衣替えの季節です。あなたは正しく洗濯していますか?

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洗濯やアイロンがけ、クリーニングなど衣類のお手入れをするときに、衣類に付いている洗濯表示(取扱表示)を確認していますか。洗濯表示は、衣類を適切にお手入れするための大切な情報です。洗濯表示は平成28年(2016年)12月に新しくなりましたが、きちんと表示を確認していますか。洗濯表示を理解し、衣類を正しく取扱い、きれいに保ち、長く着用していきましょう。

動画

記号をよく見て 洗濯上手に!新しい「洗濯表示の記号」【字幕付】
(11分18秒)

近年、衣類などの生産や流通は海外との取引が増え、輸入されている衣類などには日本の洗濯表示と海外の洗濯表示の両方が付いている場合があります。しかし、消費者の利便性を高めるため、国内の洗濯表示の記号が22種類から国際規格の41種類に変わり、国内外で同じ表示になります。平成28年12月からは、新しい洗濯表示の記号が付けられた衣類等の販売が開始されます。今回は、新しい洗濯記号を理解するため、「洗濯処理」、「漂白処理」、「乾燥の仕方」、「アイロン仕上げ」、「ウエットクリーニング」など洗濯する際の衣類の取扱方法について、専門家にお聞きしました。【字幕付】

1新たな洗濯表示はどう変わったの?グローバル社会に合わせて、世界標準の洗濯表示に変わりました

皆さんは衣類をどのように洗濯・クリーニングしていますか。衣類には様々な繊維素材が使われており、その素材に適した取り扱いをしないと、縮む、または色落ちするなど衣類が台無しになってしまうこともあります。衣類に付いている洗濯表示は、大切な衣類を適切に取り扱うための洗濯や乾燥の方法、アイロンのかけ方、クリーニングの方法などを、記号によって分かりやすく示したものです。

この洗濯表示は、従来は各国ごとに異なる図記号が使われてきました。しかし、グローバル化が進み、様々な国々で生産された衣類が世界中で販売されるようになっており、国ごとに記号が異なっていると、消費者には分かりにくいものになってしまいます。こうした中で、繊維製品の取り扱いに関する国際規格(ISO 3758)が1991年に定められ、世界各国で国際規格への統一化が進められてきました。

日本では、従来、日本工業規格(JIS L 0217)という日本独自の規格で定められた洗濯表示でしたが、平成28年(2016年)12月から、国際規格に合わせた新しい洗濯表示(JIS L 0001)に変わりました。

新しい洗濯表示では、記号の形が大きく変わり、記号の種類も22種類から41種類になりました。

これまでの表示を見慣れた人にとっては、戸惑いが少しあるかもしれません。しかし、基本となる記号と表示のルールを覚えれば難しいことはありません。

具体的にどのような表示になったのか、次の章で見てみましょう。

2新しい洗濯表示の見方とポイントは?5つの基本記号と、付加記号・数字で表します

新しい洗濯表示は、「家庭での洗濯の仕方」「漂白の仕方」「乾燥の仕方」「アイロンのかけ方」「クリーニングの種類」の5つの基本記号と、「強さ」や「温度」、「禁止」などを表す付加記号や数字によって表示されます。基本記号と付加記号・数字が組み合わさった表示を読み取ることで、その衣類の適切な洗濯の方法が判断できるようになっています。

記号の見方とポイント

基本記号と、付加記号・数字の組み合わせで構成

5つの基本記号
家庭洗濯 漂白 乾燥 アイロン仕上げ 商業クリーニング
 
付加記号:洗濯作用(機械力)の強さ
線なし
通常の強さ 弱い 非常に弱い
付加記号:アイロンや乾燥の温度
低 → 高
数字
家庭洗濯での洗濯液の上限温度を表わす
禁止
基本記号との組み合わせで禁止を表わす

記号の種類が22種類から41種類に増えてより細やかな表示に

新洗濯表示記号(41種類)

新しく追加された記号には、「酸素系漂白剤」「タンブル乾燥」「ウエットクリーニング」などがあります。なお、「絞り方」の記号はなくなりました。

表示は取り扱い方(家庭洗濯、漂白、乾燥、アイロン等)の上限を表す

記号が示す強さか、それ以下の強さ(高さ)で取り扱いましょう。表示よりも強い作用や高い温度での洗濯やアイロンかけは、衣類にダメージを与える可能性があります。

記号は次の並び順で表示されます

家庭洗濯 漂白 タンブル乾燥 自然乾燥 アイロン ドライクリーニング ウエットクリーニング

記号だけで伝えられない情報は付記用語を記載

国際規格の記号を使うことになり、記号内の日本語の表記がなくなりました。代わりに、これらの情報は表示記号の近くに付記用語で記載されることになります。

新しい記号と意味

(1)家庭洗濯の記号(抜粋)
液温は40℃を限度とし、洗濯機で洗濯ができる
液温は40℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯ができる
液温は40℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯ができる
液温は40℃を限度とし、手洗いができる
家庭での洗濯禁止

旧表示

(2)漂白の記号
塩素系及び酸素系の漂白剤を使用して漂白ができる
酸素系漂白剤の使用はできるが、塩素系漂白剤は禁止
塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止

旧表示

  • 漂白剤は、汚れ・しみの除去や白さの向上を目的として使用します。
  • 塩素系漂白剤は、次亜塩素酸ナトリウムが主成分で、酸素系漂白剤より漂白力が強く、染料まで脱色してしまうことがあり、色柄物には使用できません。また、使用できる素材も限られます。
  • 酸素系漂白剤は、過炭酸ナトリウムや過酸化水素が主成分であり、白物や色柄物にも使用でき幅広い素材への使用が可能です。
  • 漂白剤を使用するときは、漂白剤に記載されている用途や注意事項、使用条件などを守りましょう。
(3)タンブル乾燥の記号
タンブル乾燥ができる
(排気温度上限80℃)
低い温度でのタンブル乾燥ができる
(排気温度上限60℃)
タンブル乾燥禁止
タンブル乾燥独立型
洗濯・タンブル乾燥一体型
  • タンブル乾燥は、機械(回転ドラム)の中で、洗濯物を回転させながら、熱風によって洗濯物の水分を除去する処理です。
(4)自然乾燥の記号
つり干しがよい
日陰のつり干しがよい
ぬれつり干しがよい
日陰のぬれつり干しがよい

つり干し

日陰のつり干し

ぬれつり干し
脱水せず(絞らず)、ハンガーなどに干します

平干しがよい
日陰の平干しがよい
ぬれ平干しがよい
日陰のぬれ平干しがよい

旧表示

平干し

ぬれ平干し
脱水せず(絞らず)、平らな場所に広げて干します

(5)アイロン仕上げの記号
底面温度200℃を限度としてアイロン仕上げができる
底面温度150℃を限度としてアイロン仕上げができる
底面温度110℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる
アイロン仕上げ禁止

旧表示

(6)ドライクリーニングの記号
パークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングができる
パークロロエチレン及び石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる
石油系溶剤によるドライクリーニングができる
石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる
ドライクリーニング禁止

旧表示

  • ドライクリーニングは、水で洗うと型崩れしやすい衣類をパークロロエチレンや石油系溶剤などの有機溶剤を用いて洗います。
  • 油性(人体の分泌皮脂、排気ガスなど)の汚れをよく落とすことができます。
(7)ウエットクリーニングの記号
ウエットクリーニングができる
弱い操作によるウエットクリーニングができる
非常に弱い操作によるウエットクリーニングができる
ウエットクリーニング禁止
  • ウエットクリーニングは、クリーニング店がデリケートな衣類を特殊は技術を使って水洗いをし、専用の仕上げ設備やアイロンなどを使用して仕上げまで行う水洗い処理です。
  • 家庭での水洗いが難しいもの、夏物など汗(水溶性)の汚れがついたものに向いています。

※この章のイラストはすべて「消費者庁イラスト集」より。

3洗濯表示の活用法は?衣類を購入するときや、洗濯をするときに確認しましょう

衣類の中には取り扱いが難しいものもあります。衣類を購入するときは、デザインや用途だけでなく、洗濯表示を見て、家庭で洗濯できるか、クリーニング店に出さなければならないのかなども確かめましょう。
また、衣類を洗うときには、洗濯表示に従って取り扱いましょう。なお、従来の洗濯表示は「このような洗い方をしてください」という指示表示でしたが、新しい洗濯表示は衣類にダメージを与えない上限を示した「上限表示」です。つまり、表示に示されたよりも強い作用や高い温度で洗濯などを行ってはいけません。記号で示された作用や温度で行うか、それよりも穏やかな条件で行うことが必要ですが、その範囲内のどの条件で行うかは自分で決める必要があります。記号のそばにある参考情報(付記用語)にも取扱い上の注意が書かれていますので、併せて確認しましょう。

記号の判断に迷ったときに役立つポイントをまとめました。

Q1は、洗濯機のどのコースで洗えばいいの?
家庭用洗濯機の種類やメーカーによっても異なりますが、桶の下の線の数が多いほど弱く洗うということを表しています。線がない場合は、基本的にどのコースでも洗濯をすることができます。桶の下に線が1本ある場合は通常より弱く洗うことを表していますので、「しっかり洗う」「高洗浄」などは避けましょう。桶の下に線が2本ある場合はさらに弱く洗うことを表していますので、「弱」「ソフト」などのコースで洗いましょう。
Q2手洗いの表示がある衣類を、洗濯機の手洗いコースで洗ってもいい?
これは「手洗い」ができるという記号ですが、それは手を使って「押し洗い」や「ふり洗い」などの方法で、優しく洗うことを表しています。洗濯機で洗うことは想定されていません。

(参考)

押し洗い:ニットや厚みのある衣類に洗濯液を入れた桶の中で、洗濯物を畳み、上から手のひらで優しく押す、軽く持ち上げる、また押すを繰り返して洗います。

ふり洗い:薄手のブラウス、シルクのスカーフなどに洗濯液を入れた桶の中で、洗濯物は畳まずに軽く振る、または広げたり、すぼめたりして、優しく洗います。

Q3この記号のある衣類を、洗濯機のドライコースで洗ってもよい?
これは、左から「家庭洗濯禁止」「ドライクリーニング可能」「ウエットクリーニング可能」という記号です。クリーニング店にドライクリーニングかウエットクリーニングを依頼しましょう。家庭用洗濯機のドライコースは、水を使用して洗う洗濯方法で、水を使わずに洗うドライクリーニングとは異なります。「家庭洗濯禁止」の記号が付いている場合は、家庭では洗えませんので注意してください。
Q4「ぬれ干し」の記号がある衣類は絞ってはだめ? 水が垂れるので、干す場所がありません。
「ぬれ干し」とは、洗濯機による脱水や手でねじり絞りをしないで干すという意味です。水が垂れるのが気になる場合は、水分を軽く取る程度に「タオルドライ」などを行ってください。

(参考)

タオルドライ
洗濯物をバスタオルなどに挟み、上から軽く押して水分を取ります。

Q5旧表示にあった中性洗剤や洗濯ネットの使用、アイロンのあて布などの表示は、新表示にはないのでしょうか
中性、ネット使用、あて布を表す゛゛記号に文字などを付記することはできなくなりました。これらは必要に応じ付記用語として表記されることもあります。

 

(取材協力:消費者庁 文責:政府広報オンライン)

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