赤ちゃんの原因不明の突然死 「SIDS」の発症リスクを低くする3つのポイント

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イラスト:ベビーベッドで眠っている赤ちゃんを見守る夫婦

それまで元気だった赤ちゃんが、何の予兆や病歴のないまま、眠っている間に突然死亡してしまうことがあります。この「乳幼児突然死症候群(SIDS)」は、原因の分からない病気で、窒息などの事故とは異なります。SIDSの予防方法は確立していませんが、いくつかの点に留意すれば、発症のリスクを低くすることができます。

1乳幼児突然死症候群(SIDS)とはどんな病気?

それまで、すくすく育っていた赤ちゃんが、ある日突然、眠っている間に亡くなってしまう「乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)」という病気があります。
赤ちゃんが突然亡くなることは、生まれつきの病気や感染症、窒息事故などによっても起こることがあります。しかし、SIDSはそれらと異なり、何の予兆や既往歴もない赤ちゃんが睡眠中に突然死に至る、原因の分からない病気です。
日本でのSIDSの発生数は減少傾向にあるものの、令和4年(2022)年は47人の乳幼児がSIDSで亡くなっており、1歳未満の赤ちゃんの死亡原因としては第4位となっています。
発症するのは、乳児期の赤ちゃんに多いですが、まれに1歳以上でも発症することがあります。また、多くが寒い時期に発生しています。

乳幼児突然死症候群死亡者数の推移

グラフ:平成9年から令和4年までの乳幼児突然死症候群死亡者数の推移。SIDSによる死亡人数は平成9年の538人が最も多く、その後は減少傾向。過去5年は平成30年が61人、令和元年が78人、令和2年が95人、令和3年が81人、令和4年が47人。

資料:こども家庭庁資料より政府広報室作成

2SIDSの発症リスクを低くするには?

SIDSについて、日本はもとより世界各国で様々な調査研究が行われていますが、原因の解明には至っていません。そのため、予防方法が確立していないのが現状です。
しかし、これまでの研究などから、次の3つのポイントに留意すれば、SIDS発症の危険性を低くするというデータが得られています。

(1)1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせる

イラスト:赤ちゃんのうつぶせ寝にバツ印

SIDSは、うつぶせ、あおむけのどちらでも発症しますが、うつぶせに寝かせたときのほうがSIDSの発症率が高いことが研究者の調査から分かっています。
医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせましょう。
この取組は、睡眠中の窒息事故を防ぐ上でも有効です。

(2)なるべく母乳で育てる

イラスト:母乳を飲む赤ちゃんにマルの印

母乳育児が赤ちゃんにとって、いろいろな点で良いことはよく知られています。母乳で育てられている赤ちゃんのほうがSIDSの発症率が低いということが研究者の調査から分かっています。できるだけ母乳育児にトライしましょう。

(3)たばこはやめる

イラスト:たばこにバツ印

たばこはSIDS発症の大きな危険因子です。
妊娠中の喫煙はおなかの赤ちゃんの体重が増えにくくなりますし、呼吸中枢にも明らかによくない影響を及ぼします。妊婦自身の喫煙はもちろんのこと、妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙はやめましょう。これは、身近な人の理解も大切ですので、日頃から喫煙者に協力を求めましょう。
SIDSやその予防方法について詳しく知りたい、そのほか育児について不安なことがあるときは、お住まいの都道府県・市町村の母子保健担当課および保健所・保健センターなどにご相談ください。

コラム

11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間」!

12月以降の冬期に乳幼児突然死症候群(SIDS)が発症する傾向が高いことから、厚生労働省では、毎年11月を「乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間」とし、発症の予防に対する普及啓発を重点的に行っています。
赤ちゃんをSIDSから守るため、お母さんやお父さんだけでなく、赤ちゃんの身近にいるすべての人も、SIDSについて理解を深め、SIDSの発症リスクを低くする取組に協力しましょう。

(取材協力:厚生労働省 文責:政府広報オンライン)

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