「取消し」ができる「不当な勧誘」とは
(1)重要事項について事実と異なる説明があった場合(不実告知)
契約の対象となる物やサービスの内容・品質・効果などの説明、価格や支払方法、その他重要な事項(契約内容)について、事実と違う説明をした場合。また、契約の対象となる物やサービスに関連しない事項について、生命、身体、財産その他重要な利益についての損害または危険を回避するための必要性について、事実ではないことを言った場合。
(例)
・「この機械を付ければ電気代が安くなる」と勧誘し、販売。(実際は、そのような効果はなかった)
・自動車の給油のためにガソリンスタンドに寄った消費者に対し、店員が「タイヤを見たら溝が大きくすり減っていてこのまま走ると危険、タイヤ交換が必要」と言って、消費者の不安をあおり、新しいタイヤを販売した。(実際は、危険なほどすり減ってはいなかった)

(2)分量や回数などが多過ぎる場合(過量契約)
消費者にとって通常必要とされる商品の分量やサービスの回数等を著しく超えることを事業者が知っていながら契約させた場合
(例)
・一人暮らしであまり外出せず、着物をふだん着る習慣もない高齢の消費者に対して、事業者がそのことを知りながら、その消費者が店舗に訪れた際に勧誘して着物を何十着も販売した。
(3)不確かなことを「確実だ」と説明された場合(断定的判断の提供)
将来における変動が不確実な事項について、確実であると告げた場合
(例)
・将来、確実に値上がりするとは限らない金融商品について、「確実に値上がりする」「必ずもうかる」などと説明して販売した。

(4)消費者に不利な情報を故意又は重大な過失により告げなかった場合(不利益事実の不告知)
消費者の利益となる旨を告げながら、重要事項について不利益となる事実を故意又は重大な過失により告げなかった場合
(例)
・すぐ隣の土地に、眺めや陽当たりを阻害するマンションの建設計画があることを知りながら、それを説明せずに、「眺望・日照良好」と説明して住宅を販売した。
(5)営業マンなどが強引に居座った場合(不退去)
事業者が消費者の自宅や勤務先などで勧誘しているとき、消費者が事業者に対し、帰ってほしいなど退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、事業者が退去しなかった場合
(例)
・消費者の自宅を訪れた事業者に、消費者が「もうお引き取りください」と言っても、「契約してくれるまで帰らない」などと居座り、契約させた。
(6)販売店などで強引に引き留められた場合(退去妨害)
事業者が勧誘している場所から、消費者が帰りたいなど退去する意思を示したにもかかわらず、消費者を退去させなかった場合
(例)
・事業者の販売店や事務所などで勧誘された消費者が、「契約はしませんのでもう帰ります」と言っても、「まだ説明が終わらないから」などと強く引き留め、契約させた。
(7)就職セミナー等(不安をあおる告知)
事業者が、消費者が社会生活上の経験が乏しいことから、願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、不安をあおり、契約が必要と告げた場合
(例)
・就活中の学生の不安を知りつつ、「このままでは一生成功しない、この就職セミナーが必要」という勧誘を事業者から受けた。
(8)デート商法等(好意の感情の不当な利用)
事業者が、消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから勧誘者に好意の感情を抱き、かつ、勧誘者も同様の感情を抱いていると誤信していることを知りながら、契約しなければ関係が破綻すると告げた場合
(例)
・SNSで知り合った男性と何度か連絡をして好きになった。宝石展示場に誘われて行ったところ、「買ってくれないと関係を続けられない」と男性から言われ契約した。
(9)高齢者等が不安をあおられる(判断力の低下の不当な利用)
事業者が、消費者が加齢や心身の故障により判断力が著しく低下していることから、現在の生活の維持に過大な不安を抱いていることを知りながら、不安をあおり、契約が必要と告げた場合
(例)
・加齢により判断力が低下した消費者に対し、「投資用マンションを買わなければ、定期収入がなく今のような生活を送ることは困難である」と告げる勧誘を受けた。
(10)霊感商法等(霊感等による知見を用いた告知)
事業者が、霊感等の特別な能力により、消費者にそのままでは重大な不利益が生じることを示して不安をあおり、契約が必要と告げた場合
(例)
・「私は霊が見える。あなたには悪霊がついておりそのままでは病状が悪化する。この数珠を買えば悪霊が去る」と告げる勧誘を受けた。
(11)契約前なのに強引に代金を請求される等(契約締結前に債務の内容を実施等)
(ア)事業者が、契約締結前に、契約による義務の全部又は一部を実施し、実施前の原状の回復を著しく困難にした場合
(例)
・事業者が、注文を受ける前に、自宅の物干し台の寸法に合わせてさお竹を切断し、代金を請求された。
(イ)事業者が、契約締結前に、契約締結を目指した事業活動を実施し、これにより生じた損失の補償を請求する旨等を告げた場合
(例)
・別の町の事業者から、マンション投資の勧誘で会ってほしいと言われ会ったが、「あなたのためにここまで来た、断るなら交通費を支払え」と告げ勧誘された。