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AV出演被害防止・救済法が施行
AV出演を契約しても無条件でその出演契約をなかったことにできます!

令和4年(2022年)7月29日

男性からモデルにならないかと誘われている若い女性

「モデルになりませんか」「高収入のアルバイトあります」などと誘われて契約したら、アダルトビデオへの出演を要求された…。こうしたAV出演被害にあう事例が生じています。そこで、AV出演による被害防止と被害者の救済を目的として、令和4年(2022年)6月、「AV出演被害防止・救済法」が成立しました。この法律によって、性行為映像制作物(AV)の出演を契約してしまった後でも無条件で契約をなかったことにしたり、撮影された映像の公表を止めたりすることができるにようになりました。そのポイントを紹介します。

1どんな被害が起きているの?

「モデルになりませんか?」「アイドルとしてデビューできる!」と街中でスカウトされ、契約書にサインして、撮影現場へ行ってみたら、その仕事がAVの撮影だった。怖くなって出演を断ろうとしても「契約書があるから出演は拒否できない」「出演を拒否したら多額の違約金がかかる」「今さら断ると多くの人に迷惑がかかる」などと脅され、仕方なく撮影に応じてしまった…。
AV出演被害の問題は、本人の意思に沿わない映像を撮影されてしまったり、その映像の配信や販売が続けられたりしてしまうことによって、被害者の心身や私生活に長期間にわたって取り返しのつかない悪影響を与えることにあります。
こうした問題の背景には、街中で勧誘を受けたり、性的な行為等の撮影を要求されたりすることが、若い女性にとって身近なことになっている実態があります。内閣府男女共同参画局が15歳(中学生を除く。)から39歳までの女性を対象として行ったインターネット調査(令和2年(2020年))によると、「モデルやアイドルにならないか」などの勧誘を受けた経験がある人は4人に1人、さらに、勧誘を受けた・応募した人のうち、撮影の現場で事前に聞いていない・同意していない性的な行為等の写真や動画の撮影を要求された経験がある人は7人に1人となっています。

モデル・アイドル等の勧誘を受けた経験(n=20,000)
モデル・アイドル等の勧誘を受けた経験:「ある」が24.6%

聞いていない・同意していない性的な行為等の撮影要求(n=2,575)
聞いていない・同意していない性的な行為等の撮影を要求された経験:「ある」が13.4%

出典:内閣府男女共同参画局「令和元年度若年層を対象とした性暴力被害等の実態把握のためのインターネット調査」

AV出演に関する被害の事例には、次のようなものがあると言われています。

  • 駅前で待ち合わせていたときに、話しかけてきた人が親切そうだったのでSNSのアカウントを交換した。一人で寂しいときなど、SNSで相談にのってもらうようになった。「お金がない」と送ったら「いいバイトがあるよ」と返事があり、行ってみたら、AVの撮影だった。
  • アイドルになりたくて、タレント事務所に応募したら、すぐにオーディションに来るように言われた。「仕事が決まったよ」と言われたが、その仕事はAVの撮影だった。
  • 学費や生活費のために働いていたが、コロナの影響を受け収入が減ってしまい、素人もののAVに出演することにした。ただ、個人で販売等している人で契約書は交わしていない。
  • AV出演することになったが、怖くなったので、断ろうとすると、「もうオーディションが決まってしまった。行くだけ行って断ればいいよ」と言われて、オーディションを受けたら、「まさか、今から断らないよね?」と言われて、出演を断れなかった。
  • 交際相手に「私的な動画記録だから」と言われて撮影した動画が、AVとして販売されていた。

撮影者側からの要求に対し、首を横に振っている女性

2AV出演被害防止・救済法のポイントは?

先の事例のように、AV出演に関する被害が深刻な問題になっています。そこで、AV出演契約をめぐる被害を防止し、被害者を救済するため、令和4年(2022年)6月15日に「AV出演被害防止・救済法(※)」が成立しました。この法律で、出演者の性別や年齢を問わずAV出演の契約を無力化するルールが定められました。主なポイントは次のとおりです。

※正式名称:性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律

AV出演被害防止・救済法の主なポイント

(1)基本原則

  • この法律は、出演者の性別・年齢を問わずAV出演契約を無力化するルールを定めるものです。
  • AV撮影における性行為等の強要は禁止です。
  • 公序良俗等に反する行為や違法な行為を容認するものでも合法化するものでもありません。

(2)契約の締結に関する特則

  • 契約を結ぶ際、映像制作者は、一つのAVごとに出演者に対して出演契約書を作成・交付し、契約内容について、詳しく説明する義務があります。

(3)契約履行に関する特則

  • 映像制作者は、出演予定者に契約書等を交付してから1か月は撮影ができません。
  • 撮影時には出演者の安全に配慮することが義務づけられます。
  • 出演者は、意思に反した撮影や嫌な行為は断ることができます。
  • 全ての撮影が終了しても4か月間は映像の公表は禁止されており、出演者は撮影された映像を公表前に確認できます。

(4)無効・取消・解除に関する特則

  • AVを特定しないで出演義務を課す契約や出演者に不利な損害賠償を定める条項などは無効となります。
  • 書面の交付義務や説明義務に違反があったときは、出演者はAV出演契約を取り消せます。
  • 撮影に同意していても、公表から1年(令和6年(2024年)6月22日までの間に締結された契約は「2年」)が経つまでは、性別・年齢を問わず、出演者の意思によって無条件で契約を解除できます。
  • 契約の解除により、出演者は金銭などの損害賠償の負担を負いません。
  • 契約の解除を妨げるために、嘘をついたり、脅したりする行為は禁止されます。違反した場合は、罰則もあります。

(5)差止請求権など被害拡散防止の仕組み

  • 出演者は、契約の期間等を超えて映像が公表されている場合や、契約の取消や解除をした場合は、販売や配信の停止などを請求できます。
  • 映像を制作する者だけではなく、ウェブサイトにアップロードしている者にも請求可能です。
  • 契約されていないAVについても、当然可能です。

(6)プロバイダ責任の特例

  • 出演者がウェブサイトのプロバイダにAVの配信停止を申し出た場合、プロバイダから情報発信者に対する削除同意照会の期間が、通常の「7日間」から「2日間」に短縮されるなど、削除を迅速化するための仕組みが規定されました。

(7)映像を制作する者への罰則

  • 企業であるか個人であるかにかかわらず、出演者と出演契約を結ぶ者が対象です。
  • 任意解除の妨害のための不実告知または威迫・困惑行為は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されます。また、法人に対しては1億円以下の罰金が科されます。
  • 契約書等交付義務違反・説明義務違反は、6か月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。法人に対しても同額の罰金が科されます。

契約の「無効」「取消し」「解除」とは?

  • 「無効」とは?
    そもそも契約が成立していないこと
  • 「取消し」・「解除」とは?
    契約をなかったことにできること

3被害に遭わないためには?もし巻き込まれた時の相談先は?

AV出演の被害やトラブルに遭わないようにするために、少しでも怪しいと思った勧誘やアルバイト、SNSでの募集は、たとえ友人からの紹介であっても断りましょう。
スカウトなどと称して近づいてきた人や親切なふりをして近づいてくる人に、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、SNSのアカウントなどの個人情報を教えたり、学生証や運転免許証などの身分証明書を渡したり絶対にしないでください。連絡先を聞かれたらひとまず名刺をもらい、契約書などの書面を示されたらその場でサインせず、いったん持ち帰りましょう。

「多くのアダルトビデオやアダルト雑誌が発売されているので、バレることはない」などと説得されても信じないでください。顔がはっきりとわかる形で宣伝・販売され、知人などにも知られてしまい、悩む人も多いと言われています。動画や写真が一度インターネット上に出回ってしまうと、広く拡散され、全てを削除することはほぼ不可能です。たった一度だけ撮影した動画であっても、本人の了承もなく、10年以上もインターネット上に出回る場合もあります。

AV出演被害で困ったときは、「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」(#8891)に相談してください。AV出演契約の取消・解除や差止請求の仕方などについても支援が受けられます。既にAVの撮影をしてしまったり、作品が配信・販売されたりしている場合でも、あきらめずに相談してください。プライバシーに配慮し、秘密は厳守されます。

性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

全国共通番号 #8891(はやくワンストップ)

※お住まいの地域のワンストップ支援センターにつながります。
※受付時間は地域によって異なります。

ワンストップ支援センター「#8891」のバナー画像

(取材 内閣府  文責 政府広報オンライン)

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