「手続が分かりにくい」「道路の路面にでこぼこがあり危険である」「役所への届出用紙の文字が小さく高齢者への配慮に欠けている」など、役所の仕事に関する苦情、意見・要望があるときには「行政相談」をご利用ください。総務省では、全国各地に「行政相談窓口」を設置しています。
行政苦情110番「0570-090110」(全国共通番号)
1「行政相談」って何?
「手続が分かりにくい」「役所が対応してくれない」「安全性に欠ける(公共)施設がある」「高齢者や障害者への配慮に欠けている」「手続を簡素化してほしい」「どこの窓口に申請してよいか教えてほしい」……。役所の仕事に関する苦情、意見・要望や行政に関して分からないことなどはありませんか?
そのようなときに役に立つのが、総務省の「行政相談」です。
行政相談は、国や独立行政法人、特殊法人の業務や、国が関わっている都道府県・市区町村などの業務に対する苦情、意見・要望などを幅広く受け付け、担当する行政機関とは異なる立場から、必要に応じて、関係行政機関にあっせんを行います。そして、その解決や実現の促進を図るとともに、行政の制度・運営の改善に生かす仕組みです。
画像:総務省
詳しくはこちら
動画:総務省YouTube
また、総務省では、毎年10月に「行政相談週間」を実施しています。令和4年度は10月17日(月)から23日(日)まで。この機会に行政相談を利用してみてはいかがでしょうか。
行政相談窓口の愛称「きくみみ」について

総務省では、行政相談を国民に親しみやすく、気軽に利用してもらうため、総務省行政相談センター(管区行政評価局・行政評価事務所・行政監視行政相談センター)の愛称を「きくみみ」としました。
コンセプトは〈地域社会に寄り添って一人ひとりの声を聞く〉です。
行政相談のマスコット「キクーン」ともども、よろしくお願いします。
2どんなことが相談できるの?
医療保険・年金、雇用、運輸などのほか、生活の支援や新型コロナウイルス感染症に関連する相談にも対応しています。
役所の仕事に関して寄せられた相談では、次のような行政分野に関する内容が多いです。
行政分野 | 相談例 | 関係府省など |
---|---|---|
社会福祉 | 児童扶養手当の受給資格について教えてほしい | 厚生労働省 |
道路 | 国道に危険箇所があるので、早く改修してほしい | 国土交通省 |
医療保険・年金 | 国民年金や厚生年金保険の被保険者の資格要件について教えてほしい | 厚生労働省 日本年金機構 |
雇用 | 長時間労働を強いられているので、考えられる相談先を教えてほしい | 厚生労働省 |
運輸 | バス停の時刻表が剥がれているので直してほしい | 国土交通省 |
窓口サービス | 申請を受け付けてもらったが、いまだに許認可の決定がないので、早くしてほしい | 国、県 市区町村 |
新型コロナウイルス感染症関連 | 感染拡大の影響で収入が減少し、支援を受けたいので、どこに相談すればよいか教えてほしい PCR検査を受けたいので、どこに相談すればよいか教えてほしい |
国、県 市区町村 |
また、行政相談では、「こうしてほしい」という相談以外にも、「困りごとがあるが、どうすればよいか分からない」「関係機関に相談したが、応対者の説明や対応に納得がいかない」「いろいろな事情から、関係機関に直接苦情を言いにくい」「制度や仕組みが分からない」といった相談を受け付けています。
3相談によって解決した事例は?
これまでに、行政相談を通じて行政サービスなどが改善した例はたくさんあります。その中から、いくつかをピックアップしてご紹介します。
【改善事例1】廃屋の軒先にある郵便ポストを安全な場所に移設してほしい
相談内容
郵便ポストが廃屋の軒先に設置されており、使いにくい上、危険なので、移設してほしい。
改善内容
日本郵便株式会社に連絡した結果、郵便ポストは店舗の軒先に移設されました。
改善前
改善後
写真提供:総務省
【改善事例2】 国立病院の駐車料金を無料にしてほしい
相談内容
私の家族が、ある国立病院に入院しており、私は、その家族の身の回りの世話のために、週に何度も国立病院を訪問し、その都度、国立病院の駐車場を利用している。
その駐車場料金について、外来患者が利用する場合は無料とされているものの、私のような者が利用する場合は無料の対象となっていないため、経済的負担が大きくなって困っているので、駐車場料金を無料にするなどの便宜を図ってほしい。
改善内容
相談を受けた行政相談委員は、他の行政相談委員と協議し、ほかにも同様の意見があることなどから、国立病院に対し、相談要旨を通知するとともに、改善を申し入れました。
その結果、同院では、「入院患者の家族の駐車場利用については、家族の訪問回数が頻回になる場合は無料とし、該当する家族の方に案内することとしました。」との回答があり、利用者の利便の向上を図ることができました。
【改善事例3】壊れた堤防の補修
相談内容
堤防の下部が深くえぐれており、大雨による増水などで堤防が崩壊する危険があると思うので補修してほしい。
改善内容
土木事務所に連絡した結果、堤防が補修されました。
改善前
改善後
【改善事例4】利用されなくなった横断歩道橋を撤去してほしい
相談内容
廃校となった小学校前に設置されている横断歩道橋は、小学校が廃校となる以前は、通学路として利用されていたが、現在は利用する人がほとんどいない。横断歩道橋の橋脚で歩道が狭くなっており、通行しにくいので、横断歩道橋を撤去してほしい。
改善内容
河川国道事務所に連絡した結果、横断歩道橋が撤去され、歩行者用信号機や横断歩道が新しく設置されました。
改善前
改善後
写真提供:総務省
4どうやって相談するの?
行政相談は次のような方法で行うことができます。いずれも、特定の様式や添付書類などの提出といった難しい手続は不要です。相談費用も無料で、相談者の秘密は固く守られます。
(1)電話
「行政苦情110番」0570-090110(全国共通番号)
最寄りの総務省行政相談センター「きくみみ」につながります。

※職員対応時間:センターによって異なります。詳しくはお問い合わせください。また、平日の夜間及び土日祝日は、留守番電話で対応させていただいております。
※NTTコミュニケーションズが定める通話料がかかります。電話会社の通話料割引サービスや携帯電話の料金定額プランの無料通信は適用されませんので、ご注意ください。
※一部のIP電話からは利用できないこともあります。その場合は最寄りの総務省行政相談センター「きくみみ」の電話番号((2)「相談窓口」を参照)におかけください。
※相談内容の正確な把握のため、電話での会話は録音させていただきます。
(2)相談窓口
都道府県庁所在地などに設置されている総務省行政相談センター「きくみみ」、15都市17か所のデパートなどに開設している「総合行政相談所」、総務大臣が委嘱している「行政相談委員」(5「行政相談委員って?」を参照)が開設している行政相談所などで相談を受け付けています。
総務省行政相談センター「きくみみ」(管区行政評価局・行政評価事務所・行政監視行政相談センター:全国50か所)
都道府県庁所在地などに設置されています。詳しい場所などについては、総務省「総務省行政相談センター「きくみみ」の連絡先一覧」をご覧ください。
総合行政相談所(常設または定期的)
国の行政機関、地方公共団体や各種団体、行政相談委員などの協力を得て、全国15都市17か所のデパートなど気軽にお立ち寄りいただける場所で毎日または定期的に開設されています。最寄りの開設場所は「総合行政相談所 所在地一覧」をご覧ください。
※相談窓口では、マスクの着用や手指の消毒など、新型コロナウイルス感染症への感染対策にご協力をお願いします。
一日合同行政相談所(随時)
行政相談週間を中心に、市役所や市民会館などの公共施設、デパートやショッピングセンターなど街中で気軽に入りやすい施設において、国、都道府県、市(区)町村、各専門家、行政相談委員などが合同で相談所を設け、共通の窓口で相談を受け付けます。複数の行政機関に対して相談をしたい場合や複数の行政機関に関係する相談がある場合でも、それぞれの行政機関の所在地へ出向くことなく、一か所で済ませることが可能です。
令和4年度の行政相談週間を中心とした一日合同行政相談所の開設日程などはこちら
総務省「令和4年度 行政相談週間の実施」[PDF:3.28MB]
※新型コロナウイルス感染症の感染状況等により、急遽、開設を中止することがあります。また、相談には事前予約が必要となる場合があります。最新の情報や参加機関などの詳細は、最寄りの総務省行政相談センター「きくみみ」にお問い合わせください。
※相談窓口では、マスクの着用や手指の消毒など、新型コロナウイルス感染症への感染対策にご協力をお願いします。
特別行政相談所(災害時に開設)
地震や台風などの災害で被害を受けた方々からの相談を重点的にお受けするために開設されます。
(3)インターネット
下記のURLまたはQRコードのメールフォームから相談できます。
また、検索エンジンで「行政相談受付」で検索しても、下記のアドレスからメールフォームにアクセスできます。
英語での相談も受け付けています。
(4)手紙・FAX
総務省行政相談センター「きくみみ」宛に直接ご送付ください。(宛先は総務省「総務省行政相談センター「きくみみ」の連絡先一覧」をご覧ください)
これらのほか、行政相談委員が相談を受け付けています。
なお、お住まいの場所と相談の内容に関係する場所が離れていても、全国の総務省行政相談センター「きくみみ」が一体となって受付・処理を行っているため、相談内容に関係する場所を管轄する総務省行政相談センター「きくみみ」まで出向く必要はありません。最寄りの総務省行政相談センター「きくみみ」または行政相談委員に相談することができます。
5行政相談委員って?
行政相談委員は、総務大臣から委嘱された地域における民間有識者で、無報酬のボランティアとして、役所の仕事に関する苦情、行政の制度・運営の改善についての意見・要望などを受け付けたり、相談者に助言を行ったり、関係機関に対する改善の申し入れなどを行ったりしています。現在、全国各地に約5,000人(各市区町村に少なくとも1人以上)が活動しており、毎年約8万件以上の相談を受け付けています。(令和3年度は約4万3,000件(新型コロナウイルス感染症の感染防止の影響による))
行政相談委員は、下記のような活動をしていますので、お気軽にご相談ください。
これらの活動の詳細については、最寄りの総務省行政相談センター「きくみみ」にお問合せください。
行政相談所
市区役所・町村役場・公民館やショッピングセンターなど地域住民に便利で身近な場所で定期的に開設しています。なお、区域の広い市区町村や交通の不便なところでは、地域を巡回して相談所を開設したり、また、地域のイベントなどに出向いたりして相談所を開設しています。
相談所の開設情報は、下記のURLまたはQRコードのリンク先でご覧いただけます。
※相談窓口では、マスクの着用や手指の消毒など、新型コロナウイルス感染症への感染対策にご協力をお願いします。
行政相談懇談会
自治会や婦人会などの代表者や地域の方々との懇談会を開催し、行政相談の改善事例(3「相談によって解決した事例は?」を参照)を具体的に紹介するとともに、役所の仕事に関する苦情、行政の制度・運営についての意見・要望をお聞きします。
行政相談出前教室
行政相談委員と総務省行政相談センター「きくみみ」の職員が一緒に、小中学校や高校、大学などに出向き、行政の仕事や行政相談の改善事例を具体的に紹介しながら、行政相談について授業を行っています。この出前教室では、児童・生徒や保護者などから身近な困りごとを聞いて、実際に行政相談として対応するとともにその結果を紹介するなど、児童・生徒たちが行政相談を体感できるような工夫がされています。
オンライン相談、メール相談
令和4年9月には「行政相談委員オフィシャルウェブサイト」を開設しました。これにより、同サイトを通じて、オンラインやメールでも行政相談をお受けすることが可能となりました。
総務省「行政相談委員オフィシャルウェブサイト」
このほかにも、行政相談委員は自身の相談活動を通じて得られた様々な行政の制度・運営上の改善についての意見を、総務大臣に述べることができます(行政相談委員法第4条)。
(取材協力:総務省 文責 政府広報オンライン)
関連リンク
「YouTube」(総務省チャンネル)
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みなさまのご意見をお聞かせください。(政府広報オンライン特集・お役立ち記事)