音声広報CD「明日への声」トラックナンバー3(HTML版)|令和5年(2023年)6月発行分

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音声広報CD「明日への声」 vol.91(令和5年(2023年)6月発行)

トラックナンバー3

大人になってから発達障害に気が付いたら?ひとりで悩まずに相談をしよう!

(イントロダクション:女性ナレーター)

他人とのコミュニケーションが苦手、その場の空気が読めない、遅刻や忘れ物が多い…。もしかしたら「発達障害」が原因かもしれません。こどものころには気づかずに過ごしていたけれど、大人になってから周囲に適応しづらくなり気がつく場合もあります。ここでは、発達障害の特性や相談窓口、発達障害のある人との関係の築き方を紹介します。

(本文:Q.女性ナレーター/A.男性ナレーター)

Q1:発達障害というのはどのようなものなのでしょうか?

A1:発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いによるもので、脳機能の発達がアンバランスであるために行動や態度に様々な特性が現れます。本人のやる気や努力の不足、保護者の育て方などにより起因するものではありません。
発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、学習障害、チック症、吃音きつおんなど様々な種類があり、複数の障害が重なって現われることもあります。また、障害の程度や年齢、生活環境などによっても症状は違います。

Q2:生まれつき脳の働き方に違いがあることが原因ということは、こどもの頃から何かしらの特性が現れそうです。なぜ、大人になってから発達障害に気づくのでしょうか?

A2:多くの場合、発達障害の特性はこどもの頃から現れますが、その頃は、その特性を個性の一つとして捉えられたり、周囲からフォローされたりして、本人も周囲の人も発達障害と気づかずに大人になることも少なくありません。ですが、進学や就職で社会に出ると、人間関係は複雑になり、様々な人とコミュニケーションをとることになります。また、相手の表情からすべきことを察したり、周囲に合わせて行動したり、仕事を計画的に進めるなど社会性を要求されます。こうなってきたときに、潜在的に持っていた発達障害の特性が浮かび上がってきて、人間関係や仕事でつまずいてしまい、そうして初めて発達障害に気づく場合があるのです。

Q3:大人になって気づく発達障害には、どんなものが多いのでしょうか?

A3:大人になってからつまづきを覚えることも多い「自閉スペクトラム症」と「注意欠如・多動症」を例に紹介します。
「自閉スペクトラム症」はその特性として、他人とコミュニケーションをとるのが苦手だったり、相手の気持ちや状況を理解したりすることが苦手だったりということがあります。また、特定のことに強い関心を持っていたり、こだわりが強かったり、音や匂いなど感覚の過敏さを持ち合わせている人などがいます。

Q4:社会生活の中では、どういうときにつまずきが起きやすいのでしょうか?

A4:例えば、悪気はないのに言動によって相手を怒らせてしまう、相手の表情や身振りから気持ちを汲み取れない、興味のある分野の話をすると夢中で話してしまう、などといった行動を起こしがちです。また、仕事においては、曖昧な指示に対応できなかったり、複数の業務を並行して取り組むことなどができないということもあります。
しかし一方で、得意なこととして、ルールを守る真面目さや細やかさがある、行動に裏表がなく誠実、特定分野に関する知識が豊富、一つのことをコツコツと集中して行うことができる、といった特性もみられ、そうした部分で力を発揮し活躍している人もいます。

Q5:もうひとつの「注意欠如・多動症」とはどのようなものなのでしょうか?

A5:「注意欠如・多動症」は、注意し続けることができず作業にミスを起こしやすい、落ち着きがない・待つことができないというような特性をもっています。
こうした特性により、社会生活においては、整理整頓が苦手、忘れ物や落とし物、遅刻が多い、頼まれていた仕事や約束を忘れてしまう、人が話している間に発言する、スケジュール管理・タスク管理が苦手、などの特徴が見られます。一方で、発想力や独創性に富んでいたり、好奇心が強い、行動力や決断力がある、興味のあることは抜群の集中力を発揮するという側面をもっていたりします。

Q6:それぞれ得意とする面をうまく活かして活躍できるといいですね。ここまでの話を聞いて、「自分は発達障害なのかも…」と思ったときにはどうすればいいですか?

A6:「自分はほかの人とちょっと違うかも」「もしかしたら発達障害なのかもしれない」などと思ったときは、ひとりで抱え込まずに、まずは、専門の相談窓口や医療機関へ相談してみましょう。発達障害の特性から生活や仕事の中でつまずいたり、困難が続いて生きづらさを感じたりしてストレス状態が続くと、>よくうつ的になったり突発的にパニック状態になるなどの症状がでるおそれがあります。
相談することで、専門家による困りごとの相談やサポート、行政による就職や就労について支援を受けられます。

Q7:発達障害の特性をもっていても、早めにその特性に気づくことができれば、ちょっとした工夫を行ったり、周囲にその特性を伝えて支援を受けたりすることで、自分らしくスムーズに社会生活を送れるかもしれませんね。発達障害について相談できる窓口はあるのでしょうか?

A7:例えば、各都道府県や指定都市には「発達障害者支援センター」という、発達障害のある人への支援を総合的に行う専門機関があります。発達障害のある人の日常生活や仕事、人間関係など、幅広い相談に応じています。また、「障害者就業・生活支援センター」や「ハローワーク」、「地域障害者職業センター」でも、生活や仕事に関する相談に応じています。それぞれ全国各地に設置されていますのでお近くの窓口へご相談ください。ご家族からの相談も受け付けています。

Q8:最後に、自分の周りに発達障害のある人がいたら、どのような関わり方が望ましいか教えてください。

A8:発達障害には様々な種類があり、その特性や程度は一人ひとり異なります。まず、家族や友人、職場の同僚など本人をよく知る人と一緒に「得意なことや強みは何か、苦手なことやサポートが必要なことは何か」を理解し、サポートのコツを共に考えて、その人に合ったサポートを工夫しましょう。必要な配慮もまた、一人ひとり異なります。
また、本人も周囲もお互いに理解し合える関係になってきたら、個々の特性に応じた柔軟で自然な関係を作りましょう。障害のあるなしに関わらず、急な関係作りは難しいものです。じっくり時間をかけて相手を知り、良い関係を築いてもらえればと思います。

(エンディング:女性ナレーター)

発達障害の特性は、環境との相互作用によって欠点になることも長所になることもあります。苦手なことは工夫することによって生きやすくなることもありますし、得意なことで大きな力を発揮する人も少なくありません。まずは、発達障害のある人もその周囲の人も、発達障害について正しく理解することから始めましょう。
もっと発達障害について知識を深めたいかたは、国が提供する【発達障害ナビポータル】をご覧ください。

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