タレント・モデル契約のトラブルにご注意を! 契約前に、「確認」「相談」「冷静な判断」を

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タレントやモデル、俳優や歌手、声優になりたい、そんな憧れが先走ってトラブルに遭う例が後を絶ちません。近年は街中でのスカウトよりも、自らオーディションなどに応募したことがトラブルのきっかけとなるケースもみられます。タレント・モデルなどの契約に関するトラブルの現状と予防策をご紹介します。

1どんなトラブルが起きているの?

「タレントになりたい」と自ら芸能事務所のオーディションに応募。合格したが事務所と同じグループの芸能スクールに通うように言われ、高額な入学金と月謝を請求された。
エステサロンで施術を受けたところモデルの仕事に勧誘された。いったんは承知したが、モデルになるにはタレント養成教室に通う必要があり、高額な授業料が必要と聞いたので解約したい。
このような、タレント・モデルなどの契約に関するトラブルが後を絶ちません。

タレント・モデルなどの契約に関する相談件数の推移

※2022年1月31日までのPIO-NET登録分。
※PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。消費生活センター等からの経由相談は含まれていない。

全国の消費生活センター等には、タレント・モデルなどの契約に関連する様々な相談が寄せられています。その相談から主な事例を紹介します。

事例

事例1:芸能事務所のオーディションに応募し、契約したが…

オーディションに応募して、二次審査まで合格し、芸能事務所と契約した。契約の際、「歌手としてデビューさせてあげる」と言われたが、自分のCD180枚を約50万円で自ら買い取らなければならないという。不審なのでやめたい。(20代・女性)

事例2:タレント養成スクールに入会登録したが…

芸能関係の仕事に興味があったため、自分でタレント養成スクールを探して入会登録した。1年分の会費として約10万円を払ったが、演技などを勉強する機会はなく、企画事業のスタッフとして無給で働かされた。演技などのスキルを磨く講座を受講するには別途お金がかかるという。退会は可能か。(20代・女性)

事例3:エキストラの募集に応募したら

インターネットでエキストラのバイトに応募し、面接に行ったら映画のオーディションの話があった。合格したが、映画に出るためにはレッスンが必要と言われ、約30万円の契約をした。しかし、1年経っても映画に出ることができない。「レッスンが終わったらすぐに映画に出ることができる」と言われていたのに、話が違う。(20代・男性)

事例4:無料エステの勧誘後、サロンモデルに誘われて

街で無料のエステの勧誘を受けた。エステを受けた後、エステサロンの「サロンモデル」にならないかと言われたが、サロンモデルになるにはタレント養成教室に行く必要があると言われた。養成教室に契約するとテレビにも出られると言われ、面白そうなので契約してしまったが、解約したい。(20代・女性)

事例5:「手足の撮影モデルで高収入」の広告を見て応募したら…

インターネットでモデル事務所のホームページを探し、「絵画モデル、手や足の撮影モデルで高収入が得られる」という募集を見て、SNSで業者に連絡をとって面接に行った。面接したらアダルトDVDやアダルトサイトへの出演を勧められた。断ったが、その後、執拗にメールが届いて困っている。(20代・女性)

上の事例にもあるように、タレント・モデルなどの契約に関する相談では、オーディションに合格したり事務所等に登録したりした後に「レッスンを受ける必要がある」「出演するには別途支払いが必要」などとお金の支払いを求められるケースや、所属契約をしたのに「期待した仕事が紹介されない」「当初の説明と契約内容が異なる」といったケースがみられます。

2どんな人が、どんなきっかけで?

2011年度以降に、全国の消費生活センター等に寄せられたタレント・モデルなどの契約に関する相談は8,337件(2022年1月31日までの登録分)。契約当事者の年齢別では、20代を中心に10代~30代の若い年代で8割を超えています。性別では約7割が女性です。若い女性がターゲットになりやすいトラブルと言えますが、男性からの相談も約3割を占めています。

タレント・モデルなどの契約に関する相談

契約当事者の年代別割合
契約当事者の性別割合

(注1) 年代別の総数は「不明」「無回答」を除くn=8,042件。
(注2) 性別の総数は「不明」「無回答」等を除くn=8,245件。
※2011年度以降に全国の消費生活センターに寄せられたタレント・モデルなどの契約に関する相談(2022年1月31日までのPIO-NET登録分)

トラブルのきっかけをみると、以前からの「アポイントメントセールス」「キャッチセールス」などに加えて、近年は「電子広告」「SNS」が関連する相談も目立ちます。

電子広告は、インターネットのウェブサイトなどに表示されるバナー広告やアフィリエイト広告、メールマガジンで配信される広告などのことです。タレント・モデル募集やオーディション公募などの広告やホームページを見て、自ら応募したことがトラブルのきっかけになっています。

SNSが関連する相談には、電子広告と同様、SNS上に表示された広告等を見て、自ら応募したことがトラブルのきっかけになった事例や、「あなたのSNSアカウントをみた」という事業者からダイレクトメッセージが届き、タレント・モデルなどに興味はないかとスカウトされた事例もみられます。

アポイントメントセールスは、「電話や電子メールなどにより、商品やサービスを販売する目的を隠して、相手を事務所などに呼び出し、契約をさせる」ことです。「オーディション」や「エキストラ募集」などの名目で事務所などに呼び出し、「レッスンが必要」といってレッスンの契約をさせるといった例が該当します。

キャッチセールスは、「街角などで歩行者を呼び止めて、営業所などに同行して契約をさせる」ことです。街角で「タレントにならないか」と誘って、そのまま事務所に連れていき、タレント契約をさせるといった例が該当します。

3トラブルを避けるには?

タレントやモデルなどにスカウトされたり、自分で見つけたオーディションに合格したりして、何らかの契約の話が出たときは、その場での契約は避けて、次のようなことに注意してください。

(1)具体的な活動内容や事務所のサポート体制、費用面などをよく確認、その場での契約は避ける。

オーディションに応募したり、芸能スクールを受講したりする前に、どの段階でどのような費用がかかるのかを十分に確認しましょう。
例えば、オーディション応募は無料でも、合格後に芸能スクールを有料で受講することが義務付けられている場合があります。契約には明記されていなくとも、オーディション合格後の打ち合わせなどで芸能スクールの受講を求められることがあります。

業者は、タレントやモデルに憧れる気持ちに乗じて様々な言葉で勧誘してきます。事前に何の情報もないまま突然芸能スクールの受講を求められる、当初の話にない金銭の負担を求められるといった話が出たら要注意です。その場での契約は避け、家族に相談するなどして冷静に判断しましょう。

どの段階でどのような費用がかかるのか、また、事務所や芸能スクールは何をどのように支援してくれるのか、事前によく確認することが大切です。

当初の話と変わったら要注意!

「エキストラ出演のアルバイトをするつもりがレッスン受講契約を勧められた」「サロンモデルへの勧誘だと思ったら芸能スクールの受講を勧められた」「手足の撮影モデルのはずがアダルト女優の仕事を勧められた」といったように、当初の話と突然変わることがあります。自分が考えていた契約内容でなければきっぱり断りましょう。

(2)契約してしまった後でも、「クーリング・オフ」できることも

クーリング・オフとは、契約した後、冷静に考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば無条件で契約を解除することができる制度です。
通常は一度契約をすると、原則として一方的に契約を解約することはできません。しかし、「アポイントメントセールス」や「キャッチセールス」など、特定商取引法の訪問販売に該当する場合、特定商取引法に定める書面を受け取った日から数えて8日以内であればクーリング・オフができます。契約後でも、状況によっては、クーリング・オフで契約を解除できる場合がありますので、すぐにお近くの消費生活センターにご相談ください。

(3)不安なことがあれば消費生活センターにご相談を

勧誘を受けて不安になったり、契約内容などについて疑問を感じたりしたときは、ひとりで悩まず、最寄りの消費生活センターに相談しましょう。
また、アダルト関連の出演を強要されるなどした場合には警察にご相談ください。

困ったときの相談先は

  • 消費者ホットライン「188(いやや!)」番

※アダルトビデオなどへの出演の強要に関する相談は

  • 警察相談専用電話「#9110」
  • 女性の人権ホットライン「0570-070-810」へ

(取材協力:消費者庁、(独)国民生活センター 文責:政府広報オンライン)

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