企業内の人材育成を応援! 人材開発支援助成金「人への投資促進コース」

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従業員のスキルアップを図りたいとお考えの事業主の皆さん、従業員に訓練を実施する事業主を支援する「人材開発支援助成金」をご存じですか。この支援制度の中に、令和4年4月から「人への投資促進コース」が設けられました。どのような訓練で活用できるのか、助成額や助成率はどれくらいかといった内容や申請手続について紹介します。

動画

企業内の人材育成を応援 人材開発支援助成金 「人への投資促進コース」【字幕付】
(2分59秒)

「デジタル人材を育成したい」「スキルアップに取り組む従業員を支援したい」 そういった事業主の助けになるのが、訓練の経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成する、人材開発支援助成金「人への投資促進コース」です。従業員の人材育成を検討されている事業主のかたへ、コースの概要をご紹介します。【字幕付】
ナレーション:貫地谷しほり

1「人への投資促進コース」にはどんなものがあるの?

人材開発支援助成金は、従業員の職務に関連した専門的な知識と技能の習得を目的として、計画に沿って訓練を実施した場合に、訓練中の賃金と経費の一部を事業主に助成する制度です。
令和4年4月に創設された「人への投資促進コース」には、「サブスクリプションサービスを利用して効率的に訓練を受けさせたい」「IT分野で即戦力となる人材を育成したい」など訓練内容や目的に応じて5つの訓練メニューがあります。訓練によっては、最大75%の経費助成が受けられます。訓練メニューに応じた助成額・率、助成を受けるための要件は次のとおりです。

訓練内容や目的に応じた5つの訓練

(1)定額制訓練(サブスクリプション)

多様な訓練の選択・実施ができる「定額制訓練」(サブスクリプション型の研修サービス)

(2)高度デジタル人材訓練/成長分野等人材訓練

高度デジタル人材の育成のための訓練や、海外を含む大学院での訓練

(3)情報技術分野認定実習併用職業訓練

IT分野未経験者を即戦力化するためOFF-JTとOJTを組み合わせた訓練

(4)自発的職業能力開発訓練

労働者が自発的に受講した訓練費用を負担する事業主への助成

(5)長期教育訓練休暇等制度

働きながら訓練を受講するための休暇制度や短時間勤務等制度を導入する事業主への助成

訓練メニューに応じた助成額・率一覧

訓練メニュー 対象者 対象訓練 経費助成率 賃金助成率 OJT実施助成額
高度
デジタル
人材訓練
正規
非正規
高度デジタル訓練
(ITスキル水準(ITSS) レベル3、4以上)
中小企業:75%
大企業:60%
中小企業:960円
大企業:480円
成長分野等
人材訓練
正規
非正規
海外を含む大学院での訓練 中小企業:75%
大企業:75%
中小企業:
国内大学院 960円
大企業:
国内大学院 960円
情報技術分野
認定実習
併用職業訓練
正規 OFF-JT+OJTの組み合わせの訓練(IT分野関連の訓練) 中小企業:60%
大企業:45%
中小企業:760円
大企業:380円
中小企業:20万円
大企業:11万円
定額制訓練 正規
非正規
定額制訓練(サブスクリプション型の研修サービス)による訓練 中小企業:60%
大企業:45%
自発的職業能力
開発訓練
正規
非正規
労働者の自発的な職業訓練費用を事業主が負担した訓練 中小企業:45%
大企業:45%
長期教育訓練
休暇等制度
正規
非正規
長期教育訓練休暇制度 (30日連続休暇取得) 中小企業:
制度導入経費 20万円
大企業:
制度導入経費 20万円
中小企業:
1日当たり 6000円
大企業:
1日当たり 6000円
長期教育訓練
休暇等制度
正規
非正規
所定労働時間の短縮および所定外労働時間の免除制度 中小企業:
制度導入経費 20万円
大企業:
制度導入経費 20万円

【注】 賃金助成額は、1人1時間当たりの額です。
OJT実施助成額は、1人1訓練当たりの額(定額)です。
1事業所1年度当たり2,500万円(成長分野等人材訓練は1,000万円、自発的職業能力開発訓練は300万円)が上限額です。その他、訓練時間に応じた1人当たりの経費助成限度額等もあります。
上記の表の内容は、令和4年(2022年)12月2日時点のものです。

詳しくは厚生労働省「人材開発支援助成金」の最新版パンフレットでご確認ください。

助成を受けるための要件(令和4年(2022年)12月時点)

助成を受けるための主な要件は以下のとおりです。さらに、助成の対象となる訓練ごとの要件もあります。

  • 雇用保険の適用事業所であり、対象従業員が雇用保険被保険者であること。
  • 事業内職業能力開発計画等を作成し、雇用保険被保険者に内容を周知していること。
  • 職業能力開発推進者を選任していること。
  • 訓練の期間中も、賃金を適正に支払っていること。
  • 対象者の訓練受講時間が、実訓練時間数(※)の8割以上であること。
  • 助成金の支給または不支給の決定に係る審査に必要な書類等を整備して5年間保存していること。
  • 審査に必要な書類の提出・提示などに対して協力すること。

※「実訓練時間数」とは、計画した総訓練時間数から支給対象外である時間(移動時間等)や対象外となる訓練内容の時間を除外した、本助成金の支給対象となる時間数です。

詳しくは厚生労働省「人材開発支援助成金」の最新版パンフレットでご確認ください。

次の章からは、それぞれの訓練ごとに、助成対象となる条件や助成額(助成率)、活用例などを詳しく紹介します。

2「定額制訓練」の対象や活用例は?

従業員が様々な訓練の中から受けたい訓練を選び実施できる定額制訓練(サブスクリプション型の研修サービス)を行う事業者に対しての助成です。

  • 対象者:正規・非正規
  • 経費助成率:中小企業60%、大企業45%

活用例:

中小企業において、営業力向上のための定額受け放題のeラーニング訓練を導入

メリット

イラスト:「定額制訓練」で複数の従業員がリモートでオンライン講座を受講している
  • 1つの訓練サービスを契約するだけで幅広い層に訓練を行える
  • 業務時間内であれば隙間時間などに学習してもらうことも可能

助成金

年間受講料:10人分で420,000円のサービスを契約し、訓練を受講した場合
 ↓
助成金の支給額: 252,000円(420,000円×60%)

3「高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練」の対象や活用例は?

DX推進や成長分野などでのイノベーションを推進する高度なスキルを持つ人材の育成のための訓練や海外を含む大学院での訓練を行う事業主に対しての助成です。

高度デジタル人材訓練

  • 対象者:雇用保険被保険者
  • 対象訓練:高度デジタル訓練(ITスキル標準(ITSS)レベル3、4以上)
  • 経費助成率:中小企業75%、大企業60%
  • 賃金助成額:中小企業960円、大企業480円

成長分野等人材訓練

  • 対象者:雇用保険被保険者
  • 対象訓練:海外も含む大学院での訓練
  • 経費助成率:75%
  • 賃金助成額:国内大学院960円

活用例:

中小企業において、高度なデジタル分野の人材育成のため、プロジェクトマネージャーの資格取得講座を実施

イラスト:パソコンを使って高度なITスキルを学ぶ講座を受講している会社員

効果

  • 非常に高度なスキル(ITスキル標準(ITSS)レベル3、4以上など)を持った人材の育成が可能
  • 高率助成(75%)により、費用負担を大幅に軽減

助成金

受講料:一人当たり280,000円(30時間の受講と資格試験料含む)の場合
 ↓
経費助成:210,000円
賃金助成: 28,800円

4「情報技術分野認定実習併用職業訓練」の対象や活用例は?

IT分野未経験者を即戦力化するための訓練(OFF-JTとOJTを組み合わせた訓練)を行う事業主に対しての助成です。

  • 対象者:有期契約労働者等を含めた雇用保険被保険者
  • 対象訓練:OFF-JT+OJTの組み合わせたIT分野関連訓練
  • 経費助成率:中小企業60%、大企業45%
  • 賃金助成額:中小企業760円、大企業380円
  • OJT実施助成額:中小企業200,000円、大企業110,000円

※ OFF-JT(OFF the Job Training)は、企業の事業活動と区別して行われる訓練。
OJT(On the Job Training)は、適格な指導者の指導の下、企業内の事業活動の中で行われる実務を通じた訓練。

活用例:

中小企業においてIT分野未経験の従業員にプログラミング講座の訓練を実施

イラスト:プログラミング講座を受講しているIT分野未経験の会社員

効果

  • 未経験の従業員が研修で実務経験を得ることで、即戦力として働ける一人前のSEに成長
  • 経験者採用以外の方法でDX推進人材を確保可能

助成金

受講料:1人当たり750,000円で800時間のOFF-JT、200時間のOJT(資格試験料含む)の場合
 ↓
経費助成: 450,000円
賃金助成: 608,000円
実施助成: 200,000円

5「自発的職業能力開発訓練」の対象や活用例は?

従業員が自発的に受講した訓練の費用のうち、2分の1以上を負担した事業主に対しての助成です。

  • 対象者:雇用保険被保険者
  • 対象訓練:労働者の自発的な職業訓練費用を事業主が負担した訓練
  • 経費助成率:45%

活用例:

従業員の自発的な資格取得を支援

イラスト:資格取得を目指して学んでいる会社員

効果

  • スキルアップや資格取得のために自発的に学ぶ従業員の受講費を会社が負担することで、従業員のモチベーションと生産性が向上

助成金

受講料:労働者が400,000円の訓練を受講し、事業主が受講料の2分の1の200,000円を負担した場合
 ↓
経費助成:90,000円

6「長期教育訓練休暇等制度」の対象や活用例は?

従業員が働きながら訓練を受講するために長期教育訓練休暇制度や短時間勤務等制度を導入し、適用する事業主に対しての助成です。長期教育訓練休暇制度については、一定の要件を満たした場合、導入済み企業も賃金助成の対象です。

  • 対象者:雇用保険被保険者
  • 対象制度1:長期教育訓練休暇制度 ※30日以上の連続休暇取得
  • 経費助成率:制度導入経費20万円
  • 賃金助成額:1人1日当たり6,000円※有給休暇の場合のみ。最大150日分。
  • 対象制度2:所定労働時間の短縮及び所定外労働免除制度
  • 経費助成率:制度導入経費20万円

活用例:

インバウンド対応のため海外の語学学校で5か月間の英会話クラスを受講するための休暇を取得

イラスト:海外の語学学校で学ぶため、上司に長期教育訓練休暇の申請をする会社員

効果

  • 休暇制度により、従業員の自発的なスキルアップを支援することで、福利厚生が充実し、従業員のモチベーションが向上

助成金

長期教育訓練休暇制度導入経費助成:200,000円
賃金助成(有給休暇の場合のみ):150日の長期休暇取得で、900,000円

7助成金を受けるために提出する書類と一連の流れは?

助成金が支給されるまでの主な流れは次のとおりです。(令和4年(2022年)12月時点)

手続に必要な書類は、厚生労働省「人材開発支援助成金」の最新版パンフレットでご確認ください。

訓練の計画から助成金支給申請までの流れ

Step1:事業内計画の作成と周知等

  • 「事業内職業能力開発計画」(※1)を作成し、社内で周知します。
  • 社内で職業能力の開発の取組を推進する「職業能力開発推進者」(※2)を選びます。

※1 自社の人材育成の基本的な方針などを記載する計画です。作成イメージは人への投資促進コースパンフレットでご確認ください。
※2 事業内職業能力開発計画の作成・実施や労働者への適切な相談・指導が行えるよう、従業員の職業能力開発及び向上に関する企画や訓練の実施に関する権限を有する方を選任してください(例:労務・人事担当部課長など)。

Step2:計画届の申請

  • 「訓練実施計画」と「年間職業能力開発計画」を作成し、訓練開始日の1か月前までに「訓練実施計画届」「年間職業能力開発計画」「訓練別の対象者一覧」「事前確認書」に加え、訓練メニューごとに必要な書類を管轄の都道府県労働局へ提出します。

Step3:制度導入

  • 自発的職業能力開発訓練と長期教育訓練休暇等制度の助成を受ける場合は、就業規則等に制度を定める必要があります。

※1:自発的職業能力開発訓練は、計画提出前に制度を導入していることが必要です。
※2:長期教育訓練休暇等制度は、原則、計画提出後に制度を導入することが必要です。一定の要件を満たした場合、制度導入後であっても賃金助成の対象となります。

Step4:訓練の実施(制度の適用)

  • 「年間職業能力開発計画」に基づき、訓練を実施します。なお、計画を変更して訓練を実施する場合は、あらかじめ「訓練実施計画変更届」を提出する必要があります。

Step5:支給申請

  • 訓練終了日の翌日から2か月以内に、「支給要件確認申立書」「支払方法・受取人住所届」「支給申請書」「賃金助成・OJT実施助成の内訳」「経費助成の内訳」「OFF-JT実施状況報告書」に加え、訓練メニューごとに必要な書類を管轄の都道府県労働局へ提出します。

※長期教育訓練休暇等制度は一部手続きが異なります。詳細は厚生労働省HPの最新版パンフレットをご覧ください。

各メニューの手続の流れ。高度デジタル人材等訓練、定額制訓練、情報技術分野認定実習併用職業訓練、自発的職業能力開発訓練は、訓練開始日の1か月前までに、訓練実施計画届、年間職業能力開発計画を提出。長期教育訓練休暇等制度は、制度導入・適用計画期間の初日から起算して6か月前から1か月前までに管轄労働局かハローワークに提出。それぞれ、計画に沿って訓練を実施し、支給申請を行う。

申請手続などに関する問合先

各都道府県労働局の助成金申請等受付窓口一覧

人材開発支援助成金

(取材協力:厚生労働省  文責:政府広報オンライン)

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