政府の花粉症対策。飛散が少ないいまが治療のはじめどき

花粉症はいまだに多くの国民を長年悩ませ続けている社会問題であり、様々な対策を効果的に組み合わせることが重要です。

花粉症という社会問題を解決するため、政府をあげて花粉症対策を速やかに実行していきます。

政府の花粉症対策
3本柱

スギ花粉飛散シーズンに備えて

花粉の飛散時期は、樹木や草花の種類によって異なりますが、2月から5月ごろはスギ花粉の飛散量が多い時期です。個々人でできる花粉症への対処法は、花粉を回避すること(抗原回避)、出てくる症状を抑える治療法(対症療法)、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法、皮下免疫療法)等があります。このうち、対症療法については、花粉飛散シーズン前や症状がごく軽いときから開始しておくことで、症状の悪化を抑えらえれることが分かっています。

発症等対策

対症療法

出てくる症状を抑えるための治療法です。花粉飛散シーズン前や症状がごく軽いときから開始しておくことで、症状の悪化を抑えられることが分かっています。

アレルゲン免疫療法

花粉に触れても症状が出ないようにするための治療法です。花粉飛散シーズン後から次の飛散シーズンまでの間に開始する必要があります。

花粉症に関する治療内容と治療開始時期の図

1.対症療法

対症療法に用いられる薬の種類

花粉症の対症療法の薬には様々な種類があり、症状に応じて使い分けられます。

薬の種類や組み合わせを変えることで、より自分にあった治療ができることがあります。

次の場合には、お近くの医療機関の受診をお勧めします。

  • 症状があって、一度も花粉症と医師に診断されたことがない場合
  • 花粉症に典型的でない症状(咳、喉の奥の強い痛み、濃い黄色で粘り気のある鼻水など)を伴なっている場合
  • 複数の薬を組み合わせても治療効果が不十分と感じられる場合
  • 眠気・倦怠感等の副作用が気になる場合
抗ヒスタミン薬

市販薬として主に流通している薬です。軽症の方では抗ヒスタミン薬の内服だけでも症状が消えますが、重症の方は他の種類の薬を追加してよくなることもあります。

鼻噴霧用ステロイド薬

花粉飛散前から使用し、飛散開始時から現れる症状を軽くなるよう抑えられる上、十分な効果が得られる点鼻薬です。

対症療法に用いられる薬とその注意点

対症療法に用いられる薬とその注意点

2.アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法には、「舌下免疫療法」と「皮下免疫療法」の2種類があります。

アレルゲン免疫療法のメリットとデメリット

メリット

  • 対症療法で改善しなかった人に効果が出る可能性がある
  • 治療終了後も効果がある程度持続する

デメリット

  • 他の治療に比べ、投与部位(舌下なら口、のど、腹部、皮下なら注射部位)の疼痛や違和感などの副作用が出やすい
  • 治療継続の推奨期間が3年以上と長期間に及ぶ
  • 稀にアナフィラキシーが起こる可能性がある

舌下免疫療法

舌下免疫療法のイラスト
特徴
  • 自宅で簡単に服用できる
  • 毎日の服用が必要
  • 服用前後2時間は激しい運動や入浴、飲酒を避ける必要がある
治療薬の費用(3割負担での概算)

1,500円/月

舌下免疫療法のスケジュール例
舌下免疫療法のスケジュール例。治療開始から1週間後までは増量期。1週間後から3年以上は維持期です。

皮下免疫療法

皮下免疫療法のイラスト
特徴
  • 毎日の投薬は不要
  • 開始後半年間は数日~2週間毎、それ以降は1か月毎の受診を要する
  • 皮下注射の疼痛あり
治療に係る費用(一例)

600~2,500円/月

皮下免疫療法のスケジュール例
皮下免疫療法のスケジュール例。治療開始から2か月後までは週2回、少しずつ増量。約2か月後からは週1回同量維持。約3か月後からは2週に1回、同量維持。約5か月後以降は月に1回、同量を維持。

FAQ

治療すれば必ず治りますか?

約8割の患者さんで症状の改善が認められています。治療が効き、アレルゲン免疫療法を終了した後でも多くの患者さんで効果が持続します。

副作用はありますか?

舌下免疫療法では、頻度の高い副作用として、口腔内の腫れ、かゆみなどがありますが、多くの場合、30分程で改善します。ごくまれにアナフィラキシーなどの全身の副作用が起きます。

誰でも受けられる治療ですか?

医師からスギ花粉症と診断されたかたが対象です。喘息、自己免疫疾患の患者さんや全身性ステロイド薬や抗がん剤、一部の降圧剤など使用中の患者さんや、歯科治療中のかたなどは受けられません。なお、舌下免疫療法については、5歳未満は受けられません。治療開始前に必ず主治医の診察を受けて、確認してください。

アレルゲン免疫療法は、花粉飛散期に始められますか?

花粉飛散期は、花粉に対するアレルギー症状が増強している時期であり、この時期にアレルゲン免疫療法を開始すると、副作用としてアレルギー症状が強く表れることがあるため、花粉飛散が終息したのちに開始することが推奨されます。

3.受診の際は

発生源対策

令和15年度(2033年度)までに、花粉の発生源となるスギ人工林を約2割減少させることを目標として、スギ人工林の伐採・植替え等の加速化を推進します。

森林の循環利用サイクルのイラスト。
  • スギ人工林の伐採・植替えを加速化
  • スギ材の需要拡大
  • 花粉の少ない苗木の生産拡大
  • 林業の生産性向上及び林業労働力の確保

また、「花粉発生源スギ人工林減少推進計画」を策定し、着実な実行を図ります。


飛散対策

精緻化されたデータを民間事業者に提供すること等により、民間事業者が行うスギ花粉飛散量の予測の精度向上を支援します。

  • スギ雄花花芽調査のデータの提供に関し、できるだけ早期に調査地点を増やすこと等により、発生源の状況把握を強化
  • 航空レーザー計測により、スギ人工林の分布、資源量、森林地形の情報を高度化し、そのデータの公開を推進
  • 令和5年度(2023年度)中に、スーパーコンピューターやAIを活用し、花粉飛散予測に特化した低い空域の詳細な三次元の気象情報の提供を開始
  • 予測精度の検証に資するため、花粉飛散量の実測データの提供を行うとともに、人手に頼っている飛散量の実測が今後も持続可能なものとなるよう、画像解析による測定手法の開発を進める


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