全国地域安全運動/安全安心なまちづくりの日 みんなでつくろう 安心の街

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防犯ボランティアなど地域住民と警察が協力し、地域安全活動に取り組んでいる

刑法犯の認知件数は、平成15年以降減少を続けておりましたが、令和4年は約60万件となり、前年を上回りました。また、子供や女性が被害者となる犯罪は後を絶たず、高齢者を狙った特殊詐欺の被害は深刻な情勢が続くなどしており、犯罪に対して不安を抱く人が少なくありません。こうした犯罪を防ぎ、地域社会の安全安心を守るために、全国各地で住民が自主的に様々な地域安全活動に取り組んでいます。

1犯罪は減っているの?

刑法犯の認知件数(※)は、平成14年に戦後最多の約285万件に至って以降、一貫して減少し、令和3年は戦後最少を更新しましたが、令和4年は約60万件と20年ぶりに増加に転じました。
一方、オレオレ詐欺をはじめとする特殊詐欺は、令和4年は1万7,570件、被害額370.8億円と、依然として高い水準で発生しています。
また、女性が被害者となることが多い強制わいせつや公然わいせつ、子供が被害者となった凶悪犯や粗暴犯も依然として発生しています。

このような状況の中、刑法犯の認知件数は減少しているにもかかわらず、治安に不安を感じている人が少なくないのが実情です。令和3年12月に内閣府が行った「治安に関する世論調査[PDF:517KB]」では、「最近の治安に関する認識」の問いに対して、「悪くなったと思う」「どちらかといえば悪くなったと思う」という回答が合計で54.5%と半数を超えています。

ストーカーにつけ狙われている女性、子供をつけ狙う不審者、電話で詐欺に狙われる高齢者

また、「日本社会に関する認識」の問いに対して、「人と人とのつながりが希薄となった」という項目をあげた人は54.1%で、2番目に多い回答となっています。

人と人とのつながりが希薄になっている中では、周囲に対して無関心であったり、近所に住む人の顔や名前も知らなかったりするために、不審者が近所をうろついていても気づかない、見て見ぬふりをするなど、地域社会の犯罪を防止する力が低下すると言われています。

地域社会の犯罪を防止する力が低下するということは、自分自身も犯罪の被害に遭う恐れがあるということです。安全で安心して暮らしていくためには、警察がパトロールなどの活動を強化するだけでなく、そこに暮らす人たちが一体となり、自分たちの地域の安全を守るための活動をしていくことが重要です。

※刑法犯の認知件数:殺人・強盗などの凶悪犯、暴行・傷害などの粗暴犯、窃盗犯、詐欺・横領などの知能犯、賭博・わいせつなどの風俗犯を含む刑法及び一部の特別法に規定する犯罪について、被害の届出や告発などにより、警察などが発生を認知した件数をいう。

2地域安全活動とは?

地域安全活動とは、安全で安心して暮らせるまちを実現するため、それぞれの地域において、地域ぐるみで、犯罪等の防止に取り組む活動をいいます。
全国各地では、地域住民が中心となり、自治体、学校、警察、事業者等と連携しながら、自主的に地域安全活動に取り組んでいる団体(以下「防犯ボランティア団体」という。)が活躍しています。全国の防犯ボランティア団体は、4万5,106団体(構成員は242万8,679人)に上っています(令和4年12月末時点、警察庁)。

防犯ボランティア団体のメンバーは、その地域に長く住んでいる方が多いのですが、地域によっては、学生などの若い人たちや、企業などで日中働いている人たちが参加している事例もあります。
防犯ボランティア団体の活動には次のようなものがあり、活動地域の自治体、学校、警察などと連携しながら、地域環境や、地域で多く発生している犯罪などそれぞれの実情に合わせた様々な活動が行われています。

防犯ボランティア団体の主な活動

夜間の見回り活動をする防犯ボランティアの人々

  • 地域の防犯パトロール活動(徒歩による夜間の見回り、青パト(※)による見回りなど)
  • 地域の環境浄化活動(落書き消し、清掃など)
  • 防犯広報活動(防犯教室、街頭などでの防犯キャンペーン活動など)
  • 子供の安全を守るための登下校時などの見守り活動
  • 高齢者世帯への戸別訪問

※青パト

「青パト」とは、青色回転灯等を装備する自動車を使い青色回転灯等を点灯させて行う自主防犯パトロールのことです。「青色防犯パトカー」または「青色防犯パトロール」などとも言われています。通常、自動車に青色回転灯等を装備することは禁止されていますが、一定の要件を満たす団体・組織が防犯パトロールを実施する場合には、警察本部長の証明を受けて、自動車に青色回転灯等を装備して防犯パトロール活動を行うことができます。
青パトを使った防犯パトロール活動は、夜間でも人目につきやすい、広い範囲をパトロールできるといったメリットがあります。
防犯パトロール活動に青パトを使いたいという場合は、パトロール地域を管轄する警察署にご相談ください。

青色回転灯がついた「青色防犯パトカー」(青パト)

3全国地域安全運動/安全安心なまちづくりの日

警察などでは、毎年10月11日~20日までの10日間、「全国地域安全運動」を実施し、各地の防犯協会(※)や防犯ボランティア団体とともに、地域安全活動の強化や、相互間の連携の一層の緊密化を図っています。この運動は、昭和52年に「全国防犯運動」として始まり、平成7年に現在の「全国地域安全運動」に名称を変更しています。また、平成17年には、各地域における取組意欲をさらに高めるため、10月11日を「安全安心なまちづくりの日」と定めています。

令和5年の全国地域安全運動では、「子供と女性の犯罪被害防止」「特殊詐欺の被害防止」を全国重点として、不審者情報や特殊詐欺などに関する早期通報の呼びかけと効果的な情報発信、警察や自治体、学校と防犯ボランティア団体などの連携強化、危険箇所の点検・改善、防犯教室の開催など、様々な活動を展開します。
また、「安全安心なまちづくりの日」の関連行事として、安全安心なまちづくりの推進に功績や功労のあった団体・個人の表彰を行います。

※防犯協会: おおむね警察署の管轄区域ごとに、自治会・商店会・企業などによる「地区防犯協会」が組織され、「防犯連絡所」や「防犯指導員」、ボランティア団体などと連携して、地域の防犯活動に取り組んでいます。地区防犯協会の連合体として、都道府県単位の防犯協会、全国組織としての全国防犯協会連合会があります。

全国地域安全運動のポスター

全国地域安全運動ポスター

4地域安全活動を始めるには?

「地域安全活動に参加したい」「地域の力になりたい」と思ったとき、何から始めればいいのでしょうか。
そのポイントは、「無理せず、できることから」です。例えば、町内でのあいさつ、声かけ運動、通学路の立番活動など、地域の中でのちょっとしたコミュニケーションや活動によっても、地域を見守る機会が増えることになり、不審者を寄せ付けにくくするといった効果があります。
また、ウォーキング、ジョギング、買い物、犬の散歩、花の水やり等の日常生活や事業活動の機会に、防犯の視点を持って見守りを行う「ながら見守り」という取組もあります。
防犯ボランティアとして活動を始めたい場合は、最寄りの警察署や市町村にも相談してみましょう。地域に自主防犯ボランティア活動をしている団体があれば、警察等から紹介してもらうこともできます。

また、防犯ボランティアを結成する場合、警察や市町村に届け出る義務はありませんが、警察や市町村と連携することで、犯罪情報や地域安全情報の提供、パトロールのポイントについての助言などが受けられるほか、活動助成金や活動に必要な資機材の支援を受けることができる場合もあります。

警察庁では、防犯ボランティア活動のノウハウを共有し、それぞれの地域の取組に活用していくため、「自主防犯ボランティア活動支援サイト」を開設し、活動事例を紹介しています。また、同サイトでは防犯ボランティア活動の始め方についても情報提供をしていますので、参考にしてください。

大きな地図を広げ、地域の防犯マップについて話し合う住民たち

(取材協力 警察庁  文責 政府広報オンライン)

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