まだ使える使用済み製品を活かす!エコでお得な「リユース」を考えてみませんか?

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リユースショップに、台車でボックス家具を持ち込もうとしている女性

引越し先の住まいに合わないから、新製品に買い替えたから、サイズが合わなくなったから――。そうした理由でまだ十分使える家電製品や家具、衣類などを捨ててしまうことはありませんか。そんなとき、「もったいないなぁ」「使いたい人がいれば譲ってもいいのに」と思いませんか?それは「リユース」の始まりかもしれません。環境にやさしく、誰かに買ってもらえればお財布にもやさしい、まだ使える使用済み製品等を活かす取組「リユース」のポイントを紹介します。

1使用しなくなった品でも、まだ使えるなら「リユース」を!繰り返し使う「リユース」は、環境にやさしく、お財布にもやさしい取組。

リユース(Reuse)は、「繰り返し使う」「再使用する」といった意味で、限りある資源を大切に使い、廃棄物を減らすことで自然環境への負担を抑えるための取組のひとつです。例えば、自分のサイズに合わなくなったが汚れも傷みもない衣類を、不用品としてそのまま捨てるのではなく、欲しい人に譲って使ってもらうことがリユースです。中古自動車や古本などの流通もリユースに含まれます。

こうした再使用の取組を示す言葉としては、「リサイクル」という言葉も用いられています。広義の「リサイクル」は、ここでいう「リユース」を含む場合もありますが、厳密には使い分けられています(下記の囲み記事参照)。その場合「リサイクル」は、廃棄物からまだ使える部分を取り出して再資源化することをいいます。
例えば使用済みのペットボトルを処理して合成樹脂を再生し、それを材料として様々な合成樹脂製品や新しいペットボトルを製造することがあります。また、使用済みの空き缶から鉄やアルミニウムを再生利用することも同様に「リサイクル」です。このようなリサイクルでは再資源化するためにエネルギーや資源を使いますし、それに伴って二酸化炭素(CO2)などの排出物が生じてしまいます。

リユースショップに、台車でボックス家具を持ち込もうとしている女性

一方「リユース」は、まだ使える使用済み製品等をそのままの形で再使用するため、エネルギーの消費や排出物を抑えることができる、より環境にやさしく、誰かに買ってもらえればお財布にも優しい取組だといえます。

最近の国の動きとしては、「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことや「2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指すこと、さらに50%の高みに向け挑戦を続ける」ことが宣言されました。これらを受けて、脱炭素に向けた取組も始まっています。使用済み製品等のリユースが拡大すれば、製品の廃棄・製造に係るCO2の削減につながります。
そして、従来の大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済から、中長期的に循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行が必要とされています。サーキュラーエコノミーとは、従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、 ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動のことです。
限りある資源を大切にし、環境にやさしい暮らしを実践するためにも、まだ十分使えるものは使い手を変えて再使用する「リユース」を考えてみませんか。

コラム1

自然環境への負担を抑えるための「3R」

  • Reduce(リデュース) = (廃棄物を)減らす
  • Reuse(リユース) = 再使用する
  • Recycle(リサイクル) = 再資源化する

廃棄物の扱いに関する、Rを頭文字とする3つの取組をまとめて「3R」といいます。Rの1つ目、「リデュース(Reduce)」は、もともと「減らす」という意味の英語で、廃棄物の発生を減らすことをいいます。身近な例では、買い物の際にあらかじめエコバッグなどを用意して、廃棄物にされやすいレジ袋を使わないようにする取組がそのひとつ。ただ普通に生活や生産活動を続けていれば、廃棄物を完全になくすことは現実的ではありません。

そこで、2つ目の「リユース(Reuse)」があります。これは本文で紹介しているように、まだ使えるモノは繰り返し使うという取組です。

そして3つ目の「リサイクル(Recycle)」は、廃棄物からまだ使える部分を取り出して再資源化することです。古新聞や古雑誌からパルプを再生し、それを材料にして段ボールやトイレットペーパーなどを作ることもリサイクルです。

リデュース(ごみになるものを減らす)、リユース(まだ使えるものを繰り返し使う)、リサイクル(資源として再利用する)のサイクルを表す図

2リユースにはどんな方法があるの?リユースショップやネットオークション、フリーマーケットなど、様々な方法があります。

リユースと言われて最初に思いつくのは、身近で「欲しい」という人を探し出してその人に譲ることでしょう。そうした人がすぐに見つからない場合、「欲しい」という人が集まる店やイベントを利用してみましょう。

主なリユースの方法

(1)リユースショップを利用する

「リユースショップ」は、古物営業法にもとづいて中古品などの買取り・販売を行う事業者(古物商)で、「リサイクルショップ」などと呼ばれることもあります。
買取りは、店頭での買取りのほか、自宅などへの出張買取り、宅配買取り(※)など様々な形態があり、買い取った中古品の販売は、店頭販売やインターネット販売などの形態があります。

ボックス家具をリユースショップに持ち込む女性と、古本屋のカウンターに読み終わった本を持ち込んでいる男性

なお、古物商は、古物営業法にもとづいて都道府県公安委員会から許可を得ていることを、分かりやすく表示しなければなりません。正規の古物商ならば、店舗の見やすい場所やウェブサイトなどに、許可をした公安委員会の名称や許可証の番号などを掲示していますので、古物商選びの参考にしてください。
※宅配買取り:遠隔地にある古物商やネットショップの形態をとる古物商が、宅配便を利用して買取りを行うこと

(2)インターネットオークションを利用する

オークションサイトなどを通じて、個人間で取引する方法です。オークションサイトの決まりによりますが、おおむね出品者が出品物の写真や簡単な説明、最低入札価格などをオークションサイト上で公開し、それを見て購入を希望する人が値を付けます。希望者が多い場合は競争となって入札価格が上がることがあり、最高価格を付けた人に落札されます。落札されたら、出品者と落札者で発送方法や支払方法などを確認し、品物の発送や支払が行われます。最近は、携帯電話のアプリを用いたオークションも行われています。

着なくなった服を売るためにオークションサイトに出品している女性と、オークションサイトでその服を見つけ、買いたいと思っている女性

インターネットオークションには、日本全国さらには世界各国からもアクセスできますので、ごく少数の人しか欲しがらないような品物でも、買い手がみつかることがありますし、場合によってはリユースショップの買取り価格より高値で売れることがあります。
ただし、落札手数料などの費用がかかることと、落札後に売買する双方が顔を合わせることがないため、送った品物の受け取りに問題があったり支払が守られなかったりするなどのトラブルが起きたときに、解決が難しいことがあるなどの欠点もあります。
なお、オークションサイトで買う場合は、出品者の出品履歴や落札者からの評価などが公開されていますので、そうした情報が出品者選びの参考になります。

フリーマーケットに出店し、使わなくなった衣類やおもちゃ、文庫本などを陳列している女性と、陳列された物を手に取って見ている男性と女性

(3)フリーマーケットやバザーなどを利用する

フリーマーケット(フリマ)は、イベントとして公園などの公共施設で開かれることが多く、主催者などに申し込んで出店して売りたい品を並べ、買い手を見つける方法です。基本的には個人間での売買となりますので、売上代金は自分のもとに入ります。なお、出店するために出店料が必要になることが多いようです。主催・運営は、地方自治体のほか、民間団体が行うものもあります。最近では、公園や広場で開催されるだけでなく、インターネット上で開催される「ネットフリマ」や携帯電話のアプリ上で取引できる「フリマアプリ」も登場し、市場規模が大きく伸びてきています。
バザーは、学校などの資金集めや慈善事業などを目的として、使用済み製品等を持ち寄って販売し、販売で得たお金を寄附するものです。自分自身にお金は入りませんが、使用済み製品等を提供するだけで、自分が出店料などの費用をかけずに使用済み製品等をリユースすることができます。

(4)地方自治体などの使用済み製品等の交換の仕組みを利用する

地方自治体では、「リユースプラザ」や「リサイクル活動センター」などとして、住民から不用品を引き取り、リユース品として販売しているところがありますので、お住まいの自治体に問い合わせてみましょう。引取方法や販売・譲渡方法には様々な形態があります。また、自治体の広報誌や公共施設の掲示板などを利用して、住民間の使用済み製品等の交換を促す仕組みを設けている自治体もあります。

リユースプラザに陳列された食器棚、いす、テーブル、電気ポット、トースターなどの様々な使用済み品

上述の(1)から(4)のようなリユースの場では、パソコンや家電製品、貴金属などから、雑誌や本、CD・DVD、ゲームソフト、子供用品まで、様々な使用済み製品等の売買が行われています。

リユース市場で売買されているものの例

パソコン、携帯電話、家電製品、オーディオ、カメラ、CD・レコード、DVD、ビデオ、本、雑誌、コミック、おもちゃ、ゲーム、子供用品、楽器、ホビー用品、スポーツ用品、衣料品、アクセサリー、時計、貴金属、家具、食器、キッチン用品、自動車、バイク、自転車

ただし、まだ使えるからといって、どんな使用済み製品等でも売買の対象になるわけではありません。リユースショップでは買取りできる品物の種類や状態などについて基準を設けており、それを満たさない品物は扱ってもらえません。
また、インターネットオークションやフリーマーケット、バザーなどでも、出品できるもの、出品できないものなどの条件があります。それぞれの買取り基準や出品の条件などを確認し、自分が出そうとしている使用済み製品等に合ったリユース方法を選びましょう。

3リユースショップを活用しよう日頃から大事に使い、使わなくなったら早めに出すと、買い取られやすくなります。

インターネットオークションに出品したり、フリーマーケットを出店したりするのは敷居が高い、という方は、リユースショップを活用してみてはいかがでしょうか。自分にとっては不用になったものでも、リユースショップを通じて必要とする人につなげ、再び使ってもらうことができます。自宅などに眠っている使用済み製品等を処分したいときはもちろん、引越しなどで様々な使用済み製品等が一度に出て、短期間で処分したいときなども、リユースショップを活用すると便利です。

リユースショップには、衣料品や本、CDやDVD、家具・家電製品などを専門に扱うお店もあれば、様々な種類の使用済み製品等を総合的に扱うお店もあります。また、店頭での買取り以外に、訪問買取りや宅配買取りで対応してくれる場合には、自宅から離れているお店でも利用することができます。インターネットなどで、自分のニーズに合ったリユースショップを探してみましょう。

リユースショップを見つけたら、まず、電話をして買い取ってほしい使用済み製品等があることを伝えましょう。リユースショップでは、買取りをする前に、その製品の状態などを査定し、買取り価格を決定します。利用者はリユースショップが提示する買取り価格をみてから「売る・売らない」を判断することができます。なお、査定の結果、リユースショップが買取りできない場合もあります。

査定から買取りまでの流れ

リユースショップにおける査定から買取りまでの流れ

リユースショップを活用する際は、次のようなことに配慮を。なお、品物の種類や状態によっては買い取ってもらえない場合もあるので事前に確認しておくとよいでしょう。

(1)使用済み製品は、自宅に眠らせず早めにリユースへ

買取りの査定には、品物の形式や年式なども影響します。使わない品物は自宅に眠らせず、早めにリユースショップに出したほうが、買取りされやすくなります。

(2)モノは日頃から大切に、きれいに使う

品物の外観や状態(きず、汚れ、ほつれなど)、動作状況なども買取りの査定に影響します。買取りされやすくするためには、日頃からきれいに、大切に使うことが大事です。

(3)リユースに出す際は、付属品や説明書なども付ける

リユースショップに品物を持ち込むときには、できるだけ付属品や説明書、保証書などを付けましょう。次の人が使いやすくなり、リユース品としての価値を高めます。

なお、リユースショップによっては、未成年の方からの買取りができない場合があります。ただし、未成年でも保護者の承諾があれば、買い取ってもらえることがありますので、それぞれのリユースショップにお問い合わせください。また、買取り時には、運転免許証や保険証など本人確認証明書の提示が必要です。

コラム2

「押し買い」には気をつけて!

「押し買い」は、業者が突然消費者の自宅等を訪れ、『不用品を買い取りたい』などと言って安心させ、実は不用品でない貴金属や価値のある着物などを強引に安値で買い取る行為をいいます。この押し買いについては、消費者から多数の苦情相談が全国の消費生活相談窓口に寄せられています。
平成24年(2012年)の「特定商取引法」改正により、「押し買い」に次のような規制が導入され、これに違反した業者には行政処分または罰則が科されるようになっています。
もし次のような規制に反する行為を行う業者があったら、健全なリユースショップではなく、「押し買い」を行おうとしている悪質業者の可能性があります。きっぱり断るとともに、お住まいの自治体の消費生活相談窓口などにご相談ください(消費者ホットライン:「188」番)。

買取り業者に対する規制

  • 飛び込み勧誘は禁止
    消費者からの要請のない飛び込みでの勧誘、しつこい勧誘、買い取る品物を明示しない勧誘などは禁止。
  • 買取り時に消費者に書面を交付しなければならない
    品物を買い取る際、買取り業者は自分の連絡先や買い取った品物の名前・価格などを書面にして消費者に渡さなければならない。

また、上記平成24年(2012年)の法改正により、消費者は訪問買取りについて次のことができるようになりました。

  • 買取り品の引き渡しを拒絶できる
    消費者は、上記の書面交付から8日以内は、買い取られた品物を業者に引き渡さなくてよい。
  • クーリング・オフを利用できる
    消費者は、買取りの契約内容が書かれた書面を受け取ってから8日以内なら、無条件で売買契約を解約できる。

4リユースできないときは?家電や小型家電などは、市区町村のルールに従って処分しましょう。

リユースショップで買取りできなかったものを、リユースショップに廃棄物として引き取ってもらうことは原則としてできません。家庭から排出される廃棄物を引き取って処理するには、市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可が必要です。許可を持たないリユースショップでは、原則として、廃棄物の引取り・処分はできませんので、買取りできなかったものは自宅に持ち帰りましょう。ただし、「エアコン」「テレビ」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」の家電4品目については、そのリユースショップで買ったものである場合、または、そのリユースショップで買替えをして以前のものを廃棄する場合は、家電リサイクル法にもとづいて引き取ってもらうことができます。
どうしてもリユースできなかったものは、お住まいの市区町村のルールに従って適切に処分しましょう。
下記のものについては、法律によってリサイクルの仕組みが定められています。ルールに従ってリサイクルにまわしましょう。

家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機)

使用済みの「エアコン」「テレビ」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」(家電4品目)は、「家電リサイクル法」でリサイクルが義務づけられています。

家電リサイクルの対象になる家電。エアコン、テレビ、洗濯機・衣類乾燥機、冷凍庫・冷蔵庫

この法律では、家電4品目を廃棄する際、消費者がリサイクル料金を支払って、買替えをするお店または製品を購入したお店が同種の廃家電を引き取って指定引取場所に運搬し、家電メーカーがリサイクルする仕組みになっています。家電4品目を廃棄するときは、リサイクル料金を支払って、買替えたお店または製品を購入したお店に引取りを依頼しましょう。
買替えではなく、廃棄するだけの場合で、購入したお店が遠方にある場合や分からない場合は、お住まいの市区町村にお問い合わせください。

小型家電(携帯電話、パソコン、ゲーム機、デジタルカメラ、ドライヤーなど)

小型家電リサイクルの対象になる家電。スマートフォン、携帯電話、ドライヤー、炊飯器、デジタルカメラ、パソコン、ゲーム機

家電4品目を除くほとんどすべての電池や電気で動く家電製品は、「小型家電リサイクル法」の対象となります。回収・リサイクルする品目やその回収方法は市区町村によって異なります。市区町村のルールに従ってリサイクルに協力しましょう。

なお、充電式電池や家庭用プリンターのインクカートリッジなど、製品によっては製造業者等が廃棄物の回収・処分を行っているものがあります。回収・廃棄の仕方についても、お住まいの市区町村にご確認のうえ、適切に処理してください。

コラム3

無許可の廃棄物回収業者にご注意ください。

不用品を処理するときは、無許可の廃棄物回収業者を利用しないようご注意ください。廃棄物の収集又は運搬は、市区町村の許可や委託を受けた事業者等でなければ認められていません。無許可の廃棄物回収業者を安易に利用すると、廃棄物の不法投棄や不適正処理につながる場合があります。
「ご家庭のごみを何でも回収」「無料で回収」「不用品回収」と言って、廃家電や粗大ごみなどの回収を呼びかける業者は、無許可の廃棄物回収業者の可能性がありますので、使い終わった家電製品や家具などの処理方法が分からないときは、お住まいの市区町村の廃棄物・リサイクル担当窓口にお問い合わせください。

「無許可の回収業者を利用しないでください」と書かれた環境省のポスター

(取材協力:環境省 文責:政府広報オンライン)

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