停の申立てをするときは、裁判所のウェブサイトや簡易裁判所の窓口にある申立書に必要事項を記入して、提出するだけです。終了までの手続も簡易なため、弁護士などの助けがなくても、自分一人で手続をすることができます。

(2)円満な解決ができる
「判決」という形でどちらの言い分が法律的に正しいか白黒をはっきりさせる訴訟とは異なり、調停は、当事者の合意を基本としているため、円満な解決を図ることができます。

(3)費用が安い
裁判所に納める手数料は、トラブルの対象の額に応じて決まりますが、訴訟に比べて少なくて済みます。

(4)プライバシーが守られる
民事調停は非公開で行われるため、他人に知られたくないことも安心して話すことができます。調停委員も守秘義務があるため、秘密が守られます(訴訟については、手続が公開されており、原則として誰でも法廷で傍聴することができます)。

(5)早く解決できる
ポイントを絞って話合いをするため、解決までの時間が訴訟に比べて比較的短くて済みます。通常、調停が成立するまでには2、3回の「調停期日」が開催され、多くは3か月以内で解決しています。

(6)判決と同じ効力
民事調停で両当事者が合意した内容は「調停調書」にまとめられます。調停調書は、判決と同じ効力を持ち、その内容が実行されない場合、強制執行を申し立てることができます。

3.民事調停を利用したいときは?

相手方の住所がある地域を管轄する簡易裁判所に申し立てます

民事調停は通常、簡易裁判所で行われます。調停を申し立てたいときは、原則として、相手方の住所がある区域を管轄する簡易裁判所に、申し立てる必要があります。

◆申立ての流れ

(1)簡易裁判所に申立書を提出する

・管轄の簡易裁判所はこちらで検索
裁判所「裁判所の管轄区域」

裁判所ウェブサイトや簡易裁判所の受付窓口にある申立書に、必要事項を記入し、押印の上、提出します。申立書はトラブルごとに、何種類かの定型書式が用意されています。
「貸金調停」「売買代金調停」「交通調停」「給料支払調停」「賃料等調停」「建物明渡調停」の申立書は裁判所のウェブサイトからもダウンロードできます。

・主な申立書はこちらでダウンロード
裁判所「民事調停で使う書式」
申立書の書き方や手続が分からない場合には、簡易裁判所の窓口で説明を受けることもできます。

(2)必要な手数料等を納める
申立ての際には、申立手数料と関係者に書類を送るために使う郵便料金が必要です。
申立手数料は、トラブルの対象の額が10万円までは500円、30万円の場合は、1,500円、100万円では5,000円などとなっています。

・申立手数料はこちらで確認
裁判所「手数料」

※なお、調停の申立てをしても、結果的に不成立になって終了することもあります。

4.どのようにトラブル解決が図られるの?

調停委員会が当事者双方の言い分を十分に聴き、解決案を提示します

申立てを行った後、民事調停は、下のような流れで進みます。

◆調停手続の流れ

(1)調停委員の指定(調停委員会の構成)
裁判所では、裁判官1人と調停委員2人以上(通常は2人)からなる「調停委員会」を構成します。
調停委員は、最高裁判所が任命した方々で、地域の一般市民から、豊富な社会経験や人生経験をもつ良識豊かな人や、専門的な知識経験を備えた人を迎えています。現在、弁護士や医師、建築士、不動産鑑定士、公認会計士、税理士、大学教授、会社役員・会社員など、様々な分野の方々が調停委員に任命されています。
民事調停では、法律の専門家である裁判官と、一般市民としての幅広い知識経験・良識をもつ調停委員が協力し、法律的な評価をもとにしながらも、法律のみにとらわれず、社会の良識にかなった解決を図ります。

(2)調停期日の決定・当事者の呼び出し
調停委員会が構成されると、「調停期日」が決められ、調停の申立人と相手方が裁判所に呼び出されます。

(3)調停期日の概要
調停の手続は、訴訟と異なり、法廷ではなく、裁判所内の調停室で行われます。傍聴人などに公開されることはありません。
調停の話合いでは、調停委員会が当事者双方の言い分を十分に聴き、双方の歩み寄りを促したり、調停委員会が妥当と考える解決案を提示したりして、合意に導くように調整を試みます。
話合いは、裁判官と調停委員、申立人、相手方で行います。当事者同士が顔を合わせたくない場合は、別々の部屋に待機してもらい、交互に調停室に入ってもらって話合いを進めることもあります。
通常は、1件の事案について、2~3回の調停期日が行われます。

(4)調停の成立
・合意ができた場合
話合いによって当事者双方が合意に達した場合は、調停が成立し、合意内容が調停調書に記載されます。この調停調書は判決と同じ効力を持つとされており、もし、調停調書に記載された内容を相手方が履行しないようなことがあれば、強制執行することができます。

・合意ができなかった場合
民事調停では、お互いの意見が折り合わず、それ以上話し合っても解決する見込みがない場合には、手続を打ち切ります(調停不成立)。ただし、すべてが「不成立」になるわけではなく、それまでの経過に照らして相当と認められる事案については、裁判所の判断を決定(「調停に代わる決定」といいます)という形で示すことがあります。その決定について双方が納得すれば、調停が成立したのと同じ効果があります。ただし、どちらかが2週間以内に異議申立てを行うと、効果はなくなります。「調停に代わる決定」について異議申立てがあった場合、あるいは調停が不成立になった場合には、改めて訴訟を起こすこともできます。

民事調停について、さらに詳しく知りたい方は、裁判所ウェブサイトの「裁判手続 簡易裁判所の民事事件Q&A」をご覧ください。

<取材協力:最高裁判所 文責:政府広報オンライン>

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