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パートナーや恋人からの暴力に悩んでいませんか。
一人で悩まずお近くの相談窓口に相談を。

令和5年(2023年)9月15日

お互いを尊重しながら、対等な関係を築くパートナー

配偶者からの暴力や性暴力は、決して許されるものではありません。結婚したことのある女性のうちおよそ「10人に1人」が、配偶者などからくり返し暴力をふるわれたり暴言を吐かれたりした配偶者からの暴力(DV)の経験がある、という調査結果もあります。命の危険を感じたという人も少なくありません。もしも暴力を受け、悩みを抱えているときは、一人で悩まず相談してください。

1配偶者からの暴力(DV)の被害って多いの?

内閣府の男女共同参画局が令和3年3月に公表した 「男女間における暴力に関する調査報告書」によると、これまで結婚したことのある女性のうち、配偶者(※)などから、「身体的暴行」、「心理的攻撃」、「経済的圧迫」、「性的強要」といった暴力を受けたことが「何度もあった」人は10.3%という結果があり、およそ10人に1人がくり返し暴力を受けた経験があるということになります(グラフ1)。
※上記の調査における「配偶者」には、事実婚や別居中の夫婦、元配偶者の相手も含みます。

グラフ1:配偶者からの被害経験の有無

(資料:内閣府「男女間における暴力に関する調査報告書」令和3年3月公表)

2暴力に当たる行為とは?

暴力とは、殴る蹴るなどの身体的暴力だけを指すのではありません。人格を否定するような暴言や交友関係を細かく監視するなどの精神的な嫌がらせ、自分や家族に危害が加えられるのではないかといった恐怖を与えるような脅迫(心理的攻撃)、生活費を渡さない、外で働くことを制限する(経済的圧迫)、嫌がっているのに性的な行為を強要すること(性的強要)なども暴力です。

交際相手から暴力をうけている人

DV行為の例

  行為の例
身体的暴行 殴る、蹴る
物を投げつける
身体を傷つける可能性のある物で殴る
刃物などを突きつける
髪をひっぱる、突き飛ばす、首を絞める
熱湯をかける(やけどさせる)
心理的攻撃 大声でどなる、ののしる、物を壊す
何を言っても長時間無視し続ける
ドアを蹴ったり、壁に物を投げつけたりして脅す
人格を否定するような暴言を吐く
暴力行為の責任をパートナーに押しつける
こどもに危害を加えるといって脅す
SNSなどで誹謗中傷する
交友関係や電話・メールを細かく監視する
行動や服装などを細かくチェックしたり、指示したりする
家族や友人との関係を制限する
他の異性との会話を許さない
経済的圧迫 生活費をわたさない
デート費用など、いつもパートナーにお金を払わせる
お金を借りたまま返さない
パートナーに無理やり物を買わせる
性的強要 無理やり性的な行為を強要する
見たくないのに、ポルノビデオやポルノ雑誌を見せる
避妊に協力しない
中絶を強要する

注:例示した行為は、相談の対象となり得るものを記載したものであり、すべてが配偶者暴力防止法第1条の「配偶者からの暴力」に該当するとは限りません。

身体に対する暴力は被害者の身体を傷つけるだけでなく、命にかかわる危険もあります。暴力を受けない状態になってからも、暴力を受けていたときの恐怖が消えず、情緒不安定になったり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になったりするなど、心の健康を害してしまうケースもあります。
また、こどもがいる家庭では、父親が母親に暴力をふるう現場をこどもが目撃したり、こどもも暴力をふるわれたりすることもありますが、このような家庭環境ではこどもの安全や健やかな成長発達に多大な影響を及ぼすおそれがあります。パートナーに暴力をふるうという問題がある家庭にこどもが育つことは、こどもがその暴力を直接目撃するかどうかにかかわらず、こどもに心理的外傷を与えるおそれがあり、児童虐待のうち心理的虐待に当たります。

3被害を受けたら、どこに相談すればいいの?

内閣府の「男女間における暴力に関する調査」によると、このような配偶者からの暴力を受けながらも、「相談するほどのことではない」「自分にも悪いところがある」「自分さえ我慢すればいい」などと考えて、約4割の女性が誰にも相談していません。また、暴力を受けた女性の4割以上は、「こどもがいるから」「経済的な不安があるから」などの理由で、配偶者と別れたいと思いながらも別れなかったと答えています。
しかし、暴力は、いかなる理由であっても、どんな間柄であっても、許される行為ではありません。暴力を受けた被害者を加害者から守るために、地域には配偶者暴力相談支援センター(囲み記事参照)や警察の相談窓口など、様々な相談・支援の窓口があります。暴力の被害から抜け出し、自分自身とこどもを守るためにも、まずは、そうした身近な窓口に相談してください。(「女性に対する暴力の相談窓口」参照
どこに相談したらいいか分からない場合は、内閣府の「DV相談ナビ」または「DV相談+(プラス)」をご利用ください。全国どこからでも、相談することができます。

DV相談ナビ #8008(はれれば)

配偶者からの暴力に悩んでいることを、どこに相談すればよいかわからないというかたのために、全国共通の電話番号(#8008(はれれば))から相談機関を案内するDV相談ナビを実施しています。発信地等の情報から最寄りの相談機関の窓口に電話が自動転送され、直接ご相談いただくことができます。匿名でも相談できますのでご安心ください。
※相談窓口への転送は、相談窓口の相談受付時間内に限られます。

DV相談+(プラス)

「DV相談ナビ」に加え、DVの被害に遭っているかたへの相談支援を充実させるため、2020年4月からスタートした相談事業です。全国どこからでも電話(フリーダイヤル)やSNSのチャット、メールで相談することができます。電話とメールでは24時間いつでも相談を受け付けています。また、10か国語程度の外国語による相談にも対応しているほか、相談の状況によってはWeb面談も行っています。

電話での相談

0120-279-889(つなぐ はやく)
※24時間対応

SNS、メールでの相談

ウェブサイト(https://soudanplus.jp/)からアクセス
※メール相談は24時間対応、SNSのチャット相談受付は12:00~22:00
※10言語での外国語相談受付は24時間

「配偶者暴力相談支援センター」とは?

配偶者による暴力の被害者を支援する中心的な機関として、各都道府県が設置する婦人相談所や男女共同参画センター、児童相談所、福祉事務所などが、「配偶者暴力相談支援センター」の機能を果たしています。また、被害者にとって利便性のある身近な施設として、一部の市区町村の男女共同参画センターや福祉事務所にも「配偶者暴力相談支援センター」を設置しています。
配偶者による暴力の被害者には、「第三者に相談していることを知られたくない」という場合が少なくありません。そのため、こうした相談窓口は、DVの相談に来たことがわからないようにしていますし、もちろん相談者の秘密は厳守します。
配偶者暴力相談支援センターは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るために、下記のような相談・支援業務を担っています。

  • 相談または相談機関の紹介
  • カウンセリング
  • 被害者及び同伴者の緊急時における安全の確保及び一時保護(※)
  • 自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助
  • 被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助
  • 保護命令制度の利用についての情報提供その他の援助

※各支援センターによって実施されている業務は異なります。

「配偶者暴力相談支援センター」に相談している人

4どんな支援が受けられるの?

相談機関では、専門の相談員が悩みごとをよく聞いた上で、一緒に問題点を整理し、必要に応じて、専門の支援機関につなげるなど、解決するための支援を行います。 配偶者からの暴力を防ぎ、被害を受けた人を保護するための様々な施策を行うため、日本では、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(配偶者暴力防止法)」に基づいて次のような支援を行っています。

加害者から逃れたい

一時保護

配偶者による暴力から逃れるためにどこかに避難したいかたは、婦人相談所などで一時的に保護してもらうことができます。一時保護施設では、同伴したこどもと一緒にしばらく安全に生活することができます。

自立支援

配偶者暴力相談支援センターでは、職業紹介や職業訓練、公営住宅、生活保護などの情報提供を行い、自立して生活ができるよう支援しています。

加害者を被害者から引き離してほしい

身体に対する暴力または生命などに対する脅迫などを受けた被害者が、さらなる暴力によって生命または身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所に「保護命令」を申し立てて、加害者が近寄らないようにすることができます。 保護命令には、以下の種類があります。

加害者から被害者を守る「保護命令」

被害者への接近禁止命令(期間:6か月)

加害者が被害者の身辺につきまとったり、被害者の住居、勤務先などの付近をはいかいしたりすることを禁止します。

被害者の子または親族などへの接近禁止命令(期間:6か月)

被害者本人のほか、被害者のこどもや親族など被害者と密接な関係をもつ人の身辺につきまとったり、住居や勤務先などの付近をはいかいしたりすることを禁止します。

電話等禁止命令(期間:6か月)

被害者に対する一定の電話、電子メールなどを禁止します。

退去命令(期間:2か月)

加害者に対して、被害者と共に住む家からの退去を命じます。

支援について、詳しくはこちら

5「デートDV」を知っていますか?

皆さんは、「デートDV」という言葉を聞いたことはありますか。男女間における暴力は夫婦間だけで起こっている問題ではありません。実は、恋人同士の間でも女性に対する暴力が起こっています。前述の「男女間における暴力に関する調査報告書」によれば、交際相手がいた女性の16.7%が、交際相手からの暴力、いわゆるデートDVを受けています(グラフ2)。

グラフ2:交際相手からの被害経験の有無

(資料:内閣府「男女間における暴力に関する調査報告書」令和3年3月公表)

デートDVも、殴る・蹴るなど身体に対する暴力だけではありません。交際相手に「他の異性と会話をするな」などと命令したり、携帯電話の着信履歴やメールのチェック、交友関係や行動の監視など、相手の気持ちを考えずに、自分の思いどおりに支配したり束縛したりしようとする態度や行動も、デートDVです。
女性も男性も、誰もがデートDVの被害者になる可能性がありますし、加害者になる可能性もあります。例えば、交際相手との間で以下のような経験はありませんか。このような経験があるときは、気付かないうちにデートDVを受けていたり、相手の気持ちを傷つけていたりする可能性があります。お互いを尊重しながら、対等でいい関係を築くために、二人の関係を見直してみましょう。

デートDVの例

携帯電話の着信履歴やメールをチェックする 

交際相手を束縛する人

一方的に相手のプライバシーに入り込み、相手の人間関係を制限するのは暴力です。

「ばか」などと、傷つく呼び方をする 

言葉の暴力を行う人

相手を傷つける言葉は暴力です。


自分の予定を優先させないと無視したり、不機嫌になったりする 

自分の予定を優先させないと不機嫌になる人

相手の気持ちや都合を考えず、自分と一緒にいることを相手に強要するのは暴力です。

無理やり性的な行為をする

 

無理やり性的な行為をしようとする人

恋人同士でも、相手が嫌がっているのに無理やりセックスをすることは暴力です。

いつもおごらせる

 

いつも相手にお金を払わせる人

交際相手の気持ちを考えず、いつもお金を払わせることも暴力になります。

思いどおりにならないと、どなったり責めたり脅したりする

交際相手をどなる人

相手を精神的に追い詰めて自分に従わせようとするのは脅迫という暴力の一種です。

デートDVはエスカレートすると、ストーカー行為や暴行・傷害につながるおそれもあります。デートDVを受けているときは、自分を責めたり、一人で解決しようとしたりしようとしないで、配偶者暴力相談支援センターなどのお近くの相談窓口に早めに相談しましょう。
*平成25年6月の改正により、同居する交際相手による暴力についても「配偶者暴力防止法」が適用されますので、交際相手と同居している被害者なども、「一時保護」や「保護命令」などの支援を受けることができます。

友だちが交際相手との関係に悩んでいたら・・・

友だちが交際相手との関係で困っているのではないかと思ったら、その友だちに声をかけて話を聴いてみてください。あなたのひとことが、友だちの支えになるかもしれません。また相談できる窓口があることも、友だちに教えてあげてください。
DVやデートDVだけでなく、性犯罪やストーカー行為、売買春、セクシュアルハラスメントなどの女性に対する暴力は、いかなる理由があろうと決してゆるされるものではありません。
各機関では、様々な女性に対する暴力に関する相談を受け付けています。一人で悩まず、早めの相談が問題解決への第一歩です。

女性に対する暴力相談窓口

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

望まない性的な行為は、性的な暴力にあたります。それは身近な人や夫婦・恋人の間でも起こります。性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターは、性犯罪・性暴力に関する相談窓口です。産婦人科医療やカウンセリング、法律相談などの専門機関とも連携しています。全国共通の電話番号「#8891(はやくワンストップ)」から最寄りの相談窓口につながります。

囲み

11月12日~25日は「女性に対する暴力をなくす運動」の期間です

(画像:女性に対する暴力根絶のためのシンボルマーク)

女性に対する暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であり、決して許されない行為です。このことは、国際的にも重大な問題として認識されており、国連では、11月25日を「女性に対する暴力撤廃国際日」として定めています。
政府では、毎年、11月12日から女性に対する暴力撤廃国際日である11月25日までの2週間を「女性に対する暴力をなくす運動」の期間として、内閣府をはじめとする関係省庁や地方公共団体などが様々な運動を展開しています。
ポスター、リーフレットの作成配布やインターネットでの広報啓発を行うほか、運動期間中は、運動のシンボルマークであるパープルリボンにちなんで、全国のランドマークを紫色に点灯する「パープル・ライトアップ」などのイベントを実施するなど、様々な取組を展開します。皆さんも、この運動をきっかけに、一人ひとりが「女性に対する暴力」について、あらためて考えてみてください。

令和5年度「女性に対する暴力をなく運動」ポスター
(画像:内閣府男女共同参画局

写真提供:内閣府男女共同参画局

「女性に対する暴力をなくす運動」期間は、女性に対する暴力根絶のシンボルであるパープルリボンにちなんで、全国各地のタワーやランドマークなどを紫色にライトアップするパープル・ライトアップが実施されています。 このライトアップには、「女性に対する暴力の根絶」と、被害者に対する「ひとりで悩まず、まずは相談を!」というメッセージが込められています。

「パープルリボン」
※パープルは女性に対する暴力根絶のシンボルカラーです。

(取材協力 内閣府  文責 政府広報オンライン)

みなさまのご意見をお聞かせください。

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