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平成30年(2018年)12月10日

知っていますか?
街の中のバリアフリーと「心のバリアフリー」

バリアフリーとは、多様な人が社会に参加する上での障壁(バリア)をなくすことです。多様な人たちのことが考慮されていない社会は、心身機能に障害がある人などにとって様々なバリアを生み出しています。障害の有無にかかわらず、高齢になっても、どんな立場でも、安心して自由に生活をするために、建物や交通機関などのバリアフリーだけでなく、一人ひとりが多様な人のことを思いやる「心のバリアフリー」を広げましょう。

1.バリア(障壁)って何?

多様な人がいることを考慮しない社会によって作り出されたもの

「バリアフリー」の「バリア」とは、英語で障壁(かべ)という意味です。バリアフリーとは、生活の中で不便を感じること、様々な活動をしようとするときに障壁になっているバリアをなくす(フリーにする)ことです。
バリアフリーという言葉は、もともとは建築用語として、道路や建築物の入口の段差など物理的なバリア(障壁)の除去という意味で使われてきましたが、現在では、障害のある人や高齢者だけでなく、あらゆる人の社会参加を困難にしているすべての分野でのバリア(障壁)の除去という意味で用いられています。

それでは、そのバリアとは、どんなものなのでしょうか。
私たちが暮らす社会には多様な人々がいます。外見や性格、価値観、能力も人それぞれ違います。年齢や性別、国籍、仕事、受けてきた教育や宗教、育った環境なども様々です。
このように多様な人がいるにもかかわらず、多数を占める人に合わせて社会がつくられてきました。多数を占める人たちにとっては不便でもなんでもないことが、少数の人たちにとって、不便さや困難さを生むバリアとして存在しています。
例えば、日本で身体障害・精神障害・知的障害のある人は、総人口のわずか7%で15人に1人です。障害のない人が多数を占めています。そのため、これまでは障害のない人に合わせた社会がつくられており、障害のある人にとっては生活しにくい環境があり、困りごとを生むバリアとなっています。
ただ、このようなバリアは、障害がある人や高齢者など多様な人がいることを考え、その人たちも参加しやすく変えていくことで解消することができます。
障害のある人もない人もすべての人が参加しやすい社会にしていくために、どのようなことがバリアになっているのか、それを解消するために何ができるかを考えてみましょう。

2.バリアはどこにある?

多様な人のことを考えると「バリア」が見えてきます

 障害のある人は、社会の中でどんなことにバリアを感じているのでしょうか。障害のある人が社会の中で直面しているバリアには、大きく分けて4つあります。

4つのバリア

(1)物理的なバリア

公共交通機関、道路、建物などにおいて、利用者に移動面で困難をもたらす物理的なバリアのこと。
例えば、路上の放置自転車、狭い通路、急こう配の通路、ホームと電車の隙間や段差、建物までの段差、滑りやすい床、座ったままでは届かない位置にあるものなど。

エレベーターのボタンが高い位置にあると、車いすを使っている人はボタンが押せません。

(2)制度的なバリア

社会のルール、制度によって、障害のある人が能力以前の段階で機会の均等を奪われているバリアのこと。
例えば、学校の入試、就職や資格試験などで、障害があることを理由に受験や免許などの付与を制限するなど。

盲導犬に対する理解が不十分なため、盲導犬を連れての入店を断られることがあります。

(3)文化・情報面でのバリア

情報の伝え方が不十分であるために、必要な情報が平等に得られないバリアのこと。
例えば、視覚に頼ったタッチパネル式のみの操作盤、音声のみによるアナウンス。点字・手話通訳のない講演会。分かりにくい案内や難しい言葉。

車内アナウンスだけでお知らせしても、聴覚に障害のある人には情報が伝わらず、どうしたらいいのか困ってしまいます。

(4)意識上のバリア

周囲からの心ない言葉、偏見や差別、無関心など、障害のある人を受け入れないバリアのこと。
例えば、精神障害のある人は何をするか分からないから怖いといった偏見。障害がある人に対する無理解、奇異な目で見たりかわいそうな存在だと決めつけたりすることなど。

点状ブロックがあることに無関心で、その上に無意識に立ったり物を置いたりすることで、視覚障害のある人のバリアをつくってしまいます。

主な心身機能の障害について理解しよう

 「障害がある」と一口に言っても、心身機能の障害は、その種類や程度によって様々です。社会の中で困っていること、不便なことがそれぞれ違います。また、障害があることが外見からは分からない人もいます。それぞれの障害の特性や、障害のある人のことを理解して、その人の目線になって周りをみてみると、何がバリアになっているのかが分かってくるのではないでしょうか。以下では主な心身機能の障害を紹介します。

◆視覚に障害のある人
全く見えない人(全盲)、見えないけれど光が感じられる人(光覚)、眼鏡などで矯正しても視力が弱い人(弱視)、見える範囲が狭い人(視野狭さく)、色の見え方が異なる人(色覚異常)など様々です。目からの情報収集に困難があるため、音声情報や触覚情報などで伝える必要があります。また、弱視や色覚異常の人には、文字を大きくしたり、色の対比を明確にしたりして伝えることが必要です。
◆聴覚に障害のある人
全く聞こえない人(ろう者)、聞こえにくい人(難聴者)など、聞こえ方には個人差があります。また、声を出して話すことが難しい人もいます。音による情報収集が難しいため、筆談や手話、文字情報などで伝える必要があります。
◆肢体に障害のある人
まひなどで手や足など身体のどこかが動かない、動かしにくいなど、様々な状態の人がいます。日常生活を送るために、義肢などの補装具や車いす、杖などを使うことがあります。
◆身体の内部に障害のある人
病気などで、心臓や腎臓、呼吸器、腸やぼうこう、肝臓、免疫機能など、身体の内部に障害がある人がいます。外見からは分かりにくいですが、疲れやすかったり、長時間立っているのが難しかったり、頻繁にトイレに行く必要がある人がいます。
◆知的障害のある人
生活や学習面での知的な働きや発達がゆっくりとしていて、読み書きや計算をしたり、抽象的な概念や複雑なことを理解したり判断したりするのが苦手ですが、豊かな感性を持っています。軽度の知的障害からダウン症や自閉症など他の障害も併せ持つ人まで、一人ひとりの障害の状況が大きく異なります。
◆発達障害のある人
自閉症などの広汎性発達障害(PDD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などがあります。感覚が過敏、落ち着きがない、読み書きや計算が苦手など人によって障害の状況は異なります。人とのコミュニケーションが苦手で社会生活や日常生活に支障が生じていることが多くあります。
◆精神障害のある人
総合失調症やうつ病、てんかんなどの精神疾患のために、社会生活や日常生活がしづらくなる障害です。精神疾患は、ストレスや生活環境の変化によって、誰もがかかりうる病気です。適切な治療・服薬と周囲の配慮があれば症状をコントロールできるため、大半の方は地域社会の中で生活しています。

社会には障害がある人だけでなく、高齢になると見ることや聞くこと、動くこと、伝えることが困難になる人もいます。また、妊娠中の女性やベビーカーなどで小さな子どもを連れて外出する人などは、動くことが困難になります。外国からの旅行者などは、日本語の案内板やアナウンスだけでは情報が入手できない人もいます。
障害のある人たちにとってのバリアは、これらの人たちにとっても、社会生活や日常生活を送る上でのバリアとなっています。

3.街中のバリアフリーにはどんなものがある?

障害のある人が使いやすいようにした様々な工夫があります

障害のある人のバリアをなくすために、私たちの周りでは様々な取組が進められています。ここでは、駅や公共交通機関、道路や建物などで広がりつつある「ハード面」でのバリアフリーの取組を一部紹介します。

・エレベーター

写真提供:国土交通省

車いすを使用している人が利用しやすいよう、ボタンの位置を低くしたり、方向を変えずに出入り口を確認できるよう鏡をつけたりするなどの工夫がされています。
・ホームドア

写真提供:国土交通省

ホームの端にドアを設置して、線路への転落を防ぐ工夫がされています。
・点状ブロック

写真提供:国土交通省

視覚に障害のある人に道を案内するために、駅や道路などには点状ブロック・線状ブロックが設置されています。駅のホームの端に設置されている点状ブロックでは、線路への転落を防ぐため、ホームの内側と外側が区別できるように内方線をつける工夫をしています。
・案内サイン

写真提供:国土交通省

文字が分からない人にも分かりやすく場所を案内するために、図記号(ピクトグラム)で表示するなどの工夫がされています。
・多様なニーズに合わせたトイレの設備

写真提供:国土交通省

車いすを使っている人や、ぼうこうや腸などの内部障害がある人、赤ちゃんを連れた人などが利用しやすい様々な機能がつけられたトイレがあります。近年、多機能トイレ(※)の利用の集中を軽減するため、機能を分散化しているトイレもあります。

※車いすの障害者用の広いスペース(2メートル四方)や手すりとともに、オストメイト(人工肛門・人工ぼうこう保有者)用の汚物流し台や、乳幼児のおむつ交換台などを併せ持つトイレ
・通路

写真提供:国土交通省

車いすを使っている人や段差を上るのが困難な人などが使いやすいように、通路や出入り口などを十分な幅を持ったスロープにする工夫も見られます。

私たちの周りには、障害のある人が使いやすいように、ハード面のバリアフリー化が様々な場面で広がってきました。
しかし、バリアフリーの設備を整備するだけでは、社会のバリアはなくなりません。バリアフリーの設備があっても、障害のある人に対する無関心や誤解、何気なく行っている行動や発言などが「意識上のバリア」をつくってしまうことがあります。
バリアフリーな社会にしていくためには、こうした「意識上のバリア」をなくすことも重要です。

4.心のバリアフリーって?

困っている人に気づくこと、声をかけることから始まります

意識上のバリアをなくすために大切なのが、一人ひとりの「心のバリアフリー」です。心のバリアフリーとは、バリアを感じている人の身になって考え、行動を起こすことです。

まず、自分の周りには、どのようなバリアを感じている人がいるか、どのようなバリアフリーの工夫があるかに目を向けてみましょう。様々なバリアフリーの工夫に気づいたら、障害のある人などがそれを利用しやすいように配慮しましょう。

例えば、次のような場面に出くわしたら、あなたならどうしますか?       

お店の前の段差で車いすの人が困っていた

マタニティ―マークの人が目の前に立った

優先席前に杖をもった高齢者が立っていた 

エレベーターに並んでいたら後ろにベビーカー利用者が待っていた

「○○しましょうか?」
バリアがあって困っている人に気づいたときには、「私が○○しましょうか?」などと声をかけてみましょう。
わからなければ、何ができるか「聞く」
困っていそうだけれど、何に困っているのかわからない、またどんなことをすべきかわからないという場合もあります。そのような場合には、「何かお困りでしょうか?」「私ができることはありますか?」などと「聞いて」みましょう。

手伝おうと思っても断られることもあるかもしれませんが、がっかりすることはありません。自分でやりたい人や自分でできる人もいますので、相手の気持ちを尊重しましょう。

 一人ひとりが心のバリアフリーを実践することで、バリアのない社会を広げていきましょう。

コラム

ご存じですか? バリアフリーに関するサインやシンボルマーク

配慮が必要な方を支援するために、バリアフリーに関する様々なサインやシンボルマークがいろいろな場所で使われています。それぞれのサインやシンボルマークの意味を理解して、心のバリアフリーを広げましょう。

・障害者のための国際シンボルマーク
車いす使用者に限らず、障害のあるすべての人が利用できる建物や施設を示す世界共通マークです。
・視覚障害者のための国際シンボルマーク
視覚に障害のある人のための世界共通マークです。視覚に障害のある人が利用する機器などに表示されています。
・ベビーカーマーク
ベビーカーを利用しやすい環境づくりに向けて作成されたマークです。安全な使用方法を守ったうえでベビーカーを折りたたまずに利用できるなど、ベビーカーを安心して利用できる場所・設備を表していいます。
・ほじょ犬マーク
身体障害者補助犬同伴の啓発のためのマークです。公共施設や交通機関、スーパーやレストランなどの民間施設では、身体障害者補助犬を同伴するのを受け入れる義務があります。
・オストメイト用設備/オストメイトを示すマーク
オストメイト(人工こうもん、人工ぼうこうをつけた人)を示すマークです。オストメイト対応トイレなどに使用されています
・耳マーク、手話マークなど
聴覚に障害のある人のための国内で使用されているマークです。受付カウンターなどに掲示してあります。ほかにもコミュニケーションマークとして「手話マーク」などがあります。
・ハート・プラスマーク
身体の内部に疾患のある人のためのマークです。外見からわかりにくいため、誤解をうけることがあります。そのような人の存在を視覚的に示し、理解と協力を広げるために作られたマークです
・ヘルプマーク
外見からわからなくても、周囲の人に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるように東京都福祉保健局が作成したマークです。
・自動車の運転者が表示する標識
障害のある人や、70歳以上の高齢者が車を運転するときに車に表示するマークです。

(資料:国土交通省「こころと社会のバリアフリーハンドブック」)

<取材協力:国土交通省 文責:政府広報オンライン>

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