漫画、小説、写真、論文…海賊版と知りながら行うダウンロードは違法です!令和3年1月から著作権法が変わりました。

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近年、月額固定のサブスクリプションサービスの普及により、映画や音楽、漫画や書籍など様々なコンテンツがスマホやタブレットで楽しめるようになりました。一方で、権利者の許可なく違法にアップロードされたコンテンツ(侵害コンテンツ)が掲載された海賊版サイトも横行しています。こうした海賊版サイトによる被害の拡大を防止し、クリエイターの保護、コンテンツ産業の振興、文化の発展を図るため、著作権法が改正されました。これにより、令和3年1月1日から、インターネット上に違法にアップロードされたものだと知りながら侵害コンテンツのダウンロードを行う行為が幅広く違法となりました。刑事罰の対象となる場合もあります。

動画

マンガもゲームも小説も 「著作物のダウンロード」に新ルール【字幕付】
(2分30秒)

令和3年1月1日、著作権法が変わります。
「海賊版」だと思ったらダウンロードしないで!【字幕付】
ナレーション:貫地谷しほり

1なぜ著作権法が改正されたの?

スマートフォンやタブレット端末で、音楽や映像、漫画、ゲーム、書籍・雑誌など様々なコンテンツを気軽に楽しめるようになりましたが、著作権者の許可なく違法にインターネット上に、そのようなコンテンツを公開し、多額の広告収入等を得る海賊版サイトの被害が極めて深刻となっています。

数年前に出現した巨大海賊版サイト「漫画村」により、約3,000億円の出版物がタダ読みされ、漫画家や出版社の収入や売上が大きく減少したとの試算や、日本最大級のリーチサイト「はるか夢の址」における被害は約731億円にのぼるとの試算もあります。
これらのサイト運営者は著作権法違反の疑いで逮捕され、サイトは閉鎖されましたが、依然として膨大な数の海賊版サイトが存在し、多くの利用者がいます。また、漫画だけでなく、雑誌、写真集・文芸書・専門書、ビジネスソフト、ゲーム、学術論文、新聞など、著作物の分野や種類を問わず被害があります。
このような状態が続くと、コンテンツを制作するクリエイターや制作会社に正当な利益が還元されなくなり、新たなコンテンツの創作も困難となります。クリエイター保護、コンテンツ産業の振興、文化の発展を図るためには、侵害コンテンツの利用を防止することが不可欠です。

2どんな行為が違法となり規制の対象になったの?

インターネット上に違法にアップロードされたものだと知りながら侵害コンテンツのダウンロードを行う行為が、幅広く違法となりました。これまで違法ダウンロードの規制対象は音楽と映像のみでしたが、今回の改正により、規制対象が、漫画、雑誌、小説、写真、論文、コンピュータープログラムなど全ての著作物に拡大されました。
また、正規版が有料で提供されている著作物に係る侵害コンテンツを反復・継続してダウンロードした場合には、刑事罰(2年以下の懲役又は200万円以下の罰金(又はその両方))の対象にもなりました。
ただし、今回の規制によって国民の正当な情報収集等を萎縮させないよう、侵害コンテンツをダウンロードした場合であっても、以下の事由に該当する場合は、違法化の対象から除外されます。

(1)スクリーンショットを行う際の違法画像等の写り込み
(2)数十頁で構成される漫画の1コマ〜数コマなど「軽微なもの」
(3)二次創作・パロディ
(4)著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合

なお、権利者の許可なく著作物をインターネット上にアップロードする行為は、引用などの権利制限規定に該当するなどの場合を除き、既に違法とされており、刑事罰(10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金(又はその両方))の対象にもなっています。

(1)スクリーンショットを行う場合は?

インターネット上に違法にアップロードされたものだと知りながら侵害コンテンツを保存する行為が幅広く規制の対象となりましたので、データ・画像をそのままダウンロード(保存)する行為だけでなく、侵害コンテンツをスクリーンショットで画面保存をする行為も規制対象となる可能性があります。

※写り込みに係る権利制限規定(著作権法第30条の2)

(2)「軽微なもの」とは?

 

  • ダウンロードした分量が少ない場合
    数十ページの漫画の1コマ~数コマ、長文で構成される論文や新聞記事などの1行~数行や数百ページで構成される小説の1ページ~数ページなど、分量が少ない「軽微なもの」のダウンロードは、違法とはなりません。漫画や論文の半分程度の分量になると、明らかに「軽微なもの」とは認められません。
  • 画質が粗い場合
    また、画質が低く、それ自体では鑑賞に堪えないような粗い画像も「軽微なもの」となり、そのダウンロードは違法とはなりません。

(3)二次創作やパロディのダウンロードの場合は?

原作を元にファンなどが新たに創作を行う「二次創作・パロディ」については、原作者の許諾なく二次創作者が違法にアップロードしたものであると知りながらダウンロードした場合であっても、違法とはなりません。
なお、二次創作者の創作した作品を、さらに第三者が違法にアップロードしている場合に、そのダウンロードを行う行為は、二次創作者の著作権を直接侵害するものであることから、違法となります。

(4)「著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合」とは?

国民の皆さんの正当な情報収集等への萎縮を防止するため、様々な要素に照らして、違法とならない場合を柔軟に判断できる安全弁として、「著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合」という除外規定を設けることとしました。この要件に該当するか否かは、(ア)著作物の種類・経済的価値などを踏まえた保護の必要性の程度、(イ)ダウンロードの目的・必要性なども含めた態様、という2つの要素によって判断されます。

(例)詐欺集団の作った詐欺マニュアル(著作物)が、被害者救済団体によって告発サイトに違法にアップロードされていたところ、それを自分や家族を守る目的でダウンロードする場合

(ア)著作物の種類・経済的価値などを踏まえた保護の必要性の程度は…
   詐欺集団の作った詐欺マニュアル → 保護の必要性が低い
(イ)ダウンロードの目的・必要性は…
   詐欺被害から自分や家族を守る目的 → 正当な目的
                  ↓
            著作権者の利益を不当に害しない

コラム1

正規の配信サイト経由で閲覧を

海賊版サイトが利用されると、コンテンツを創作するクリエイターや会社に正当な利益が還元されなくなり、新たなコンテンツの創作も困難となります。クリエイター保護、コンテンツ産業の振興、文化の発展を図るためには、侵害コンテンツは決して利用せず、正規の配信サイトを経由してコンテンツを利用することが重要です。
正規の配信サイトには、基本的に次のマークが掲載されていますので、これを目印にして利用してください。無料で漫画などを閲覧できる正規配信サイトやアプリも多く存在しています。

※海賊版サイトは、著作権侵害の問題ほか、閲覧することに伴って利用者側に被害が発生する可能性もあります。例えば、「ウィルスに感染しています」というポップアップが表示され、それをクリックした結果、アプリがダウンロードされ、ウィルスに感染したり、ウィルスの駆除代金を請求されたりするなどの手口が確認されています。

  • ABJ(エービージェイ)マーク(漫画・雑誌・書籍分野)

著作権者から正規に使用許諾を得たコンテンツを配信する電子書店・電子書籍配信サービスです。
詳しくは出版広報センター「深刻な海賊版の被害」ホームぺージ

  • エルマーク(音楽・映像分野)

正規の音楽・映像配信サイトで表示されているマークです。
詳しくは一般社団法人 日本レコード協会ホームぺージ

(取材協力 文化庁  文責 政府広報オンライン)

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