音声広報CD「明日への声」トラックナンバー4(HTML版)|令和5年(2023年)7月発行分
音声広報CD「明日への声」 vol.92(令和5年(2023年)7月発行)
トラックナンバー4
熱中症警戒アラートが発表されたら?
(イントロダクション:女性ナレーター)
熱中症警戒アラートは、危険な暑さが予想される場合に、「暑さ」への気づきをうながし、熱中症への警戒を呼びかけるものです。熱中症の危険性が極めて高くなると予想される日の前日夕方17時と当日朝5時の1日2回発表されます。熱中症警戒アラートが発表されている日は、外出を控える、エアコンを適切に使用するといった熱中症の予防行動を積極的にとるようにしましょう。
(本文:Q.女性ナレーター/A.男性ナレーター)
Q1:熱中症を予防するために、熱中症警戒アラートが運用されているのですね。
A1:熱中症は気温が高いなどの状況で、体温調節の機能がうまく働かず、体内に熱がこもってしまうことで起こります。そうなる前に予防することが大切ですので、熱中症警戒アラートが発表されたときには、外出や屋外での運動および長時間の作業をやめる、こまめに水分・塩分の補給をするといった予防行動を取りましょう。
Q2:熱中症警戒アラートが発表されたら、具体的にはどのような熱中症の予防行動が必要ですか?
A2:不要不急の外出はできるだけ控えましょう。室内でも熱中症は発生することから、適切にエアコンなどを使用して、昼夜を問わず部屋の温度を調整するようにしましょう。エアコンを利用する際は、室外機の吹出し口や周囲を整理整頓し、風通しを良くしたり、扇風機やサーキュレーターを併用して室内の空気を循環させたりすると、冷房効率が高まりやすくなります。ちなみに、エアコンのフィルターが目詰まりしていると冷房の効果が下がってしまうので、2週間に一度はフィルター掃除をすると良いでしょう。電気代の節約にもなります。
Q3:まずは不要不急の外出を避け、室内温度を気にかけることが重要なのですね。他にも、必要な行動を教えてください。
A3:高齢者、小さいこども、体調不良のかた、肥満のかた、ふだん運動をあまりしないかたは特に熱中症になりやすい方々です。そのような熱中症のリスクが高い方がいたら、夜間を含む適切なエアコンの使用やこまめな水分・塩分の補給などを行うよう、積極的に声をかけましょう。特に注意が必要なのは、屋内にいる65歳以上の高齢者です。高齢者は、暑さを感じにくい上に、体温調節機能の大切な役割を果たしている発汗と血液循環が低下し、暑さに対する抵抗力も少なくなっています。熱中症警戒アラートが発表されるほどの暑い日は特に、積極的に声掛けを行ってください。
Q4:周りの方々にも注意するようにします。不要不急の外出を避けつつも、外出しなくてはいけないときや、外で過ごさなくてはいけない場合には、どのようなことに気を付けたら良いでしょうか?
A4:こまめに水分・塩分の補給をする、涼しい服装にするといった行動をとりましょう。暑い日は、じわじわと汗をかいてしまうため、運動をしていない場合でもこまめに水分・塩分の補給をしましょう。軽い脱水状態になると、のどの渇きを感じなくなってしまうため、のどが渇く前から水分・塩分の補給を行うことが重要です。目安は1日あたり1.2リットルとされています。たくさん汗をかいたときは、スポーツドリンクや塩あめなどで、水分・塩分の補給をするようにしましょう 。
Q5:熱中症警戒アラートが発表されるような暑さの日に、外で運動して大丈夫なのでしょうか?
A5:熱中症警戒アラートが発表される危険な暑さのときには、屋外やエアコンなどが設置されていない屋内での運動は控えるようにしましょう。運動すると大量の熱が発生し、それだけで熱中症の危険性が高くなります。特に激しい運動は、それほど気温が高くない場合や短時間であっても注意が必要です。また、暑い中でのトレーニングは、質が低下するので効果的ではありません。熱中症の予防を心がけてトレーニングを行うことは、効果的なトレーニングという点からも重要といえます。
Q6:外での運動は、原則、中止か延期したいですね。ちなみに、暑さを判断する指標はありますか?
A6: 身の回りの暑さ指数が指標となります。暑さ指数は、人体と外気との熱のやりとりに着目し、気温、湿度、日射・輻射、風の要素をもとに算出する指標として、特に労働や運動時の熱中症予防に用いられています。暑さ指数の数値が28以上になると熱中症患者の発生率が増えるため厳重な警戒が必要です。外出時は炎天下を避け、激しい運動を避けましょう。31以上になると危険な暑さとなります。
Q7:暑さ指数を知らせてくれるサービスなどはあるのでしょうか?
A7:環境省LINE公式アカウントでは、熱中症警戒アラートの発表や暑さ指数の情報の通知を受け取ることができます。お使いのスマートフォンなどのLINEアプリで、「環境省」を「友だち」に追加して、配信設定していただくと、熱中症予防対策の情報などを知ることができます。暑さ指数は時間帯や場所によって大きく異なるため、各現場で測定した暑さ指数を確認するようにしましょう。暑さ指数は、「環境省熱中症予防情報サイト」でも確認することができます。
Q8:もし、熱中症が疑われる人が周りにいた場合どうしたら良いでしょうか?
A8:熱中症は急速に症状が進行し、重症化するため、軽症の段階で早めの応急処置をすることが重要です。熱中症が疑われる人が周りにいたときは、落ち着いて状況を確かめて対処しましょう。めまいや大量の発汗など、軽度の熱中症の症状がみられる場合は、すぐに風通しのいい日陰やクーラーなどが効いている室内など、涼しい場所へ移動しましょう。衣服をゆるめ、体に水をかけたり、濡れタオルをあてたり、扇いだりするなどして、体から熱を放散させ冷やします。自動販売機やコンビニで、冷やした水のペットボトル、ビニール袋入りのかち割氷、アイスバッグなどを手に入れ、それを首の付け根の両側、脇の下、足の付け根に広く当てると良いでしょう。
Q9:嘔吐や意識障害など、症状が重そうな人にはどうすればいいでしょうか?
A9:熱中症を疑った時には、放置すれば死に直結する緊急事態であることをまず認識しなければなりません。重症の場合は救急車を呼ぶことはもとより、現場ですぐに体を冷やし始めることが必要です。自力で水分の摂取ができないときは、塩分を含め点滴で補う必要があるので、緊急で医療機関に搬送することが最優先の対処方法です。これらの場合には、口から水分を飲んでもらうのは禁物です。すぐに、病院での点滴が必要です。
(エンディング:女性ナレーター)
熱中症は命にかかわる病気です。近年、熱中症で亡くなる方が年間1000人を超える年もあり、その危険性を決して軽く見てはいけません。熱中症は予防法を知っていれば防ぐことができます。暑さ指数や熱中症警戒アラートを活用して、屋外での運動や長時間の作業や外出をやめたり、こまめに水分・塩分の補給を取ったりするなど、十分な対策をとりましょう。