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2018年の秋季皇居乾通り一般公開について

2014年春季に始まった「皇居乾通り一般公開」は、春季と秋季に行われるようになり、さくらやもみじに彩られた皇居を見ようと毎回多くの参入者が訪れる。2018年秋季も実施の見込みで、その最新情報を皇室関係の国家事務を担う宮内庁に聞いた。

「皇居乾通り一般公開」は天皇陛下が80歳を迎えられたことを記念し、2014年に、春季及び秋季に実施されたのが始まりである。これに多くの参入者が訪れて好評だったこと、加えて政府が策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」の重要な施策の一つ、「魅力ある公的施設の大胆な公開・開放」により、その後も一般公開が行われてきた。こうした一般公開の様子は、ニュースなどでも伝えられている。

乾通りとは皇居の乾の方角(現在の北西)にある乾門から宮内庁庁舎前に至る通りの名称で、乾門通りとも呼ばれる。この通りは皇族も日常的に利用され、通常行われている皇居一般参観ではごく一部しか見られないが、春季と秋季の一般公開では坂下門から乾門へと通り抜けができ、通りの両脇のさくらやもみじなども楽しめる。また通りの途中から皇居東御苑にも入れるなど、貴重な機会となっている(坂下門から乾門へ、乾通りから東御苑へは一方通行)。

宮内庁管理部管理課企画係長の堀隼人さんによれば、2014年春季は4月4日~8日に公開され、385,060人が訪れた。2016年秋季と2017年春季は乾通りの樹木更新工事のため一般公開はなかったが、2017年秋季から12月2日~10日の日程で再開。226,220人を集めた。2018年春季に続き、2018年秋季も一般公開を予定しており、現在はもみじの見頃などを考慮して日程を調整中だと言う。最新情報は宮内庁のウェブサイトで確認でき、皇居乾通り一般公開の英語版ページも用意されている。

なお入場や見学の際には注意点があり、坂下門から乾門まで約750mの距離も、混雑などにより30分以上かかる場合もある。上記サイトで注意事項を事前に確認しておくと、安心して見学できるだろうと堀さんはアドバイスする。

日本では何世紀にもわたって多くの人が「春のさくら、秋のもみじ」を楽しみ、秋は各地のもみじの名所が見物客でにぎわった。乾通りから眺められるさくら類は約100本、もみじ類も約70本と多く、秋も皇居の美しい風景が楽しんでもらえると堀さんは言う(本数は2017年の一般公開時のもの)。

最後に見所を紹介してもらった。「坂下門から皇居に入ると外の騒がしさも消え、別世界のように感じられるでしょう。まず左手に皇室の諸行事が行われる宮殿、右手に旧江戸城本丸で現存する唯一のやぐらである富士見櫓が見え、少し進むと左手に80年以上前に建築された宮内庁庁舎が見えてきます。こうした歴史ある建物を楽しんだ後、右手に蓮池濠が広がる乾通りに出ます」

蓮池濠は乾門近くの乾濠につながり、濠に沿って江戸城本丸の石垣が見え、左手は吹上御苑の樹木が眺められる。「それらを背景に、通りの両脇にあるさくら、もみじ、松などさまざまな樹木が楽しめ、特に一般公開のある春季はさくら、秋季はもみじが美しい季節です。途中、左手に見える下道灌濠も水面にもみじが映える見所の一つ。もみじ類は品種や個体差により色づく時期が異なるため、ほかにも『その日だけの見所』があるでしょう」

東京都の中心部に緑豊かな敷地を持つ皇居。皇居乾通りの秋季一般公開はその特別な場所に入ることができる貴重な機会であり、歴史と自然を同時に感じられることだろう。