土砂災害から身を守る3つのポイント あなたも危険な場所にお住まいかもしれません!

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テレビで土砂災害警戒情報を確認する家族

台風や大雨等による「土砂災害」にご注意ください。傾斜が急な山が多い日本は、台風や大雨等が引き金となって、がけ崩れや土石流、地すべりなどによる土砂災害が発生しやすい国土環境にあります。土砂災害は一瞬にして、尊い生命や家屋などの貴重な財産を奪うなど、甚大な被害をもたらします。土砂災害から尊い命を守るために、一人ひとりが日頃から備えておくことが重要です。そのために知っておくべきポイントを紹介します。

1日本全国で発生している土砂災害

がけ崩れや土石流、地すべりなどによる土砂災害は、すさまじい破壊力をもつ土砂が、一瞬にして多くの人命や住宅などの財産を奪ってしまう恐ろしい災害です。傾斜が急な山が多く、台風や大雨、地震などの多い日本では、その地形的・気象的な条件によって、土砂災害が発生しやすい国土環境にあります。

土砂災害発生件数をみると、平成25年から令和4年までの直近10年では平均して1年間におよそ1,446件もの土砂災害が発生しており、平成15年から平成24年までの10年平均のおよそ1,180件に比べ、約1.2倍となっています。令和4年の土砂災害の発生件数は795件で、下の地図は各都道府県別の発生件数を示したものです。これを見ても分かるように、ほとんどの都道府県で土砂災害が発生しています。
土砂災害が発生するおそれのある区域は、日本全国で約68万区域にのぼると推計されています(※令和4年末時点の推計値)。

国土交通省や地方自治体では、土砂災害による被害を防ぐため、砂防えん堤などの施設整備や警戒避難体制の整備などの対策を実施していますが、これらと併せて私たち一人ひとりが土砂災害に対して日頃から備えておくことが重要です。

直近10年の土砂災害発生件数

平成25年から令和4年までの直近10年では平均して1年間におよそ1446件もの土砂災害が発生しており、平成15年から平成24年までの10年平均のおよそ1180件に比べ、約1.2倍。
資料提供:国土交通省

令和4年の各地の土砂災害発生件数

令和4年に、50件以上の土砂災害が発生した都道府県は、鹿児島県、佐賀県、広島県、鳥取県、長野県、神奈川県。30件~49件は、熊本県、長崎県、島根県、静岡県、千葉県、新潟県。1件も土砂災害が発生していないのは、山梨県、埼玉県、茨城県、岩手県で、この他の都道府県は1件から29件の土砂災害が発生しています。
資料提供:国土交通省

2土砂災害から身を守るために知っておきたい3つのポイント

土砂災害から身を守るためには、私たち一人ひとりが土砂災害に対して日頃から備えておくことが重要です。ここでは、土砂災害から身を守るために最低限知っておくべき3つのポイントを紹介します。

(1)住んでいる場所が「土砂災害警戒区域」かどうか確認

土砂災害のおそれのある地区は「土砂災害警戒区域」等とされています。普段から自分の家がこれらの土砂災害のおそれのある地区にあるかどうか、都道府県のホームページや国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」などで確認しましょう。
また、避難の際にどこにどのように逃げるのか知っておくことが大事です。市町村が作成する土砂災害ハザードマップを利用して避難場所や避難経路を確認しましょう。詳しくは、お住まいの市町村にお問い合わせください。

*ただし、土砂災害警戒区域等でない区域でも、土砂災害が発生する場合があります。付近に「がけ地」や「小さな沢」などがあれば注意してください。

(2)雨が降り出したら土砂災害警戒情報に注意

雨が降り出したら、「土砂災害警戒情報」に注意しましょう。土砂災害警戒情報は、大雨による土砂災害発生の危険度が高まったときに、市町村長が避難指示を発令する際の判断や住民の自主避難の参考となるよう、都道府県と気象庁が共同で発表する防災情報です。これは、警戒レベル4相当情報であり、市町村が警戒レベル4避難指示を発令する目安となる情報で、災害の切迫度が高まっていることを示しています。(警戒レベルについては、内閣府ホームページをご覧ください。)
土砂災害警戒情報は、気象庁ホームページや各都道府県の砂防課などのホームページで確認できるほか、テレビやラジオの気象情報でも発表されます。大雨による電波障害や停電などいざというときのために携帯ラジオを持っておくとよいでしょう。都道府県や市町村によっては、携帯電話などに自動的に土砂災害警戒情報を教えてくれるサービスもあります。さらに、キキクル(危険度分布)など、1~5kmのメッシュ単位の危険度が気象庁や都道府県のホームページで確認できます。

(3)警戒レベル4で全員避難

お住まいの地域に土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当情報)が発表されたら、自治体からの避難指示の発令(警戒レベル4)に留意するとともに、避難指示が発令されていなくても、キキクル(危険度分布)などを参考にし、家族・親戚や地域内の方々に声をかけあい、早めに近くの避難場所など、安全な場所に避難しましょう。特に、お年寄りや障害のある人など避難に時間がかかる人は、移動時間を考えて早めに避難させることが大事です。夜中に大雨が予想される場合には、暗くなる前に避難することがより安全です。また、強い雨や長雨のときなどは、市町村の防災行政無線や広報車による呼びかけや緊急速報メールなどにも注意してください。土砂災害の多くは木造の1階で被災しています。どうしても避難場所への避難が困難なときは、次善の策として、近くの頑丈な建物の2階以上に緊急避難するか、それも難しい場合は家の中でより安全な場所(がけから離れた部屋や2階など)に避難しましょう。
夜間の豪雨時などには避難をためらってしまいますが、普段から避難訓練に参加し避難に慣れていれば避難行動を起こしやすくなります。市町村などがおこなう土砂災害の避難訓練に参加しましょう。

雨の中、安全な場所に避難する家族。

3土砂災害の前兆現象にも注意

土砂災害を発生させる現象には、主に「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」の3つの種類があり、これらが発生するときには、何らかの前兆現象が現れることがあります。下に挙げたものは主な前兆現象です。こうした前兆現象に気づいたら、周囲の人に声をかけあい、いち早く安全な場所に避難することが大事です。

土砂災害の種類と主な前兆現象

(1)がけ崩れ

 

  • 特徴

斜面の地表に近い部分が、雨水の浸透や地震等でゆるみ、突然、崩れ落ちる現象。崩れ落ちるまでの時間がごく短いため、人家の近くでは逃げ遅れも発生し、人命を奪うことが多い。

住宅地で起きるがけ崩れ
  • 主な前兆現象

がけにひび割れができる
小石がパラパラと落ちてくる
がけから水が湧き出る
湧き水が止まる・濁る
地鳴りがする

がけから小石が落ちてくるがけから水が湧き出る

(2)地すべり

 

  • 特徴

斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象。土塊の移動量が大きいため甚大な被害が発生。

地すべり
  • 主な前兆現象

地面がひび割れ・陥没
がけや斜面から水が噴き出す
井戸や沢の水が濁る
地鳴り・山鳴りがする
樹木が傾く
亀裂や段差が発生

水が噴き出す井戸の水が濁る

(3)土石流

 

  • 特徴

山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象。時速20~40kmという速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させてしまうことも。

土石流
  • 主な前兆現象

山鳴りがする
急に川の水が濁り、流木が混ざり始める
腐った土の匂いがする
降雨が続くのに川の水位が下がる
立木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえる

山鳴りがする川の水が濁り、流木が流される

46月は「土砂災害防止月間」

毎年、6月1日~30日は「土砂災害防止月間」です。
月間中は、「みんなで防ごう土砂災害」を運動のテーマとして、土砂災害警戒区域等や砂防設備などの点検や情報伝達訓練、防災意識を高めるための啓発活動などが実施されます。
土砂災害防止月間を機に、皆さんも自分の地域の危険な場所を確認したり、避難場所までの経路を歩いてみたりするなど、 万が一の事態に備えておきましょう。

令和5年度土砂災害防止月間ポスター

土砂災害防止月間のポスター
資料提供:国土交通省

(取材協力:国土交通省 文責:政府広報オンライン)

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