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知らないと損をする? 最低限身に付けておきたい「金融リテラシー(知識・判断力)」

平成26年(2014年)4月25日

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私たちは、毎日の生活の中で、「モノやサービスを買う」「給料や代金を受け取る」「目的をもってお金を貯める」または「お金を借りる」など、様々な形でお金にかかわって暮らしています。お金やお金の流れに関する知識や判断力=「金融リテラシー」は、私たちが社会の中で経済的に自立し、しっかりと生きていくために欠かすことのできないものです。ここでは最低限身に付けておきたい金融リテラシーについて解説します。

1「金融リテラシー」って何?“お金との付き合い方”を知って、確かな人生を

「無駄づかいはいけないよ」「お金はよく考えて使いなさい」「おこづかい帳をつけるといいね」などなど――子どもの頃、おこづかいやお年玉と一緒に、こうした言葉をもらった人は多いのではないでしょうか。あるいは今、おこづかいをあげる立場になって、子どもたちに同じような注意をしている方も少なくないでしょう。私たちの親も、私たち自身も、お金との適切な付き合い方を知ることは、子どもにとって重要な“基礎科目”だと考えているのです。

私たちがしっかりとした生活基盤をもって生活していくためには、お金を上手に管理したり、注意深く使ったりすることが重要です。そのためには、お金について十分な知識をもち、お金との付き合い方について適切に判断する力が必要です。このようなお金にかかわる、金融や経済に関する知識や判断力のことを「金融リテラシー」と言います。

生命保険や損害保険も金融商品ですし、企業などにお勤めならば、金融商品のひとつである財形貯蓄をされている方も多いでしょう。加入する保険を選んだり、財形貯蓄を設計する際には、自分の収入やライフスタイル、将来の人生設計などを踏まえて、いつどのような時期にどの程度のお金が必要になるか、そのためのお金をどのように準備すればよいかなどを考えて、保険や資産運用に関する情報を集め、理解し、判断したりすることになります。金融リテラシーが役に立つ場面は、身近なところにあるのです。

また、実態のない投資話を持ち掛ける悪質商法や投資詐欺の被害が後を絶ちませんが、そうしたトラブルを避け、確かな生活を実現できるようにするためにも、金融リテラシーを育む「金融経済教育」が求められています。

<グラフ:1世帯当たり種類別金融商品保有額(2013年/平成25年)>

資料:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)(平成25年)を基に作成
(注)
1. 金融資産非保有世帯を含むベース。
2. 「生命保険」は、これまで払い込んだ保険料の総額。ただし、掛け捨ての保険、年金型商品は除く。
3. 「個人年金保険」は、これまで積み立てた掛け金の総額。ただし、公的年金の掛け金を除く。
4. 「債券」、「株式」、「投資信託」は時価。「株式」には従業員持株制度による株式を含む。
5. 「その他金融商品」は抵当証券、金貯蓄口座、オプション取引など。

2「金融経済教育」はなぜ必要?「金融リテラシー」を身に付けておきたい3つの理由

「金融リテラシー」を身に付けるための教育が、金融経済教育です。国民一人一人が、金融やその背景となる経済についての基礎知識を高め、日々の生活の中で、金融や経済に関する基礎知識に基づいて、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力、すなわち「生きる力」としての金融リテラシーを育むためのものです。

金融リテラシーの向上は、一人一人が経済的に自立し、より良い暮らしができるようにするものですが、その意義・目的について、金融経済教育のあり方について検討を行ってきた金融庁の「金融経済教育研究会」が平成25年4月に公表した報告書をもとにすると、金融経済教育の意義・目的を次のように説明することができます。

(1)金融リテラシーで生活スキルを高めよう

多くの人がライフステージの各場面で、貯蓄・資産運用・住宅ローン・保険加入など、様々な金融商品を利用するなど金融と関わることになります。社会人として経済的に自立し、確かな暮らしを送っていくためには、計画性のない支出を抑え、収支の改善を目指す家計管理や将来に備えた生活設計を行えるようになるとともに、それぞれの生活設計に合わせて金融商品を適切に利用することが重要になってきます。

そのためには、金融全般の基礎を知るとともに、様々な金融商品や金融サービスの特性を理解し、情報を集めることを習慣化し、それらの知識・情報をもとに適切に判断する力を備えることが必要です。自分自身と自分の家族のために、金融リテラシーは大事な生活スキルなのです。

(2)金融リテラシーを向上して、健全で質の高い金融商品を育てよう

近年、金融にかかわる規制緩和を背景に様々な金融商品が登場しています。さらにクレジットカードやキャッシングにかかわる金融サービスなど、多種多様なサービスが提供されるようになっています。
選択の幅が広がる一方で、それぞれの金融商品や金融サービスの仕組みや特徴、リスクなどについて利用者が正確に理解することが難しくなっています。様々な利用者保護を図る仕組みはありますが、なによりも、利用者一人一人が金融リテラシーをもち、商品を選別する目を養うことが重要です。
金融に限らず多くの商品やサービスでは、消費者が十分な知識や情報を持ち厳しい選択眼を持つことで適切な競争を促し、よりニーズに合った良質な商品やサービスを生む原動力となってきました。私たち一人一人の金融リテラシーが向上し、質の良い金融商品や金融サービスを選択することで、質の改善が図られ、より良い金融商品や金融サービスが普及していくことが期待されます。

(3)家計の金融資産を有効活用しよう

日本の家計金融資産(現金、預貯金、株式、投資などの資産)の合計は約1,600兆円。その過半数が預貯金で運用されていますが、低金利が続く中、預貯金だけでは将来に向けた十分な資産形成が難しくなっています。分散投資や長期投資のメリットについて理解が深まることで、分散・長期投資を行い、中長期的により良いリターンを安定的に得ることが可能になります。また、家計金融資産の分散・長期投資は、成長分野への持続的な資金供給につながるなど、経済全体の成長に貢献することも期待されます。

3最低限身に付けておきたい「金融リテラシー」とは?金融知識に加え、家計管理、生活設計、金融商品の選択、外部の知見を活用する力

金融経済教育については、これまでも、金融庁をはじめとする関係当局や金融広報中央委員会、学校や自治体、業界団体や各金融機関、NPO団体など、多種多様な関係者によって、金融や経済の知識の習得を中心に行われてきました。しかし、一人の社会人として、経済的に自立し、しっかりと暮らしていくためには、金融や経済の知識だけでなく、家計管理や将来の資金を確保するために長期的な生活設計などを含めた金融リテラシーが必要です。もちろん、各種の保険やローン、クレジット、資産形成商品などの金融商品を適切に選択するための基本知識を身に付けたり、専門家のアドバイスを活用することの必要性について理解しておくことも重要です。

以上のことから、金融経済教育研究会が示す「最低限身に付けるべき金融リテラシー」では4分野・15項目について挙げています。

最低限身に付けておきたい金融リテラシー(4分野・15項目)

※イラストはすべて金融庁

分野1. 家計管理

(1)適切な収支管理(赤字解消・黒字確保)を習慣にすること

分野2. 生活設計

(2)ライフプランを明確にすること

分野3. 金融と経済の基礎知識と、金融商品を選ぶスキル

【金融取引の基本としての素養】
(3)契約をするとき、契約の基本的な姿勢(契約書をよく読む、相手方や日付・金額・支払い条件などが明記されているか、不明点があれば確認するなど)を習慣にすること
(4)情報の入手先や契約の相手方である業者が信頼できるかどうかを必ず確認すること
(5)インターネット取引の利点と注意点を理解すること

【金融分野共通】
(6)金融と経済の基礎知識(単利・複利などの金利、インフレ、デフレ、為替、リスク・リターンなど)や金融経済情勢に応じた金融商品の選択について理解すること
(7)取引の実質的なコスト(価格、手数料)を必ず確認すること

【保険商品】
(8)自分にとって保険でカバーしたい事態(死亡、病気、火災など)が何かを考えること
(9)カバーすべき事態が起きたとき、必要になる金額を考えること

【ローン・クレジット】
(10)住宅ローンを組む際の留意点を理解すること

ア.無理のない借入限度額の設定、返済計画を立てること
イ.返済を難しくさせる事態に備えること

(11)無計画・無謀なカードローンやクレジットカードなどの利用を行わないことを習慣にすること

【資産形成商品】
(12)高いリターンを得ようとする場合には、より高いリスクを伴うことを理解すること
(13)資産形成における分散(運用資産の分散、投資時期の分散)の効果を理解すること
(14)資産形成における長期運用の効果を理解すること

分野4. 外部の知見の適切な活用

(15)金融商品を利用するにあたり、外部の知見を適切に利用する必要性を理解すること

4各年代で身に付けたいことは?学びと習慣づけを通じて、基本的な金融リテラシーを備える

今後は、前述の「最低限身に付けるべき金融リテラシー(4分野・15項目)」を金融経済教育を担う関係者で共有し、金融経済教育の取組を進めていくこととしています。

また、学校段階、社会人・高齢者の各段階で効率的・効果的に金融リテラシーを身に付けていくために、金融経済教育推進会議では、年齢別・分野別の教育内容について体系的にとりまとめた、より詳細なスタンダードマップを示していく予定です。

年齢別・分野別の教育内容

年齢別 習得すべき内容
小学生

  • 買い物やこづかい、お年玉、手伝いなどの体験を通じて、お金に関わる経験・知識・技能を身に付け、社会の中で生きて行く力の素地を身に付ける
(例)
こづかい帳をつける
商品の選び方を知り、工夫して買い物ができるようにする
貯蓄の意義を理解し、計画的に貯蓄する習慣を身に付ける
中学生

  • こづかい管理や買い物の経験も増え、家計や生活設計について理解し、将来の自立に向けた基本的な力を養う
(例)
家計の収入・支出について理解を深める
職業体験などを通じて、勤労を実感し、つきたい職業について考え、情報を収集する
高校生

  • 生活設計の重要性や社会的責任について理解し、社会人として自立するための基礎的な能力を養う
(例)
長期的な資金管理の大切さを理解する
進路選択などを通じて、意思決定の重要性を理解する
大学生

  • 社会人として自立するための能力を確立
(例)
仕送りなどの収入と学費、生活費などの支出を把握する
クレジットカードを利用する場合、借金であることを理解し、支払い可能な範囲で利用する
金融商品のリスクとリターンについて理解する
卒業後のライフプランを具体的に描く
職業選択に必要な能力開発・資格取得
基本的な金融商品の仕組みや特性を理解する
若年社会人

  • 生活面・経済面で自立
(例)
給与天引き預金を行うなどの工夫も行い、貯蓄行動を定着させる
収入のうちの手取り額、生活費などの支出を把握する
公的年金・保険の内容を把握し、必要に応じて貯蓄や民間の保険・年金への加入などを考える
キャリア計画を立て、必要な自己啓発を行う
様々な金融商品の性質を理解し運用する
金融商品の利用には、外部の知見を適切に活用する必要があることを理解する
一般社会人

  • 社会人として自立し、本格的な責任を担う
(例)
住宅購入や子どもの進学などのライフイベントについて必要な知識やノウハウを習得し、資金管理を行う
死亡や疾病、火災など不測・緊急の事態を想定し、貯蓄、保険加入などを適切に行う
収支の改善に努め、黒字を確保し、貯蓄や投資を通じて将来に向けた資産形成を行う
必要に応じ、住宅ローンなどの負債も計画的・有効に利用できる
高齢者

  • 定年退職、年金生活
(例)
年金受給額などの範囲内で支出を行えるライフスタイルに切り替える
判断力や理解力が衰えた場合の資産の管理・運用の準備を行う

5お金や金融について学びたいときは?金融に関する様々な情報・知識を提供している「知るぽると」の活用を

金融・経済をめぐる環境は時代によって大きく変化していますし、様々な金融商品や金融サービスが続々と生まれています。そうした進化に取り残されないよう、社会人になってからも適宜新しい情報を得て、金融リテラシーを高めることが重要です。そのためには、金融機関や業界団体、自治体などが行っている金融セミナーや公開講座などが利用できます。

また、金融広報中央委員会のウェブサイト「知るぽると」を通じて、金融リテラシーの向上に役立つ様々な情報を提供しています。金融広報中央委員会は、日本銀行の中に事務局を置く、中立・公正な団体です。

「知るぽると」では、「金融と経済のしくみ」「暮らしのマネー情報」などの情報、クイズやビデオで学ぶコーナーなど、子どもから大人まで、分かりやすくお金や金融について知ることができる内容です。現在の家計収支や貯蓄、借入れなどをもとに、将来の暮らし向きが簡単に診断できる「生活設計診断」や、住宅ローンの返済計画や預貯金の積立予測などができる「資金プランシミュレーション」など、家計管理や生活設計に役立つコンテンツも用意されています。

また、金融に関する相談窓口や、各地で開催される金融セミナーなどのイベントなどの情報も調べることができます。ぜひ、活用してみてください。

画像:金融広報中央委員会「知るぽると」

(取材協力 金融庁 文責 政府広報オンライン)

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