キノコ狩りや山菜採りなどで 毒のあるキノコや山菜などにご注意を! うっかり食べると食中毒に

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キノコ狩りや山菜採りなどの際に、食べられる種類と誤って毒のある種類を採ってしまい、それを食べて食中毒を起こして入院したり、亡くなったりする例が毎年後を絶ちません。なぜ山菜や野草、キノコの有毒種と食用種を取り違えるのか、取り違えを避けるにはどうすればよいか、などについてご紹介します。

1毒のあるキノコや山菜などで、どのくらい食中毒が起きているの?

野山に自生する山菜・野草やキノコを摘み、好みに応じて調理して味わう――そんな自然の恵みの楽しみ方があります。地域や季節によって異なりますが、例えば春ならばフキノトウやセリ、ギョウジャニンニクなどの山菜・野草があり、秋ならばホンシメジやヒラタケ、ナメコなどのキノコがあります。店頭などで商品として販売されるものと比べると、色や形が不揃いだったり不格好だったりしますが、それも野趣のひとつとして楽しむことができるでしょう。
しかしながら、食べておいしい種類のほかに、人体に有毒な成分を含む危険な種類――毒キノコや有毒植物があり、それを誤って食べて食中毒を起こす事例が起きています。
報告されているだけでも、平成23年(2011年)から令和2年(2020年)までの10年間で約1,600人が食中毒を起こし、うち18人が亡くなっています。

食中毒の発生状況(平成23~令和2年)

  事件数 患者数 死亡数
毒キノコ 327件 877人 3人
有毒植物 195件 768人 15人
合計 522件 1,645人 18人

「有毒植物」には、ジャガイモのソラニンによるもの(18件、患者数285人、死亡0人)も含まれています。

参考)下記より作成。

症状は、食べた部分の有毒成分や量などによって異なりますが、主な症状としては、おう吐・下痢・腹痛などの消化器系の障害や、瞳孔の収縮・発汗・手足のしびれ・意識の混濁などの神経系の障害などが挙げられます。重症の場合は、脱水症状、けいれん、呼吸困難などを起こして亡くなることがあります。


毒キノコや毒のある山菜などによる食中毒の例

  • 患者の家族が山林で採取した野生のキノコ(種類不明)を自宅で調理して患者2名が喫食したところ、2名ともに食中毒症状を呈した。2名のうち、1名は翌日に容態が急変し死亡した。
  • 自宅近くに生えていたイヌサフランをギョウジャニンニクと誤認し、喫食し、食中毒症状を呈した後に死亡した。

2毒のあるキノコや山菜などを見分けるには?

日本で確認されている食中毒を起こす有毒成分を含む植物やキノコの主な例を紹介します。

毒のある植物とキノコ

植物 キノコ
アジサイ カエンタケ
アマチャ カキシメジ
イヌサフラン クサウラベニタケ
カロライナジャスミン シロタマゴテングタケ
グロリオサ スギヒラタケ
クワズイモ タマゴタケモドキ
ジギタリス ツキヨタケ
ジャガイモ テングタケ
シャクナゲ ドクササコ
スイセン ドクツルタケ
スノーフレーク ドクヤマドリ
タマスダレ ニガクリダケ
チョウセンアサガオ ニセクロハツ
キダチチョウセンアサガオ ニセショウロ
テンナンショウ類 ネズミシメジ
ドクゼリ ハイイロシメジ
ドクニンジン ヒカゲシビレタケ
トリカブト類 ヒメアジロガサ
バイケイソウ類 ベニテングタケ
ハシリドコロ  
ヒメザゼンソウ  
ベニバナインゲン  
ユウガオ  
ヨウシュヤマゴボウ  

地方ごとに呼び名が違うことも!

植物やキノコには、地方ごとに独自の呼び名を持つものがあります。
例えばクサウラベニタケは、地方ごとに次のように呼ばれることがあります。

  • クサウラベニタケ(日本標準和名)の地方名:
    めじんなかせ(岩手・青森県)、にたり(埼玉県、群馬県前橋市、大分県)、あぶらいっぽん(群馬県前橋市)、ささしめじ(石川県金沢市)、にせしめじ(秋田・青森県)、うすすみ・さくらっこ・どくよもだけ・どくしめじ(秋田県)など

上記はあくまで一例でこのほかにも地方名があります。この記事では標準的な名称(日本標準和名)を用いていますので、ご注意を。

これらの中には、食用になる種類とよく似た見かけを持つものがあり、誤食を引き起こして食中毒につながる例があります。例えば次のような種類があります。

(資料:厚生労働省)

このほかにも、有毒種と食用種がよく似ている例はいくつもあります。また、葉や実、球根など、部分的に似ているものもあります。
また、同じ人間でも一人ひとり顔立ちや体つきが異なるように、キノコや植物にも個体差があります。図鑑などに載せられた有毒種の写真と微妙に違って見えるからといって、その種類が別種とは限りません。
キノコ狩りや山菜採りに豊富な経験を持つ人でさえ、毒キノコや有毒植物で食中毒を起こした例があります。まして知識や経験の浅い人は、自分の判断だけでキノコや山菜などを採取したり食べたりすることは、絶対に避けてください。

慣れた人でも常に慎重な判断を心掛け、少しでも不安が残る場合は、絶対に採取しないようにしましょう。

3毒のあるキノコや山菜などによる食中毒を防ぐには?

キノコ狩りや山菜採りなどをする人は、食べられる種類と毒のある種類について知っておくとともに、次のようなことに注意してください。

安全に食べられると確実に判断できないものは、絶対に、採らない、食べない、売らない、人にあげない

安全に食べられるかどうか不確かなものは食べないようにしましょう。また、他の人からもらったものに有毒種が混じっていて食中毒になった例もあります。食用かどうか不確かなものは人にあげない、人からもらったものも不安なときは食べない判断も大事です。

体調が悪くなったらお近くの医療機関へ

口に入れて強い苦味や舌のしびれなどを感じたら、すぐに吐き出してください。気づかずに食べて、後で体調が悪くなったときはすぐに近くの医療機関で診察を受けてください。

園芸用の観賞植物の誤食にも注意しましょう

観賞植物の中には食べると有毒なものがあります。そうした有毒種を家庭菜園や庭などに植えて誤食を招くことがあります。家庭菜園などでは、食用と園芸の種類が混じらないようにし、何を植えたのか分かるようにしておきましょう。

なお、毒キノコの見分け方や安全な食べ方などについて、さまざまな情報が言い伝えられていますが、なかには明らかな誤りもあります。例えば次のようなことを見聞きしても、信じてはいけません。

(資料:厚生労働省)

特にご注意、これらのキノコ!

「カエンタケ」は触るだけでも危険

カエンタケは赤やオレンジ色をしており、ブナやナラなどの木に手の指が出ているように発生します。毒性が非常に強く、食べると死亡する危険があります。
また、触るだけでも触れた部分の皮膚が炎症を起こすことがありますので、見つけても触らないようにしてください。

昔は食用といわれたことも。実は危険な「スギヒラタケ」

スギヒラタケは8月~10月ごろ、スギやマツなどの切り株や倒木に、扇形の白いキノコがいくつも重なり合って発生します。かつては食用とされていましたが、近年、スギヒラタケを食べたことが原因とみられる急性脳症の事例が多数報告されています。
毒の成分など詳細はまだ解明されていませんが、安全のためキノコスギヒラタケを食べないようにしてください。

(取材協力:厚生労働省 文責:政府広報オンライン)

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