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令和元年(2019年)12月12日

「移動」の概念が変わる?
新たな移動サービス「MaaS(マース)」

都市部での日常的な渋滞、駐車場不足、路上駐車や排気ガスなどの環境問題、過疎地でのマイカーを持たない人の移動手段の確保、高齢者ドライバーによる事故などの交通・移動をめぐる様々な問題。これらを解決するために、スマートフォンひとつで自由に移動できる新たなサービス「MaaS(マース)」が注目されています。

1.MaaS(マース)って何?

情報通信技術(ICT)の発達を背景に生まれた次世代の移動サービス

「MaaS(Mobility as a Service)」とは、地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスです。
従来の交通サービスの利用方法では、利用者が出発地から目的地までの道順を検索し、鉄道、バス、タクシー、カーシェア、シェアサイクルなど様々な交通サービスから、どれを使うのかを選び、それぞれの交通機関ごとに個別に予約をしたり、料金を支払ったりします。
一方、MaaSによるサービスでは、スマートフォンのアプリを立ち上げれば、出発地から目的地までの交通手段の検索から予約・支払いまでができ、さらには、観光案内、飲食店やホテルの予約・支払い、または病院や行政サービスなどの予約・支払いも一括して行うことが可能となります。

MaaSは、私たちの暮らしを大きく変える可能性があります。MaaSが生まれたフィンランド・ヘルシンキでは、アプリユーザーのマイカーの使用率が減り、公共交通機関の利用が伸びました。
日本でも、「大都市近郊型・地方都市型」、「地方郊外・過疎地型」、「観光地型」の地域の交通課題の異なる3つのモデルタイプに分け、日本版MaaSの実現に向けた、実証実験が令和元年度から全国各地で始まっています。

2.MaaSが解決する課題とは?

地方都市での交通手段の維持や都市部での渋滞解消

MaaSが普及すると、交通手段の選択肢が拡大し、マイカーを持たなくても気軽に便利に移動できる環境が整備されます。加えて、地方部や都市部では、次のような課題の解決も期待されます。

■地方における交通手段の維持・確保
高齢者の運転免許の返納も増える中、人口減少の本格化、運転者不足の深刻化などに伴って、移動手段が不足する地域が今後ますます増えていくことが懸念されています。
AIデマンド交通(※)など地域の輸送サービス・移動手段の維持・確保を図りながら、MaaSを活用することで、地方でも、自ら運転することなくドア・ツー・ドアで便利に移動する環境が整備されると考えられます。

※AIデマンド交通とは
AIを活用することで利用者予約に対し、リアルタイムに最適配車を行うサービス。定まった路線を持たず、配車予約と車両位置からAIがリアルタイムに最適な運行ルートを決定するため、乗合をしつつ、概ね希望時間通りの移動が可能となる。個々の移動ニーズに対応しつつ、低コストで一定数の人が同時に移動可能。

■都市部での渋滞の解消
ヘルシンキで普及しているMaaS「Whim(ウィム)」は、定額で公共交通機関が乗り放題になるサービス。このような移動サービスによって、利用者が最も望む交通手段が手軽に使えると、マイカーの利用者が減り、交通渋滞の緩和、駐車場不足や路上駐車、排気ガスによる環境問題などが解消されると期待されています。

3.日本でMaaSは進んでいるの?

それぞれの地域が抱える課題を解決するための実証実験が始まっています

日本では、都市と地方、観光地など、地域によって交通が抱える課題は異なるため、「大都市近郊型・地方都市型」、「地方郊外・過疎地型」、「観光地型」の3つのモデルタイプに分けて、MaaSの実証実験が進められています。先行的な取組として実証実験に選定されたモデル事業を紹介します。

(1)大都市近郊型・地方都市型モデル
~地域に応じた移動手段を提供し、シームレスにつなぐアプリを提供(群馬県前橋市)

前橋市では、自動車の使われている割合(自動車分担率)が75%と極めて高く、自動車に依存している典型的な地方都市の一つで、高齢者が運転免許証を保有している割合や高齢運転者が加害者となる事故の割合が年々増えています。一方で、路線バスの運行本数が少なく、乗り継ぎにも課題がある等、公共交通機関の交通ネットワークが十分ではないため、移動の利便性が低い状況にあります。
この課題を解決するため、例えば、市内郊外部においては、地域交通網の最適な運用として、AIを活用したデマンドバスの配車効率化を行い、中心市街地においては、人手不足の中でも都心幹線の高頻度運行を実現するため、自動運転バスの実証実験を行っています。こういった取組に加え、効率的な乗り継ぎを実現するために、鉄道、路線バス、デマンドバス、タクシーなど地域内の様々な交通手段を一括で経路検索・予約ができるMaaSアプリの導入をします。
さらに、大型ショッピングモールや中心市街地の商業施設でのクーポン等の提供も検討されており、移動の利便性向上に加え地域経済の活性化が期待されます。

(2)地方郊外・過疎地型モデル
~定額タクシーを導入し、日常の移動手段を確保(島根県大田市)

少子高齢化で過疎化が進行している大田市は、公共交通機関が縮小・衰退しています。路線バスが走っていない地域が市の全域に点在しており、高齢者などの移動手段が不足しているだけでなく、市内の鉄道や路線バスは運行本数が少なく、病院やショッピングモールに行こうと思っても行先や時刻が合わないなど、利用者の移動ニーズが現行の交通サービスと合っていません。
そこで、日常生活における移動の確保策として、定額タクシーの実証実験が始まっています。MaaSアプリを利用することで、平日の日中(8:30~16:30)であれば、月額3,300円で乗り放題となる定額タクシーの予約や支払いができるようになります。また、AIを活用した効率が良い配車・運行経路最適化や、物流とも連携し、人の移動と同時に農産物の集出荷などを行うことにより、採算性の向上が期待されます。

(3)観光地型モデル
~観光地をスムーズに周遊できる環境を整備(静岡県伊豆地域)

伊豆エリアでは、路線バスやタクシー運転手の高齢化と人手不足により、路線バスの本数やタクシーの台数が少なく、拠点となる鉄道の駅から観光地までの移動に課題があります。そのため伊豆来訪者の8割がマイカーを選択する結果になり、幹線道路の渋滞が起きています。
この課題を解決するため、伊豆版MaaS『Izuko』が開発されました。Izukoを使えば、東伊豆と中伊豆における鉄道とバスが一定区間で乗り放題となるデジタルフリーパスを購入できるほか、下田海中水族館や遊覧船などの観光施設の割引チケットや、レンタカー・レンタルサイクルの予約や支払いなどをスマートフォン上で一括して行うことができます。伊豆地域を訪れる観光客が、公共交通により目的地までスムーズに移動し、観光地を周遊できる環境の整備が進められており、地域経済の活性化につながることが期待されています。

このほかにも、日本全国各地でMaaSの実証実験が行われています。詳しくは下記のウェブサイトをご覧ください。
国土交通省「新モビリティサービス推進事業選定結果」

<取材協力:国土交通省 文責:政府広報オンライン>

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