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トラックナンバー3(HTML版)

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

音声広報CD「明日への声」 vol.82(令和3年(2021年)11月発行)

トラックナンバー3

(タイトル:女性)

「津波防災の日」をきっかけに津波対策を確認しましょう

(イントロダクション:女性)

平成23年3月に発生した東日本大震災では、太平洋沿岸を襲った津波によって多くの尊い命が奪われました。これを教訓として、この年の6月に津波対策の推進に関する法律が制定され、毎年11月5日を「津波防災の日」とすることが定められました。また、平成27年には国連総会が、津波対策への意識向上を図ることを目的に、同日を「世界津波の日」と制定しました。「津波防災の日」「世界津波の日」をきっかけに、万が一に備えて津波への対策を確認しましょう。

(本文:Q.女性/A.男性)

Q:「津波防災の日」は、なぜ11月5日なのですか?

A:この日は、安政元年(1854年)11月5日に発生した安政南海地震で、現在の和歌山県広川町を津波が襲った際、刈り取ったばかりの自らの田んぼの稲に火を付けて、暗闇の中で逃げ遅れている人たちを高台に避難させ、多くの命を救った濱口梧陵氏の逸話にちなんだ日です。この濱口氏の逸話をモデルに「稲むらの火」の物語が作られました。

Q:日本は、そうやってこれまで幾度となく津波の被害を受けてきたのですね。東日本大震災の際には、その恐ろしさを実感しました。津波って、本当にすごい力で襲ってくるんですね。

A:津波の力はとても強く、車も家も押し流してしまいます。人間は、ひざの高さの津波でさえ、立っていることは出来ず、大人でも簡単に流されてしまいます。そうした破壊力をもった水の塊が、皆さんが想像する以上のすごいスピードで襲ってくるのです。津波は沖合では時速800kmとジェット機並みの速さで迫ってきます。海が浅くなるにつれてスピードは落ちますが、陸に上がった後も時速36kmとオリンピック短距離選手並みのスピードで進むと言われています。

Q:津波が来るのを見てから逃げ始めても、間に合わない可能性が高いですね。もし地震が発生し、津波が来るかもしれないと思ったら、どうすればいいですか?

A:命を守るために一番にとるべき行動は、「素早い避難」です。津波が到達してからでは間に合わない可能性があります。強い揺れや、弱くても長い揺れを感じたり、地震を感じなくても「大津波警報」や「津波警報」が発令されたら、各自がすぐに全力で高いところへ逃げてください。その判断の一秒が生死を分けることになります。

Q:とにかく早く避難を開始することが、何より大事なんですね。他に注意しておくことはありますか?

A:東京大学大学院の片田敏孝特任教授が提唱する「津波避難の三原則」というものがあります。
一つ目は「想定にとらわれるな」。例えば各地域で作成している「ハザードマップ」等に記載されている警戒情報は、「あくまで予想」と考えることです。相手は自然であり、想定を超えることもあるかもしれません。想定にとらわれず油断しないことが重要です。二つ目は「最善を尽くせ」。これは、避難した先が一番安全な場所なのか、より安全な場所に避難できないかを考えて、その時にできる最善を尽くしてほしいということです。そして三つ目は「率先避難者たれ」。通常、私たちは「自分は被害に遭わないだろう」と考えがちですが、この考えを無くし、率先して避難しなければならないということです。

Q:確かに、地震のたびに津波がくるというわけではないですからね。なかなか直ぐに避難とはならないかもしれませんね。

A:人は不測の事態や不都合な状況に直面すると、心の平穏を保とうとして「まだ正常の範囲だ、まだ大丈夫だ」と認識しようとする心理が働きます。これを「正常性バイアス」というのですが、災害時には、「まだ大丈夫」「今まで問題なかったから大丈夫」という思い込みの元となり、避難が遅れる原因になります。「津波が来るかも」「いや、そんなわけない」という心理になるわけです。

Q:この正常性バイアスを克服し、命を守る行動をとれることが必要ですね。

A:そうなんです。ですから、そうした心理的働きを克服して行動できるように、防災訓練などに積極的な参加をお願いします。訓練を重ねることで、いざというとき、思い込みに捕らわれず身を守ることが出来るようになります。

Q:なるほど。東日本大震災の時の津波でも、海岸近くの学校で、日頃からの避難訓練がしっかり出来ていたおかげで被害を免れた話を聞いたことがあります。

A:岩手県釜石市の小中学校ですね。東日本大震災の大津波が東北地方沿岸部に甚大な被害を及ぼした中、児童・生徒の多くが無事に避難することができました。日頃の訓練と、先ほどの「津波避難の三原則」を徹底して身に付けていたことが実を結んだ例ですね。津波は発生までに若干の猶予時間がありますので、人的被害を少なくすることは十分に可能です。適切な避難行動を発災時にとるために、日頃から、実践的な訓練を重ねることで、一人一人がとるべき行動を体に刻み込んでおくことが極めて重要なのです。

Q:避難訓練がすごく大事なことだとわかりました。その他にも、日頃から備えておくことはありますか?

A:日頃から家族で2つの約束を決めておきましょう。一つは、逃げる場所を決めておくこと。もう一つは自らの命を自ら守ることに全力を尽くすことです。家族は決めた場所に避難していると信じて、まずは自らを守るために全力を尽くす。避難してから家族と落ち合えばいいのです。

Q:視覚に障害がある方など、自らを守るための適切な避難行動をとることが困難な方は、津波にどのように備えておけばいいでしょうか。

A:日頃から、支援者が不在の場合の避難方法や連絡手段を、家族や周囲の人と確認しておきましょう。お一人で避難する場合は、近くの人に助けを求めて下さい。また、災害時に適切な支援を受けられるように、お住まいの自治体の避難行動要支援者に対する支援の枠組みを確認しておきましょう。

(エンディング:女性)

今年も11月5日の「津波防災の日」にあわせ、津波防災への意識を高めるとともに、適切な避難行動の定着に向けて、地方公共団体と連携した地震・津波防災訓練が行われました。そこでは、備えることや、学ぶことで救える命があることを確認しました。津波への備えを確認して、自分の命、自分の家族を守りましょう。内閣府の「津波防災特設サイト」では、津波に関する資料やイベントの情報等を見ることができます。「津波防災の日」で検索してください。


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