水漏れ、解錠、トイレ修理…緊急時の駆け付けサービスのトラブルにご注意!

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台所の水道の蛇口から水が吹き出し、「見積り無料」のチラシにかかれた業者に電話をしようとしている女性

「トイレが詰まった」「蛇口から水漏れが!」「鍵をなくして家に入れない」…。突然発生する暮らしの中での困った出来事。インターネット検索やポストに入っていたチラシで見つけたレスキューサービスの業者に、慌てて連絡するかたも多いのでは。しかし解決を急ぐあまり、業者や契約内容について十分に検討しないまま契約してしまった結果、高額な請求をされるなどのトラブルになるケースもあり注意が必要です。

1「暮らしのレスキューサービス」とは?

「トイレが詰まって流れない」「蛇口を閉めても水が止まらない」「鍵をなくして家に入れない」「家の軒先にハチの巣ができてしまった」など、日々の暮らしの中で、このような困った出来事が突然発生し、自分では対処できないとき、皆さんはどこに相談しますか。

家周りの様々なトラブル。鍵の紛失、トイレの故障、水道の水漏れ、害虫・害獣(軒下にできたハチの巣など)、冷暖房設備の故障(エアコンが動かないなど)

そのようなときに、手助けとなるのが「暮らしのレスキューサービス」です。このサービスは、水漏れやトイレの修理、鍵の修理・交換、害虫・害獣などの駆除、冷暖房設備の修理など、専門的な知識や技術がないと対処できないような、日々の暮らしの中で起きる様々な困った出来事の解決をしてくれます。

こうしたサービスは、住宅関連会社やホームセキュリティ会社などが提供している場合もあるため、いざというときはそれらの業者に相談するというかたも多いでしょう。しかし、困った出来事が発生してはじめてスマートフォンやパソコンで近所の業者を検索して、早急に対応してもらえる業者を探すかたも少なくありません。ただし、業者選びには注意が必要です。

近年、全国の消費生活センター等に寄せられる「暮らしのレスキューサービス」に関する相談が目立ちます。

相談内容をみてみると、「スマートフォンで検索をして一番上に表示された業者に依頼をした」「ポスティングのチラシで見た業者に依頼をした」という人がトラブルに遭っているケースがみられます。緊急時ですから、早く業者を探したいと思うのは当然ですが、焦って業者に連絡し、それでトラブルが起こってしまっては本末転倒です。ではどうすればトラブルを回避できるのでしょうか。消費生活センター等に実際に寄せられた主な相談をもとに、その対策を考えてみましょう。

2どんなトラブルが発生しているの?

全国の消費生活センター等に寄せられた「暮らしのレスキューサービス」に関する相談件数をサービスごとにみてみると、特に多いのが「トイレ修理」、「水漏れ修理」、「鍵の修理・交換」、「害虫・害獣駆除」です。

暮らしのレスキューサービス「サービスごとの相談件数」

グラフ:暮らしのレスキューサービス「サービスごとの相談件数」。トイレ修理9136、害虫害獣等の駆除4521件、鍵の修理・交換4382件、水漏れの修理3620件、冷暖房設備の修理1873件、ドア・ガラスの修理1055件、給湯器の修理660件

資料:国民生活センター(2018から2022年度受付、2023年2月28日までのPIO-NET 登録分)

PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。

具体的なトラブルの事例

【事例1】トイレ修理でのトラブル

トイレ修理で「390円から」のネット広告をみて依頼したら55万円の請求を受けた

夜に自宅マンションのトイレが詰まった。インターネット広告に「料金390円から」と記載された事業者に修理をお願いしたいと電話した。作業員から連絡があり「勝手に自分で直そうとすると逆に詰まるのでしないように」と言われた。男性2人の作業員が到着し、高圧ポンプで10分程作業した。解消されないので「便器を外して排水管を確認する。3万円かかる」と言われ了承した。「長年の汚れが蓄積して詰まった。こんなにひどいのは初めてだ。通貫作業が必要で20万円前後かかる」と言われた。他の部屋の住民に迷惑をかけてはいけないと思い、了承した。さらに「詰まり再発防止のため、薬剤と特殊な機械による清掃で15万円かかる」と言われ応じた。全ての作業は30分程度で完了し、詰まりも解消したが最終的に約55万円の契約書を渡された。「現金で支払えば50万円に値引く」と言われ、少しでも安くなればという思いからATMで現金を引き出しその場で支払った。よく考えてみるとあまりに高額で納得できない。
(40歳代、女性)

【事例2】害虫・害獣駆除でのトラブル

コウモリ駆除の見積もりを依頼したが、契約を断れない状況にされ作業内容もずさんだった

コウモリ駆除をするため、ホームページに「見積もり無料」「5年保証」と記載する業者に電話をした。現状を伝えると、業者は「実際に行ってみないとわからない。見積もり後に作業を断っても大丈夫」と言ったので、契約するかどうかは見積もりを見てから決めようと思い、見積もりに来てもらうことにした。翌日、作業担当者が状況を確認し、「コウモリが発生している。これからすぐに仕事にかかれる」と言った。見積もりを求めたら「料金は約10万円になる」と言われた。確認作業の際、コウモリの糞を大量に床に落とされ、作業を断れない状況だったため契約した。業者が帰った後、作業後の状態を確認したら、またコウモリが侵入しそうな雑な作業がされ、汚れた部分の清掃もされていなかった。いい加減な作業をされたと思い、業者に苦情の電話をしたが対応されない。また契約から8日以内に業者にクーリング・オフを申し出たが応じてくれなかった。返金してほしい。
(40歳代、女性)

【事例3】鍵の開錠でのトラブル

解錠で高額請求され「個人情報を知っている」と脅されてその場で支払ってしまった

深夜に自宅マンションの鍵を紛失したことに気づき、慌ててインターネットで事業者を探した。検索結果で一番上に表示されたサイトにアクセスすると「最も高額な作業でも8,000円から」と書いてあったため、高額になっても2万円から3万円程度かなと思い、事業者に電話した。男性の作業員が1人来訪し、鍵穴をみてすぐに「これは特殊な鍵だから解錠するだけで8万円、シリンダー交換をするならさらに2万円かかる」と言われた。10万円も現金はないと言ったら「いくら現金を持っているのか。持っている金額でやってあげる」と言われ、5万円に減額された。私の家の鍵は特殊なものではなく、本当にシリンダー交換も必要なのか聞いたところ「争いたいのか。こちらはあなたの個人情報を知っている」と言われ怖くなり、作業に承諾し代金の支払いもしてしまった。
(20歳代、女性)

資料:

上の事例にもあるように、暮らしのレスキューサービスのトラブルで多く見られるのが、次のようなケースです。

(1)インターネットやポスティングチラシの広告などをみて、その場で業者を選択している。
(2)修理などを急ぐあまり、複数の業者から見積もりをとるなどの比較検討をしていない。
(3)見積もりは無料のはずだと思っていたが、費用を請求されたり、見積もりのつもりで業者を呼んだのに、その場で高額な契約をするよう急がされたりする。
(4)作業が雑でずさんだったり、解約時にキャンセル料を請求されたり、クーリング・オフに応じてもらえないことがある。

3トラブルを防ぐには?

「暮らしのレスキューサービス」におけるトラブルを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか。
まず、日常の暮らしの中で、急なハプニングが起こると焦って冷静な判断ができなくなることが多いため、日ごろから、信頼できる業者を探すなど情報収集をしておきましょう。

工務店と書かれた建物の前に立つ家族と工務店のスタッフ

また、インターネットやチラシの広告における表示価格や電話で説明された料金をうのみにしないことです。「業界最安値」などと記載されていても安易に飛びつかないようにしましょう。
契約をする場合はサービス内容や料金について十分に検討することが重要です。サービス内容や料金は業者によって異なりますので、必ず複数社から見積もりを取り、業者の選定を慎重に行いましょう。
そして、サービス内容や料金に納得できない場合には、業者に「今修理しなければならない」などと契約を急がされても、一旦冷静になり、きっぱり契約を断りましょう。
万が一、契約や解約に際し、業者とトラブルになった場合や、不安に思った場合には、最寄りの消費生活センターなどに相談しましょう。
いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできるクーリング・オフが適用できる場合もあります。

困ったときは消費者ホットライン「188」へ

消費者ホットライン188のキャラクター「イヤヤン」が描かれたバナー

消費者ホットライン「188」は、相談窓口などを案内する全国共通の電話番号です。「188(いやや)」と覚えてください。

【相談受付時間】(相談窓口によって受付時間が異なります)

平日:

9:00から17:00など相談窓口によって受付時間が異なります。
お近くの消費生活センターや市区町村の消費生活相談窓口につながります。
市区町村の相談窓口が開所していない場合は、都道府県の消費生活センター等につながるか、市区町村の相談窓口の電話番号と受付時間を自動音声でお知らせします。

土日、祝日:

10:00から16:00など相談窓口によって受付時間が異なります。
都道府県の消費生活センター等または国民生活センターにつながります。
※年末年始(12月29日から1月3日)を除き、原則毎日利用できます。

詳しくはこちら

(取材協力:消費者庁 文責:政府広報オンライン)

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